任天堂の挑戦と「スーパーマリオラン」への期待

今回、スーパーマリオランの同社の業績への貢献度合いは、ポケモンGOよりも高くなるとみられている。任天堂とDeNAが直接開発したゲームということが大きく、大きな収益の寄与が見込めるとの期待から今回の株価上昇に繋がった。コンテンツ制作は任天堂、サーバー関連はDeNAが担当し、収益は役割分担に応じて分配される。

スーパマリオランの配信以降も同社の動きは見逃せない。日本において、任天堂とDeNAが提携したモバイル市場参入は、「Miitomo」から始まった。日本では2016年3月、欧米では4月にリリースされた任天堂初のスマホアプリである。リリースから約一か月で、世界1000万ユーザーを突破している。

今回スーパーマリオランが市場投入されることにより、 今年秋ごろのリリースを予定したいた「どうぶつの森」「ファイアーエムブレム」が、来年3月までに延期されることになった。17年3月までに「5タイトル程度」としていた投入計画を4タイトルで確定した。任天堂の挑戦は、ゲームファンでなくても期待出来るだろう。

足元はまだ赤字体質 今後の課題は?

同社が7月27日に発表した、17年3月期の第一四半期(4-6月)の決算は、為替差損の計上を背景に、245億円の最終赤字となった。17年3月期通期予想は、純利益が前年比2.1倍の350億円となる見通しだが、為替の社内レートを1ドル110円、1ユーロ125円に設定しており、現状1ドル102円台(9月16日現在)で推移していることを考えると厳しい状況は続きそうだ。

また、任天堂の経営陣が懸念していたスマホ向け市場と既存ゲーム機市場の棲み分けについても大きな課題も残る。

任天堂のPER(株価収益率)は会社予想で92.90倍(9月16日現在)とやや過熱感を帯びている。DeNAは業績予想を出していないため、実績PERで44倍だ。

同社への期待感が特別高いにしても、ソニー<6758>の52倍、米マイクロソフトの26倍、米ゲーム大手エレクトロニック・アート(EA)の22倍を考えると、決して安くはない水準まで買われていることがわかる。

今後、任天堂が大切に育ててきた知的財産をどのようにマネタイズしていくのか、任天堂の動向から目が離せない。(ZUU online 編集部)

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