上場企業の決算が集中する3月。そのせいか、魅力的な株主優待制度も目白押しだ。自社の魅力を伝えようと、さまざまな株主優待が設定されており、目移りしてしまう投資家も多いかもしれない。おトクに保有銘柄のサービスを活用できる権利から、金券やお肉まで、内容がさまざまであることは最早、詳しく解説する必要もないかもしれない。

その中で今回は、2016年の3月に権利確定日のある、株主優待を新設した銘柄を紹介する。自分の趣味などとも照らし合わせたり、各社のウェブサイトなどでも株主優待の詳細を検証して、自分に最適な銘柄を見定めてもらいたい。ちなみに、各銘柄の最小投資額は、2月5日の終値で計算した。

3月に優待を新設した銘柄(1):ティラド <7236>

ティラドは日系自動車・建機メーカー向けに、バス・トラック・乗用車など自動車用と、二輪車用のラジエータ、オイルクーラ、インタークーラ、ラジエーターといった、熱交換器を製造、販売。大きなパワーを発揮する大排気量向けの製品で、強みを持つ。ほかにも、空調機も手掛けている。

同社の株主優待の内容は、1ポイント1円相当のポイントを付与するというもの。ポイントは、株主限定のウェブサイト「ティラド・プレミアム優待倶楽部」において、食品や電化製品、ギフト、雑貨商品などと交換できる。ちなみに、同社の株主向けのウェブサイトでは、400種類以上の商品を用意しているという。ほかにも、同ポイントを社会貢献活動への寄付に回すことも可能だ。

同株主優待で付与されるポイントはそれぞれ、1000株以上2000株未満なら5000ポイント、2000株以上4000株未満なら7500ポイント、4000株以上5000株未満なら1万ポイントとなる。さらに、5000株以上の場合には、1万5000ポイントが付与される。

なお、ポイントの有効期限は毎年7月1日のポイント付与日より2年間となる。毎年3月末日の株主名簿に同一の株主番号で記載されていれば、ポイントの繰り越しもできる仕組みになっている。株主優待を獲得するための、最少投資額は17万4000円だ。

3月に優待を新設した銘柄(2):三城ホールディングス <7455>

眼鏡専門店チェーン大手の三城ホールディングスは、百貨店向けメガネ屋の金鳳堂を子会社に持っている。海外事業としても、中国を軸に展開しており、香港やシンガポール、台湾といったアジア諸国にも出典。欧州にもフランスのパリ、ドイツのデュッセルドルフ、イギリスのロンドンを始めとして事業を展開している。

「新設」優待として同社は、上場20周年を記念して、100株以上の株主にメガネフレームおよびレンズのメガネ一組の購入価格が20%割引になる優待カードが3枚贈る。パリミキ、メガネの三城、OPTIQUE PARIS MIKI、MIKISSIMES GINZAといった各店舗で、優待を活用することができる。優待カード1回の利用で、最大5人が利用できる。株主優待を受けるための最少投資額は4万6100円。

3月に優待を新設した銘柄(3):ベルーナ <4102>

ベルーナは婦人服主体のカタログ通販大手の一社。折り込みチラシを活用した顧客開拓に特色を持つ。インターネット通販の展開も進めており、グルメ通販「ベルーナ グルメショッピング」大人のための宿泊予約サイト「ゆめやど」、化粧品の通販サイト「なちゅライフ」なども運用している。

同社の株主優待の内容は、「自社運営の通信販売(衣料品、生活雑貨、家具等)で使用できる優待券」、および 「裏磐梯レイクリゾートの宿泊優待券」を付与するというもの。100株以上500株未満の場合、通販の優待券を1000円分、宿泊優待券1枚を投資家は得られる。500株以上1000株未満の株式を保有していれば、通販の優待券を3000円分、宿泊優待券を2枚、同社が付与する。

ちなみに、ベルーナの主要顧客は50〜60代とされており、株主優待を受けるための最少投資額は5万8400円。

3月に優待を新設した銘柄(4):新日本空調 <1952>

三井系の空調設備工事会社である新日本空調も、今年の3月から新たに株主優待の付与を開始する一社だ。同社は、原子力発電所の温度や湿度、放射性物質の大気中への漏出防止などを含む原子力空調も手掛けており、微粒子可視化システムなどの独自技術も展開するなど、冷暖房、換気・給排水、衛生設備等の設計、監理を事業領域としている。

同社の優待内容は300株以上を保有する株主に対して、2000円相当のカタログギフトが贈られるというもの。同カタログには、東日本大震災の復興を支援する意図を込めて、東北地方の特産品が含まれる見通しだ。また、長期で同社の株式を保有する安定株主になれば、9月末に権利確定日を設定した優待で、「キッズスマイル QUO カード 1000 円分」を株主優待として、投資家は獲得できる。

ちなみに、最少投資額は29万6100円だ。

3月に優待を新設した銘柄(5):第四銀行 <8324>

地銀では上位に食い込む第四銀行。新潟県では断トツの、現存する最古の銀行だ。首都圏では住宅ローンサービスを展開しており、千葉銀 <8331> とシステムを共同で運用するなどさまざまな取り組みを進めている。

優待内容は、地元新潟県を中心とした特産品を掲載したカタログから、好みの特産品を選択できるというもの。1000株以上1万株未満の株主に2500円相当、1万株以上なら6000円相当となる。なお2017年3月末以降は、1年以上継続して1000株以上を保有していなければ優待の対象にならないことに注意しなければならないだろう。株主優待を受けるための最少投資額は39万3000円。

3月に優待を新設した銘柄(6):中国銀行 <8382>

岡山県首位で地銀上位の同行は、広島、香川に展開しているほか、兵庫も強化中だ。財務は良好で、システムは千葉銀 <8331> らと共同で使用するといった取り組みも進めているという。優待内容は、(1)岡山県の特産品を掲載したカタログから希望の商品を1つ選択、または (2)社会貢献団体への寄付、のいずれかを選択できるというもの。1年以上の継続保有が条件で、500株以上5000株未満の株主なら5000円相当、5000株以上なら1万円相当になる。なお、2016年3月末が継続保有期間の起算日となるが、導入時特典として、2016年3月末は保有期間にかかわらず500株以上保有で優待の対象となる。株主優待を受けるための最少投資額は61万5000円。

3月に優待を新設した銘柄(7):アパマンショップHD <8889>

同社は、傘下に賃貸斡旋のアパマンショップや賃貸管理、サブリースの会社を持つ。本業回帰によって体質改善中。500株以上1000株未満の株主には3500ポイント、1000株以上2000株未満なら7000ポイント、2000株以上3000株未満なら1万5000ポイント、3000株以上なら2万ポイントが付与され、ポイント数に応じて、特設サイトに掲載されている食品、電化製品、ギフト、旅行など400点以上の商品から選択して交換ができる。なお、社会貢献活動に寄付することも可能だという。株主優待を受けるための最少投資額は56万9500円。

3月に優待を新設した銘柄(8):伊豆シャボテンリゾート <6819>

旧オメガ・プロジェクトの同社は、伊豆シャボテン公園などの運営を中核に置く。公園資産競売問題は収束へ向かっている。優待内容は、1000株以上の株主に対し、6月1日~翌年5月31日に2名が利用できる、伊豆シャボテン公園、伊豆ぐらんぱる公園、伊豆ぐらんぱる公園グランイルミ又は伊豆海洋公園磯プール、伊豆四季の花公園の各施設の招待券が、それぞれ1枚提供されるというもの。株主優待を受けるための最少投資額は7万5000円。

3月に優待を新設した銘柄(9):VOYAGE GROUP <3688>

メディア向け広告配信プラットフォームを企画・運営する同社は、販売促進支援など、サイトも複数展開している。優待内容は、100株以上の株主に1000円相当のギフトコードが提供されるというもの。このギフトコードは、デジタルギフトサービス「ギフピー」を通じて、Amazonギフト券やiTunes ギフト、ポイント交換プラットフォーム「Pex」のデジタルギフトなどに交換できる。なお、「Pex」を通じて現金や電子マネーなどのさまざまなサービスへ交換することも可能だ。株主優待を受けるための最少投資額は31万1500円。

3月に優待を新設した銘柄(10):マネックスグループ <8698>

ネット証券大手の一角を占めるマネックスグループ。米国、香港でもネット証券を持つ。現在、基幹系システムの内製化を順次拡大中だ。

株主優待の内容は、マネックス証券の証券総合取引口座および株式らくらく口座における取引で現物株式の消費税等込売買手数料に対してキャッシュバックするというもの。保有株式数が1000株以上2000株未満の場合、手数料に乗じる率が0.5%で半期の上限額が1万円、2000株以上2万株未満の場合には2.0%と2万円になり、2万株以上なら10.00%と3万円にまで増える。

ただし、マネックス証券の証券口座に自社現物株式を1000株以上預けている株主が対象で、約定日の対象期間が4月1日~9月30日であることに注意。株主優待を受けるための最少投資額は29万9000円。(ZUU online 編集部)

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