新規事業への積極的な取り組み スマホ向け動画広告事業に期待
サービスのライフサイクルが短く、移り変わりが早い市場であるため、変わりゆく市場トレンドに迅速に対応するスピード感は今後も重要な要素になるだろう。類似企業を見る限りインターネット広告自体は成熟しつつあり、大きな伸びは見込めなくなってきているようだ。アイモバイルが今後も高成長をキープするためには、新規分野の拡大がカギとなる。
同社が2016年からインターネット広告事業者が軒並み経営資源を投下し始めた動画広告市場は、広告においても今後の主力サービスになる可能性が高い。スマートフォン動画広告市場は、平成28年に前年から72.2%増加403億円に達し、平成29年には601億円に成長する見込みとなっている(「国内動画広告の市場調査」サイバーエージェント)。同社はこの分野においても、2015年からスマートフォンに特価した動画広告プラットフォーム「maio(マイオ)」を展開している。
その他、アフィリエイト事業、ふるさと納税推進サイト「ふるなび」の運営等など幅広くインターネットの広告に関連するサービスを展開している。アフィリエイトは後発ながら、アドネットワークとのシナジー効果を効かせることで順調に拡大している。「ふるなび」はふるさと納税ブームで前年度から業績に大きく寄与はじめた。特に、ふるさと納税は、個人でも税制優遇が受けられ、地方の特産品をお得に貰えることから人気沸騰中だ。都市部にいながら、自分が生まれ育った地方をふるさとに納税により応援できる地方創生の促進に一役買っている。今後もふるさと納税が注目を浴びる可能性は高く、地方創生の関連企業として注目される可能性もあるだろう。
足元の2016年7月期の実績は、売上が前年比51%増の151億円、営業利益が同53%増の28億円と好決算だった。上場申請時の業績見込みの売上147億円、営業利益21億円をともに上回って着地している。営業利益率も15年7月期の18.3%から、18.5%に小幅ながら改善しており、高成長かつ利益率も高水準な点に注目したい。インターネット系のマザーズ市場に上場する銘柄のため、人気となる公算が高いだろう。(ZUU online 編集部)
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