短期のマネーゲームと割り切って「ポケモンGO狂騒曲」のような話題性のあるテーマに乗ることを否定はしないが、高値でつかまないために3つのポイントだけは意識しておきたい。

①スピード違反には気をつける
一つの製品で会社が大きく変わることはいくらでもある。ただ任天堂ほどの時価総額の会社が一週間程度で倍になるのは明らかにスピード違反だ。あまりに早いときは、追い越し車線から走行車線に戻って一度冷静に考えてみることも必要だろう。

ましてや、連想ゲームは株式市場にはありがちだが、まったく裏付けのない銘柄を関連銘柄として買い上がるのは注意が必要だ。銘柄が広がりすぎたときは、本命に新鮮みがなくなってきたときか、本命がバリュエーション的に高くなってきたときが多いので注意しよう。

②噂で買い現実で売る
株式市場のアノマリーに「噂で買い現実で売る」というのがある。例えば最近では、LINEの上場の噂でLINE関連が買われ、LINEの実際の上場で関連銘柄が一斉に売られた。株式市場は、噂や理想を織り込むのが早いため、理想買い現実売りといった事が頻繁に起こる。

たとえば、任天堂だったら、ポケモンGOの配信前が噂の段階、実際に日本で配信されたとき、もしくはポケモンGOの収益への貢献が明らかになってきたときが現実だ。日本で配信されたからといって買っているようでは、なかなか株式市場では高値つかみになる可能性があるので注意だ。

③出来高急増には気をつける
日本市場最大の出来高を演じた任天堂。確かにポケモンGOはすごいが、日本市場最大の材料で日本市場最大の業績変化が見込めるほどなのだろうか。

市場には、先導株比率という市場の過熱感をみる指数がある。大商い10銘柄占有率とも呼ばれ、株式市場の総出来高のうち上位10銘柄の占める割合を指す。通常は15%~30%で推移することが多い。比率が上昇している時は市場全体に勢いがあると見なされ、経験則として、30%を超えると相場が「過熱気味」であり、15%を下回ると物色の焦点が定まらず相場が「低迷」することが多いとされている。

教科書どおりにいくと10銘柄の比率が30%を超えると過熱だ。任天堂だけの1銘柄で27%、関連銘柄を入れれば軽く30%を超している状況は、明らかに過熱していることを意識しておくべきだ。

祭りはいつか終わる

相場の値動きが、アノマリーとか過去のパターンどおりに行かないことももちろん多い。あまり慎重になりすぎて大きな値幅をとるチャンスを逃すことも多い。ただ、過熱した相場に飛び込むことは、もう株式投資の枠を超えて、マネーゲームだと理解したうえでトレーディングのお祭りに参加するようにしたい。(ZUU online編集部)

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