サービス開発の鍵を握るのは「チャットボット」ベンチャー

そこで注目されるのが、AIに代表されるチャットボットのコア技術や、特定の業種・業界や領域での新規ビジネス開発に強みを持つベンチャー企業である。

FinTech(金融×IT)の分野では、英国のオンライン投資会社であるA.J Bellsが、Facebookのメッセンジャーアプリ上で、チャットボット機能を活用しながら株の売買ができるプラットフォーム「Youinvest」の開始計画を発表している。計画では、ユーザーが「Youinvest」専用口座を開設し、Facebook上でログインした後は、相談から購入まですべてのプロセスをチャットボット上で実行する仕組みを開発中する見通しで、チャットボットを活用した投資プラットフォームとしても注目だと言える。

電子商取引(Eコマース、EC)の分野では、米国サンフランシスコのスタートアップ企業であるOperatorが、2015年4月より、チャットボットのみをユーザーインタフェイス(UI)に採用したECサービスの提供を行っている。「買い物コンシェルジュ」とメッセンジャーで相談しながら買い物ができるショッピングモール型ECが同社の強みだ。

日本国内でも、美容サービスの分野で、ネイリストやネイルサロンの検索エンジン「リンクビューティー」を運営するInSyncが、今年5月に、LINE上のメッセージのやりとりでサービスを検索できる「LINE bot(チャットボット)」のβ版をリリースした。

オンラインメディアで注目されるチャットボット

またオンラインメディアの分野では、チャットボット向けのコミュニケーションエンジン「AI TREE」の研究開発を行っているZEALSが、今年6月、メディア運営企業向けボット開発運用ツール「BOT TREE for MEDIA」をリリースした。

LINEで記事を配信したいメディアは、前述の「LINE BOT API」を実装した上で、「BOT TREE for MEDIA」にアカウントを作成し、API経由で連携させれば、「BOT TREE for MEDIA」のダッシュボードからチャットボットのデータを管理できる仕組みになっている。

AIを駆使したチャットボットは将来的に、モノのインターネット(IoT)でつながる企業内・企業間におけるコラボレーションや情報共有への活用も可能だ。マルチモーダル・インターフェイスに対応可能なチャットボットは、IoT化、ロボット化が見込まれる企業の工場や作業現場でも、強みを発揮すると見られ、B2CとB2Bの双方でどのように展開できるかにより、その潜在力も決まりそうだ。(ZUU online 編集部)

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