住宅ローン
(画像=PIXTA)

無理のない返済額はどの程度なのか?大切なことは「自分の年収からいくら借りることができるのか」ではなく「いくらの返済であれば無理なく返済して行くことができるのか」ということだ。第6回では、無理なく住宅ローンを返済して行くための借入額の決め方について、事例も交え検討する。

目次

  1. 安心できる予算の考え方
  2. 頭金として用意できる金額を把握する
  3. 「返せる金額」で考えることが大事
  4. 「借りられる金額」は年収から決まる
  5. 返せる金額は家計のバランスで決まる

安心できる予算の考え方

安心して住宅購入をすることができる予算はどのように考えたらよいだろう。住宅購入を検討している会社員Aさんを例に、マンションを購入するケースを考えていこう。

年収:700万円
家族構成:本人、妻、子供1人(小学生)
貯蓄額:預貯金1,000万円
生活費:月30万円
家賃:月13万円
予定しているライフプラン:2年後に車の買い替え

予算は、用意できる頭金と住宅ローン借入額の合計で決まってくる。予算決めのステップは以下の4つに沿って考えていこう。

①:用意できる頭金の金額を決める
②:確実に払える月々の返済額を考える
③:安心して払える借入額を計算する
④:①の頭金と③の借入額を足して予算を出す

1つ目は「頭金の決定」で、2つ目に「確実に払える月々の返済額」を家計から考え、3つ目に確実に払える月々の返済額から「安心して返せる借入額」を逆算し、1つめの「頭金」と3つ目の「借入額」を足した金額が予算となる。

頭金として用意できる金額を把握する

まず①の「頭金」だが、今ある貯蓄をすべて頭金にまわしてはいけない。病気による休職や失業など万が一のことが起こった時のための「緊急予備資金」や、買い替え予定の車の購入代金など「手元に残すお金」は確保しておきたい。

緊急予備資金は、会社員であれば生活費の3ヶ月〜6ヶ月程度、自営業であれば1年程度が目安だ。生活費30万円のAさんであれば90万円〜180万円ほどを目安に手元に残しておきたい。

また融資事務手数料や保証料、団体信用生命保険料、登記費用など、物件価格の7%〜10%かかる「諸費用」も一般的に現金で支払うため、手元に残しておく必要がある。例えば、物件価格が5000万円の場合は350万円〜500万円ほどの諸費用が必要になる。

「返せる金額」で考えることが大事