北東アジア初の統合型リゾート「パラダイスシティ」が4月20日、韓国・仁川でオープンした。投資金額は1兆3000億ウォン(約1246億円)で、日本のセガサミーホールディングス <6460> が45%を出資し、韓国カジノ大手のパラダイスが55%を出資した合弁事業である。

パラダイスシティは、33万平方メートルの敷地に、ホテルやコンベンション施設、外国人専用カジノ、ショッピング施設、レストラン、ギャラリー、スパ、クラブなどを備える複合リゾートで、はじめにホテルとリゾート、カジノ、コンベンション施設がオープン。残りの施設は2018年上半期のオープンを目指している。

カジノ運営のノウハウを蓄積したいセガサミー

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(写真=PIXTA)

セガサミーホールディングスがパラダイスシティに出資した目的は2つある。カジノ事業のノウハウ蓄積と海外進出の足がかりだ。

セガサミーではカジノ関連事業を新たな収益源と見込んでおり、パラダイスシティへの運営参加で、日本でのカジノが解禁に備えたノウハウの習得を期待している。日本で2016年12月15日、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律、いわゆるIR整備推進法(カジノ法)が成立したが、セガサミーはカジノの専用遊技機を開発中で、日本のみならず、アジア諸国・地域を中心に観光客を取り込み、世界各地のカジノに売り込んでいきたい考えがある。

合弁先のパラダイスグループは、今回オープンしたパラダイスシティのほかに、ソウルのウォーカーヒルや釜山、済州でカジノを運営。仁川を含めた2017年度のグループ連結売上8800億ウォン(約840億円)、2018年には1兆1000億ウォンを見込んでいる韓国カジノの最大手である。

セガサミーホールディングスは、仁川のパラダイスシティとは別に、2015年3月9日には韓国・釜山市と同市海雲台区の複合都市「センタムシティ」のMICE施設に関する業務協定を締結した。締結時に見込まれた投資規模は、4685億ウォン(約509億円)で、セガサミーホールディングスがホテルやコンベンション施設、シッピングセンターの建設と運営を担う。協定には建設と運営で地元の業者や人材を最大限雇用するなど地域の雇用創出に貢献する内容も盛り込まれていたが、2016年12月22日に事業の中止を発表した。建設に時間がかかっている間に競合他社の参入が相次ぎ、収益を上げづらいと判断したというが、宿泊施設や屋内外のテーマパークが中心で、カジノが許可されなかったため中止したという憶測が飛びかっている。

パラダイスシティに期待をかける仁川市と空港関係者

2017年4月20日に行われたパラダイスシティの開業式典には、パラダイスセガサミーの田会長とセガサミーホールディングスの里見治会長、劉正福(ユ・ジョンボク)仁川市長、宋秀根(ソン・スグン)文化体育観光部長官代行、金秀坤(キム・スゴン)ソウル地方航空庁長、鄭日永(チョン・イルヨン)仁川空港公社社長などが出席した。

パラダイスシティが着工した2014年11月、日本人観光客は2012年の350万人をピークに年ごとに減少が続き、着工翌年の2015年には200万人を割り込んだが、2013年から急激に伸びはじめた中国人観光客は2014年には600万人まで膨れ上がり、韓国のカジノも特需に湧いていた。

2017年3月以降、在韓米軍に配備さえたTHAADの影響で、中国人観光客が激減するなか、パラダイスシティは、パラダイスセガサミーのみならず、仁川市や仁川空港も大きな期待を寄せているのだ。

パラダイスセガサミーの田会長は、中国への依存度を減らし、日本のセガサミーホールディングスとの合弁を通じて日本市場を攻略していく計画と話した。初年度入場者は150万人、今後50年間にリゾート運営を通じて78人の雇用創出と8兆2000億ウォンの生産誘発など32兆2500億ウォンの経済効果が期待されている。(佐々木和義、韓国在住CFP)

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