(写真=Thinkstock/Getty Images)
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モノとモノや、機械と機械がつながって「情報」を生み出すIoT(Internet of Things)と、大量のデータを自動で解析し、学習して効率化を進めるAI( Artificial Intelligence)。最新の技術の組み合わせで、モノづくりの条件を劇的に買えてしまいかねない動きが出てきている。

それが実際の製造機械と、ITを組み合わせた大規模な工場の自動化だ。ITを駆使した製造現場の徹底的な効率化は、「インダストリー4.0」(製造業の高度化を目指す戦略的プロジェクトであり、第四次産業革命とも言われる)の中核をも占めているといえ、さらに、こうした取り組みは国境を超えて、プレーヤーが連携を進めている。今回は日系製造大手と米大手との提携をはじめに、そうした取り組みの妙を探る。

GE&日立から拡大するIoTの生態系

IoTによる製造業の変革に取組む企業の代表格が、米ゼネラル・エレクトリック(GE)だ。GEは、センサーを付けた機器から集めたビッグデータを活用し、ソリューションに結び付けようという「インダストリアルインターネット」というコンセプトを打ち出し、製造業のさらなる合理化、自動化を推し進める。

しかも、同社はほかにも同様の取り組みを進めており、今まで存在しなかった技術やインターネットを生かした設計を取り入れ、製造の仕組みそのものを変えてしまう「アドバンストマニュファクチャリング」も提唱。世界中から外部の知識やノウハウを取り入れようとするオープンイノベーションの発想で、次世代型製造業への変革に向けて動いているという。

加えて、GEでは主力とさえ言えそうだった金融部門・GEキャピタルの売却を昨年公表し、製造部門の強化に舵を切ってきてたことも国に新しい。

日本の「モノづくり」もこうした産業力強化に歩調を合わせている。日立製作所 <6501> は、「第4次産業革命」の実現をめざして、ユーザーと現場、そして経営者をIoTでつなぎ、データに基づいた課題解決を目指しているという。同時に、現場で蓄えられた「知見」をデジタル化し、日本型のオープンイノベーションで、新しいモノづくりのスタイルを構築する戦略を掲げている。

ロボットがAIで熟練技術者並のノウハウを獲得

他方、国内勢の中で、グローバル連携によるIoT利活用で注目されるのが、ファナック <6954> だ。同社は、2015年6月、機械学習を活用した産業用ロボット技術の高度化に向けて、ベンチャー企業のプリファードネットワークス(PFN)との技術提携を発表し、同年8月には、資本提携を発表するなど、世界1位の市場シェアを握っている産業ロボットの新たな可能性を追求している格好だ。

ファナックは、PFNとの提携により、「人工知能(AI)」を実現する機械学習や深層学習(ディープラーニング)といった技術を駆使して、熟練技術者にほぼ並ぶ精度での作業ノウハウを1日で獲得させることにも成功しているという。言い換えれば、ロボットが熟練技術者を代替できそうになるほど、洗練されてきているということだ。

同社の取り組みはPFNとの提携にとどまらず、地球規模で事業を展開する大手ITとの協力も推進する水準に達している。その象徴となるのが、IT・ネットワーク機器の供給元として知られるシスコシステムズ(シスコ)との協業だ。

両社は共同で、製造現場で稼働している産業ロボットをネットワークに接続し、効率的な運用の実現をさらに後押しする構えだ。

両社の取り組みは、工場内のデータを収集し、その分析を通じて、徹底的な効率化を図るというもの。工場内に設置したセンサーから大量のデータを収集して、工場内のロボットの稼働状況を把握しながら、解析したデータを元に、故障など不具合を予知。部品交換などの定期メンテナンスや、生産ラインの停止といった事態を回避して「眠らない工場」の実現が進んでいる。

インダストリー4.0の中核は「ソフトウェア化」

ファナックとシスコの取り組みとして注目される「眠らない工場」については、ITを活用した製造業の徹底した効率化という形で、ほかにも三菱電機 <6503> も「e-ファクトリー」というコンセプトを打ち出して取り組みを進めている。ただ、こうした流れに通底するのが、「ITの製造現場への浸透」だ。

特に象徴的なのは、ドイツが中心になって進める「インダストリー4.0」だが、一部には「産業のソフトウェア化」と捉える向きもある。従来のような産業の実情ではなく、ソフトウェアによってさまざまなものが制御されるようになる動きを指しており、今後の製造とITの融合の行方を占う上でもヒントになりそうだ。(ZUU online 編集部)

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