北朝鮮が弾道ミサイルを4月29日に発射した。失敗に終わったと言われているものの、落ち着いたかと思われていた地政学リスクが再燃する可能性もでてきた。

地政学リスクが進むと、投資家はリスク回避に動くため、株式等は売られる場合が多く、金融マーケットに与える影響は大きい。テロや戦争、政治不安等の「有事に強い金融商品」について考えてみたい。

有事に強い「金(ゴールド)」

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(写真=PIXTA)

有事に強い金融商品の一つに、金(ゴールド)がある。金は希少性が高く、かつ現物資産が存在するため、それ自体に価値がある。金価格は常に変動するが、株式や債券、預貯金等の金融商品とは異なり、世界中どこに行っても金の価値は変わらない。

投資環境が悪化する時には、リスクを回避する投資資金は有事に強いとされる金に集まりやすく、金の価値は上がる傾向にある。実際、サブプライムローン問題やリーマンショックが発生した時は、世界の株式市場は下落したが、リスクを回避した投資資金は金に向かった。NY金の価格は2011年に高値をつけるため、右肩上がりでの値上がりが続いた。

その後、世界経済の安定とともに投資資金はリスクを好むようになり、金価格は値下がりに転じた。しかし、ここ数年はテロや政治不安等から再び金が買われている。

投資金に投資できる金融商品

金に投資する場合、どのような金融商品があるのだろうか?

金に投資できる金融商品としては、主に以下の4点が挙げられる。

  1. 純金積立
  2. 金地金=延べ棒、金貨
  3. 金ETF(上場投資信託)
  4. 金先物取引

1. 純金積み立て

純金積立は文字通り、金の積立のことだ。

テレビ等で広告を見たこともある人は多いだろう。取引業者にもよるが、毎月数千円程度から積み立てられるため、少額から手軽に金投資が始められる。一般的に、純金積立では、年会費や購入手数料等の費用が発生する。費用が高ければその分利益が少なくなるので、費用は安い方がよい。また、保管方法も二通りあるが、業者を選択する際に倒産リスクを考えて保管方法を選択したい。

2. 金地金、金貨

金地金(=延べ棒のこと)は基本は500グラムである。購入金額は高額になる。1グラム4500円の場合、500グラムでは225万円になる。なお、500グラム未満の場合にはバーチャージ手数料が発生する場合が一般的だが、最近は100グラムから手数料が無料の業者もある。

事前に手数料については調べておき、できれば手数料がかからないグラム数で買うとよいだろう。なお、現物資産であるため、必ず保管に手間や費用が発生する点はあらかじめ考慮しておきたい。

3. 金ETF(上場投資信託)

金価格連動型上場投資信託と言い、基準価額が金価格に連動する上場投資信託のこと。

金価格に連動する有価証券に投資することで、金ETFの基準価額が金現物価格に連動する仕組みになっている。金の現物を購入するわけではないため、数万円程度から購入できる。株式投資のように自分で取引を行うため、証券口座の開設が必要になる他、価格の動きを分析する必要はあるだろう。ETFによっては、金地金で受け取ることも可能な場合もある。

4. 金先物取引

先物取引は、委託証拠金を預けることで投資資金以上の金額を取引できる証拠金取引になる。いわゆるレバレッジ(てこ)を効かせた取引が可能になるため、10万円程度の委託証拠金を預けることで数十倍もの金額を取引できるようになる。

決済の期限がない金限日取引(ゴールドスポット)も登場した。金地金で受け取ることも可能ではあるが、レバレッジが効いている分、ハイリスクハイリターンの取引になるため、注意が必要である点は覚えておきたい。

なお、金には預貯金のような金利や、株式のような配当金等はない。景気が好調になって金利が上昇した時には、金への投資が不利になる場合もある点は覚えておきたい。

投資国内の金価格は為替変動の影響を受ける

なお、金に投資する際は価格変動に注意しなければならない。日本国内で東京金に投資した場合、「1グラム●円」で表示されている。しかし、国際的にはNY金が一般的であり、国際価格は「トロイオンス(TOZ)」で表される。1トロイオンス当たりの価格は米ドル建てで表示されるため、日本国内で取引される金の価格はドル円相場の動きの影響を受けるのだ。

金の国際価格がドル建てということは、国内の金価格は外貨預金等の外貨投資と同じく、ドル円相場の影響を受ける。円高ドル安になれば円建ての金価格は値下がりし、円安ドル高になれば金価格は値上がりする。そのため、NY金の価格が上昇しても、ドル円相場では円高ドル安が進行しているため、東京金の価格が上昇しない場合も実際にある。

なお、金価格の計算方法は、ドル建ての金価格をその時の為替レートで円価格に換算し、その上で1グラム当たりの日本国内における金価格を計算する 。為替の変動でも東京金の価格は変動するので、為替動向とNY金の価格動向から売買タイミングを考るとよいだろう。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、 メルマガ発行 、講演活動、株塾を行う。

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