大型SCの出店がラッシュ止まらない
2017年の中国では、大型ショッピングセンター(SC)の出店ラッシュが続いた。
売場8万平方メートル以上の大型物件だけで323施設にも及び、15~25万平方メートルの超大型も58件、25万平方メートル超えの巨艦も17施設あった。増加した売場面積は4189万9000平方メートル、平均は13万平方メートルと大型化はとどまるところをしらない。2万~8万平方メートルの物件なら560店もある。経済サイト「中商情報網」が伝えた。
一方、時代はネット通販大手が主導して、オンライン・オフライン融合(O2O)の新形態の小売り業(新零售)の展開が注目を浴びている。。また、オーバーストアは2013年ごろから、たびたび問題になっているが、まだブレーキはかかっていない。
そのなかで、日本のイオンも積極的に進出を図った。そんな中国の大型SCの出店事情を紹介する。
新一線級都市と大手デベロッパー
最近では、一線級都市(北京、上海、深セン、広州)に続く都市のことを新一線級都市と呼ぶようになってきた。成都、天津、南京、杭州、寧波、武漢、重慶、瀋陽、青島、長沙、大連、西安、厦門、福州、済南の15都市である。
これらの都市は出店数上位ランキングとおおむね重なっている。トップは重慶市の16店、以下上海13、蘇州12、杭州11、武漢10、深セン9、仏山9、天津8、成都8、北京7、西安7、長沙7、などとなっている。先進地帯の華東地区で40%を占め、とくに揚子江の下流域に集中しているのがわかる。次は発展の著しい重慶・成都を中心とした西南地区の13%である。
2017年、3件以上オープンさせたデベロッパーは19社ある。万達、新城、銀泰、凱特、龍湖、華潤置地、イオン(中国名・永旺)、保利商業、宝龍、百聯などである。デベロッパー大手とチェーンストア大手が並立している。
中でも万達集団には驚かされる。経営危機が伝えられる中、51件もオープンさせた。2位の新城控股は12件である。最も多いのは、売場面積10万~15万平方メートルで、169店だった。現在はこのサイズが大型SCの主力となった。テナントソーシングと競争力が、うまく適合しているようだ。