若者の間で人気急上昇中のウイスキー
中国のアルコール市場におけるウイスキーは、ここしばらくの間、白酒、ビール、ワインのような人気酒とは対照的に、日陰の存在だった。しかしここへ来て様相は変わっている。都市部の若き富裕層を中心に、人気が上昇しているのだ。サントリーはこの機を逃さず、中国市場に進攻しようとしている。
ニュースサイト「今日頭条」「界面」などがウイスキー市場の動向について伝えているので、サントリーの販売戦略について見てみよう(1元=17.35日本円※こちらの記事は、2018年1月24日の記事を再編集したものです。)。
中国のウイスキー市場
フィナンシャルタイムズ紙は最近、1000人の中国人を対象にウイスキー消費について調査を行った。それによると、外国での生活経験者・旅行経験者は、ウイスキーを飲む機会が多かった。このグループに限れば、59%の人が月に3回以上ウイスキーをたしなんでいた。しかし外国滞在経験のない層は21%に過ぎなかった。
収入年齢では、年収607万円(35万人民元)以上の40.7%がウイスキーを消費していた。また25~29歳のウイスキー消費は35歳以上の2倍だった。
もう一つ上海の民間調査機関・胡潤研究院の「2017中国高浄値人群威士忌消費研究白皮書」という資料がある。それによれば、ウイスキー愛好者は不動産、金融、投資、貿易、製造業、建築業の高報酬で、プレッシャーの大きい職業の人たちに集中しているという。また年齢は28~45歳が最も多い。平均は38.2歳である。高学歴で若い人が多く、この傾向が続けば、ウイスキーの消費量は増えていくと予想される。