オユトルゴイ鉱山、南ゴビ炭鉱の完成に期待

モンゴルの短期的な成功は、豊富な自然資源に起因するものだった。赤銅鉱から携帯電話、パソコンなどのIT、通信機器に使われる希少価値の高い紛争鉱物まで、多様な自然資源の宝庫として、世界中の投資家を魅了した。

しかし最大に取引国だった中国が失速したことで、風向きが完全に変わる。市場シェアの4割以上を赤銅鉱、そのほか石炭、石油、鉄、金が各1割前後占めていたモンゴルにとって、賭け金をすべて一枚の馬券に投じてしまったようなものだ。

また「モンゴル政府のバブルぶりも負債を膨張させた原因だ」と指摘する専門家もいる。
自国の経済成長が近隣国に大きく依存したものだという自覚がないままに、政府が湯水のごとく散財した結果、2010年には26%程度だった負債の対GDP比率が、わずか5年間で73%近くに跳ねあがった。

強力な対策が投じられないまま月日が経過した場合、2019年には90%を超えると懸念されている。

しかしモンゴルでは経済の復興に貢献するであろう2大プロジェクトが進行中であることから、何らかの希望が残されているとS&Pは見ている。

54億ドル(約5423億2200万円)を投じたオユトルゴイ鉱山の建設が2020年までに完了する予定であるほか、南ゴビでは40億ドル(約4017億2000万円)の炭鉱開発が進められている。

モンゴル政府が危機に直面している経験から、今後のために学びとる必要がある事柄は非常に多いはずだ。(ZUU online 編集部)

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