フィーバーにはつきもの? はまり過ぎのユーザーに喝

豪州でリリースしてからインターネットのサイトやニュースで頻繁にPOKEMON GOの言葉を目にするようになった。何でもそうだが、「フィーバー」という現象は非常に危険なものでもある。豪州でも予想通り異常なまでのPOKEMON GOのフィーバーぶりに、ついに問題が起こってしまった。

ポケモンGOを楽しむ(写真=筆者、豪州にて)
ポケモンGOを楽しむ(写真=筆者、豪州にて)

まず豪州に多く見られる「家」の在り方について簡単にお話ししよう。日本の家の多くには、いわゆる「囲い」があるが、豪州には土地があり、芝があって、いきなり家がむき出しで建っている場合が多い。そのため、簡単に他人のプロパティに侵入できるのである。
スマホを片手に、スクリーンに夢中になる見知らぬ人たち。そこに住む住民はどんな心持ちでその異様な光景を眺めていたのだろうか。豪州警察はこの事態を重く受け止め「注意勧告」として市民に訴えた。

運転中だっておかまいなし? 怪しい人物が家の前に?

タスマニア州ではこんな報告も挙がった。ポケモンを捕まえるために運転中に突然、道の真ん中で止まったり、交差点をふさいだりする事例が数件挙がったのである。非常に危険な行為であるため、タスマニア警察で注意を呼びかけた。また歩道でも歩行者をブロックする行為が目立ったそうだ。

その他、ポケモンハントに関係する映像もYouTubeに多く挙がった。中でも「レアなポケモンを捕まえに山まで来ちゃったよ」と、歪曲した危険な山道を運転しながら撮影したような映像もあった。

前述したがゲームのリリース後、こんな電話も警察に相次いだ。

「家の前に不審な人物が電話を持って何かしている。怖いので来てほしい」

ドライブウェーやガレージなどに不審者がいれば当たり前だ。一体豪州国民の何割がポケモンGOの存在やゲームの在り方を理解しているというのであろう。

豪州の住宅地では、今後「No Stop For Pokemon Hunt=ここでのポケモンハントは禁止」などと、やんわりと掲げられたサインが出てくる可能性も無きにしも非ずである。

豪州メディアが伝えていないシニアユーザー

豪州でのポケモンGOの威力は驚異的である。老若男女関係ない。そしてこんな声が上がった。「豪州メディアはシニアユーザーについての報道を避けている」というものだ。定年まで一生けん命身をつくして働いてきた尊敬すべきシニア世代がポケモンGOにはまっているという事実だ。

毎日通勤や通学に使う電車の中、品の良さそうなシニア女性がスマホを片手に電車内をウロチョロ……。「ポケストップ」を探しているのである。「セルフィーを見つけることができなかったわ」とガッカリした様子だったという。

この他にも多くのシニア世代がポケモンGOにはまっているというのである。「孫の顔を見るのが楽しみ」という感情に加えて「ポケモンに出会えるのが楽しみ」と言ったところであろうか。

バーチャルリアリティーの世界がついに現実になった。世界がさまざまな意味で形を変え、現実の世界が息苦しくなる一方である。それなら別の世界へ飛び込みんでみようではないか。ルールを守って平和で心地よい「マイワールド」を築いていこう!そんなメッセージがこのポケモンGOには込められているような気がしてならない。(トリー・雪香、豪州在住のフリーライター)

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