中国経済,小売業界,セブン,イトーヨーカドー
(画像=testing / Shutterstock.com、中国・成都のイトーヨーカドー。2017年2月撮影)

目次

  1. ショッピングアプリを公開したものの
  2. イトーヨーカドー中国の歴史
  3. ネット通販への取組み
  4. 自前主義に意味はあるか

ショッピングアプリを公開したものの

イトーヨーカドー中国は2018年4月上旬、新しくスマートフォン向けショッピングアプリ「伊藤電商APP」を正式に公開した。

中国の伝統的な実体店舗小売業の中にあって、自前のネット通販を構築しようとする例は、決して少数ではないが、成功している業者は少ない。これはイトーヨーカドー中国にもあてはまる。

これまでの通販サイト「伊藤洋華堂網絡超市」は、その典型だったと言えるかもしれない。今月公開した「伊藤電商APP」は再挑戦ということになる。

しかしサービスは四川省・成都市周辺にしか及ばない。これでアリババ(総合ネット通販首位)や京東(同2位)の多様なサービスに対抗するのだろうか。ニュースサイト「新浪」がイトーヨーカドー中国の“内憂外患”と題して伝えている(1元=17.03日本円※この記事は2018年4月8日に公開した記事を再編集したものです。)。

イトーヨーカドーは果たして周囲の懸念の声を跳ね返すことができるのだろうか。

イトーヨーカドー中国の歴史

イトーヨーカドー(現セブン&アイ・ホールディングス <3382> )は1996年に成都、翌年は北京に合弁子会社を設立した。そして98年には北京に十里堡店を、2003年成都に春熙店と双楠店を開店し、この2地区におけるチェーン化を目指した。

成功したのは成都のほうだった。2010年ごろ、イトーヨーカドー全店における売上1位~4位の店舗は、成都の4店舗である、といわれていた。現在7店舗を運営し、2017年の売上は約850億円(50億元)に達している。双楠店は、今でも全イトーヨーカドーのナンバーワン店舗だ。

これに対して北京では、標準化せずに多店舗化したため、業績は伸びずじまいだった。他社との競争も厳しかった。閉店が続き、亜運村店1店舗だけが残っている。2017年4月「離京」の噂を否定して以降、ニュースは聞こえない。

ネット通販への取組み