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Written by 長尾義弘(ながお・よしひろ) 62記事

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「日産GTR」を探せ! あなたは、このゲームに勝利する「確率」を理解できますか?

日産GTR,モンティ・ホール問題
(写真=プレスリリースより)

「本番5秒前!」

あなたは、いま、アメリカの人気バラエティ番組に出演していると想像してください。この番組のゲームに勝利すると「日産GTR」をゲットすることができます。司会のモンティ氏が登場し、会場は拍手に包まれました。

それではゲームスタートです!

ドアの向こうに「日産GTR」がある

いま、あなたの目の前に「3つのドア」があります。そのうち1つのドアの向こうに「日産GTR」があります。残りの2つのドアの向こうにはヤギがいます。

あなたは「日産GTR」のドアを当てることができるでしょうか。

モンティ・ホール問題1

3つのドアには、それぞれA、B、Cと書かれています。
この時点では、どれを選んでも確率は「3分の1」です。
あなたは、まずAのドアを選択します。

司会のモンティ氏は「日産GTR」が入っていないCのドアを開けました(もちろん、モンティ氏は答えを知っています)。Cのドアの向こうにはヤギがいました。

つまり、「日産GTR」は、AかBのドアの向こうにあるということになりますね。そこで、モンティ氏は、あなたにこう言いました。

「もう一度だけ、選択を変えることができますが、変更しますか?」

さあ、ここで問題です。
Aのドアを選んでいるあなたは、Bのドアに変更すべきなのか、それとも変更しないほうがいいのでしょうか?

どちらが、正解だと思いますか?

変えるか、変えないか、それが問題だ

これは大論争を巻き起こした「モンティ・ホール問題」と呼ばれる、確率論の問題です。モンティ・ホールはクイズ番組の司会者の名前なのですが、彼の番組内のゲームがそのまま確率論の問題となっています。

さて、正解は「ドアを変える」です。

読者のみなさんは、この答えに納得できますか? もちろん、私も最初は納得できませんでした。だって、3つのドアが2つになったのですから、確率は2分の1のはずでは? 選択を変えても変えなくても確率には関係ないように感じます。

ところが、「モンティ・ホール問題」によると、ドアを変えない場合の正解確率は3分の1で、ドアを変えた場合の正解確率は「3分の2」なのです。

「百聞は一見に如かず」正解確率が3分の2に

だんだん話がややこしくなりますので、ここでもう一度「モンティ・ホール問題」を整理しましょう。

最初は、3つのドアのひとつが正解なので確率は3分の1でした。しかし、司会のモンティ氏が外れのドア(ヤギのいるドア)を見せることによって確率が変わりました。この瞬間に「あなたが最初に『選んだドア以外』の確率が『3分の2』になる」のです。
モンティ・ホール問題2
いかがでしたか?
いま一つ釈然としませんか?
これは実際に試してみるしかありません。下記の絵を見ると一発で理解できると思います。

■ドアを変えなかった場合は、下記の通りです。
unnamed
「日産GTR」をゲットできるのは3回でハズレは6回です。

■ドアを変えた場合は、下記の通りです。
unnamed (1)

「日産GTR」をゲットできるのは6回でハズレは3回です。

ちなみに、「モンティ・ホール問題」はドアを3つから100に増やし、98のドアを開けて「残り2つのドア」のどちらかを選択しなければならない状況でも同じ結果となります。

人生を大きく左右する「判断」もある

「モンティ・ホール問題」は確率の問題ですが、心理学の実験でも使われています。すなわち、「直感的な確率」と「実際的な確率」は必ずしも一致しないということです。

実に不思議ですが、実証された結果なので納得するしかありません。しかし、なんとなく腑に落ちないのが「モンティ・ホール問題」の面白いところなのです。

「モンティ・ホール問題」だけではありません。私たち人間は、日常生活でも確率を正しく認識できないことが多々あります。たとえば、飛行機事故の確率は非常に低いにもかかわらず、異様に心配するかと思えば、交通事故に対しては無頓着になるケースもあります。これは「アレのパラドックス」と呼ばれるものです。

人間は「滅多に起こらないリスクを必要以上に怖がる」かと思えば「たまに起こる可能性があるリスクに対してそれほど心配しない」傾向にあるのです。この傾向については「なぜ人間は『確率を理解せずに』行動するのか?」で詳しく紹介していますので、参考にしてください。

今回はバラエティ番組を例に「モンティ・ホール問題」取り上げました。
私たちは日常生活でも様々な状況に直面し「判断」を求められます。クイズやゲームなら笑い話で済みますが、結婚やビジネスなどの「判断」となればその後の人生を大きく左右することにもなりかねません。そうした重要な局面で「判断」をする際には、実際の確率と認識がズレることのないように心がけたいものです。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

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