(写真=ZUU online 編集部)
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上場投資信託(ETF)の地道な認知度向上活動が続いている。一般投資家の中には、「ETF」と聞いてもピンとこない人が多い中で、ETFの利点を広めるための取り組みが行われている。

その一つが、日本取引所グループ(JPX) <8697> と岡三証券グループ(岡三証券) <8609> が共催するETFセミナー。両社は岡三証券の情報発信基地の一つである「アジア情報館」で、「ETFの魅力と投資手法」と題したセミナーを定期的に開催し、一般投資家へのETFの認知度向上活動を推進している。

今回はETF投資についての、草の根の認知度向上活動の実態を探るために、JPXと岡三証券が1月21日に共催したセミナーで登壇したJPXマーケット営業部の吉田隆寛氏の講演の内容をお届けする。

ETFの分散投資効果や低コストでの投資魅力

吉田氏はETFの全般的な特徴について概説した。ETFと非上場の投資信託の特徴を比べながら、同氏は、非上場の投資信託が1日1回しか取り引きできない一方で、ETFは取引所の立会時間内に、リアルタイムで取り引きできることに言及した。

非上場の投資信託が当日の基準価額で取り引きしなければならないことに対して、ETFであれば市場価格で取り引きできることなどを踏まえて、同氏によれば、ETF投資には「売買したい時に」「売買したい価格で」「自分に適した手段で」「よりリーズナブル」に取り引きできる「自由度の高さ」といった特徴があるという。

また、吉田氏はメリットとして「簡単に分散投資」できることを説明。例えば、日経平均株価連動型ETFを1銘柄買うだけで、日経平均株価の計算に組み入れられる225社に投資することになるとした上で、「日経平均株価の算出元となっている225社の株式を買おうとすると、約1億2000万円必要になる。個人でそれだけ買うのは難しいが、ETFであれば小口で分散投資ができ、約1万7000円(日経225連動型上場投資信託 <1321> を2016年1月21日に買った場合)から始められる」と同氏。

この「約1億2000万円必要」という金額については、2015年12月末時点で、最低売買単位で225社の株式を買った場合を想定しているとのことで、少額投資であるにも関わらずリスク分散できることがETFのメリットとして挙げられた。

ほかにも、同氏はコスト面の利点も指摘。投資信託では運用を任せる手数料ともなる信託報酬が、非上場の投資信託の信託報酬を比較すると安価である点が紹介された。同氏によれば、ETFは「日本株指数に連動するETFを中心に信託報酬が低い」銘柄が多いとの言及があった。

投資魅力、海外資産、高配当などと選べるETF活用法

さらに、同セミナーでは、ETFの概要だけではなく、活用方法についても提案しており、さまざまな切り口から、ETFを選べることなどを参加者に向けて解説した。

吉田氏はそれを、7つのポイントにわけて解説。日経平均株価などテレビや新聞で取り上げられる指数に投資をしたり、投資魅力の高い企業で構成されるJPX日経インデックス400 ETF への投資等を説明した。

加えて、対象となる指数の2倍の変化率で動くレバレッジ型、対象となる指数と逆の動きをするインバース型など、さまざまなタイプがあることを同氏は解説した。さらに、NISA口座でETFを購入するといった組み合わせでの投資スタイルについての言及があるなど、さまざまな形での投資手法を同氏は紹介した。(ZUU online 編集部)

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