米ゴールドマン・サックスが今年の国際経済の見通しを予想するレポートを発表した。GDPで大幅な伸びが期待できるのはインドを始めとする発展途上国で、日本はユーロ圏と並び小幅上昇と予想。そのほか原油価格回復、消費力の加速などが見込まれている。
GDP成長トップはインド 伸びではロシア、ブラジル
国内総生産(GDP)の世界平均は3.5%(昨年比0.3%増)。先進国には大きな発展が期待できず昨年から不動の平均2%にとどまるとされているのに対し、発展国の平均は4.9%(0.5%増)に達すると思われる。
成長率では7.8%のインド(0.4%増)が圧倒的だが、伸びという点では1.5%のロシア(2%増)や−1.6%のブラジル(1.6%増)の飛躍が目立つ。
1%の日本(0.4%増)と1.7%のユーロ圏(0.2%)はスペインをのぞいて小幅上昇。米は2.2%(0.2%減)、中国は6.4%(0.5%減)と後退が予想される。
原油価格は回復 消費力が加速
鉄や石炭などのCAPEXコモディティにとっては過酷な状況が続くが、OPEXコモディティは回復。底値を打ったと思われる原油価格の過剰供給が和らぐのを機に、2017年にかけて1バレル52ドル(約5955円)前後まで回復する。
長引くコモディティ価格の低迷が消費を煽り、世界的な貯蓄過剰傾向の緩和に貢献すると期待。
米引き締め強化でドル高 ドルに釘付けされた発展途上国は苦戦
発展国の消費者物価指数は上昇。米国では原油価格の回復と雇用市場の安定化がデフレ傾向を弱め、米連邦準備理事会(FRB)は市場の予想を上回るペースで引き締めを強化する可能性がある。引き締めの進行にともなう米株式相場の低迷が懸念される。
欧州中央銀行(ECB)や日銀によるマイナス金利が継続することで、米ドルはさらに押し上げられると予測。
発展途上国のリスクレベルは「崩壊」から「減速」へ緩和され、ドン底から回復期へ。ただしナイジェリアなどドルペック制(自国通貨を米ドルと連動させ貨幣相場の安定を図るシステム)採用国は、調節に苦戦を強いられる気配だ。
債券市場の低迷は継続
GDPの順調な伸びが企業の経済成長と連動し、投資家の不安心理は落着きを取り戻す。
利益率に変動がなければ、収益面にもプラス効果をもたらすだろう。また価格決定力の低下などが所得に及ぼす影響は少ないと思われる。
確定利付債券市場の流動性は低下したままで、大きな改善は期待できない。(ZUU online 編集部)
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