リコールを経て社長を中国人に
松下電器(パナソニック)中国は、あらゆる場面で厳しい競争にさらされている。中国国家質検総局がテレビ2型1万5000台のリコールを公示した。しかし同社は2017年4月に中国の家電業務を「松下家電中国」として独立させ、初めて中国人を社長に据えるなど、再度中国市場を開拓する意思を明確にしている。厳しい時期もあったが、2017年の売り上げは前年比117%増加し、100億元を突破した。
経済サイト「界面」の分析と展望をもとに、創業100年を誇る日本の代表的家電メーカーを、中国人がどのように見ているのか検証する。
多発したリコール
中国国家質検総局は2018年3月、安全上の懸念があるとして、松下電器(中国)有限公司製のテレビ、2型1万5000台のリコールを公示した。各メディアが一斉に伝えている。
「界面」記者の取材によると、松下中国は国家質検総局にリコール計画を提示している。2012年2月~2013年1月に生産されたパナソニックブランドのテレビ、型番TH-L55ESTCとTH-L47ETSCの2型で、中国大陸では1万4564台が対象になると見られる。
リコールの原因は、組立のときテレビ自身の重量によって、底部の樹脂材料に変形が生じていたからとされている。この状態で使用を続ければ、ネジが脱落しテレビが転倒する可能性もある。安全上、見過ごすことはできないレベルという。
松下では、2017年7月にもノートパソコンFZ-G1型がリコールの対象になっている。電池の生産中に異物が混入し、最悪の場合、発火の恐れがあった。中国大陸で影響を受けたのは2263台だった。
2018年の1月には、日本でもリコールがあった。ミキサーのステンレス製部品が破損し、調理した食品に混入した。それを食べた人が、口の中を切る事故も起きた。リコール対象は12品番97万台にも及ぶ。これらは2009年1月~2016年1月まで7年にわたり生産されていた。