利用することでポイントを得られるクレジットカードは多い。中でも、利用者にポイントを多く還元する、いわゆる高還元クレジットカードの利用に注目が集まっている。

低金利が長引く中、どうせお金を使うならポイントが貯まらない現金よりも、「クレジットカードを積極的に利用してポイントを貯めて、家族旅行や食事に行こう」と考えた方がおトクに暮らせる。

ポイントをザクザク貯めて楽しみやオトクをできるだけ早く体験するためにも、ここではやってはいけないクレジットカードの使い方をご紹介する。なお、ここでの"使い方"は単に決済場面だけではなく、"使いこなし方"という意味で紹介していく。

(1)無駄に年会費を払っている……クレジットカードの見直しを

クレジットカード
(画像=PIXTA)

クレジットカードには、年会費が無料のものから、有料のものまで様々だ。中には年会費が10万円を超えるクレジットカードもある。有料のクレジットカードには、航空会社のマイルを多く貯められたり、海外旅行の保険が充実していたりと、様々な特典がついている。そのため、年会費が無料のクレジットカードよりも、有料のクレジットカードの方が高還元である場合が一般的だ。

しかし、クレジットカードの保有に年会費を支払うことに抵抗感のある人は少なくない。そこで、一般的なクレジットカードの場合、クレジットカードを作った1年目だけは年会費が無料だったり、一定金額以上利用すれば2年目以降の年会費も無料といった工夫を凝らしている。

クレジットカードは、メインで利用するクレジットカードを事前に決めて作成したい。たとえば、旅行を検討しているのであれば航空会社のマイルを貯められるクレジットカードになるだろうし、高還元ポイントにこだわるなら還元率になるだろう。

無料というフレーズにつられて、クレジットカードを何枚も作ってしまう人も多い。年会費が2年目以降は発生するクレジットカードは、1年間で利用が少なかった場合には忘れずに解約したい。利用機会の少ないクレジットカードを何枚も保有し、年間数千円、数万円も無駄な支出をしている人は意外に多い。さらに、クレジットカードのサービスは定期的に変更が行われるので、1年に一度はクレジットカードサービスの確認を行い、保有しているクレジットカードの見直しや整理を行うようにしたい。

(2)貯めたポイントを失効……定期的に確認を

一般的に、クレジットカードのポイントには有効期限があり、通常は2年程度でポイントが失効する。クレジットカードを利用してポイントを貯めても、ポイントを利用することがないようでは、クレジットカードを利用すること自体無意味になる。ポイントの還元率ばかりに注目してクレジットカードを作るのではなく、貯まったポイントを必ず利用できるか、という点も考慮したい。

具体的には、ポイントをキャッシュバックできるか、金券や電子マネーに交換できるか、もしくは貯まったポイントをネットショッピングのポイントなどに交換できるか、日常生活で利用頻度の高い交換先があるのかを必ず確認し、ポイントの失効だけは避けたい。ポイントの交換作業は、インターネットなどを利用して自分で行わなければならない。クレジットカードを複数枚保有すればそれだけ作業も煩雑になり、ポイントを失効する機会も起こりやすい。

さらに、クレジットカードの利用で銀行に行く時間や手間をせっかく削減しても、交換作業に手間暇がかかるようでは本末転倒だ。定期的なクレジットカードの絞り込みは必要不可欠だろう。人生100年時代と言われる今、ゆとり時間の小さな積み重ねは大きな時間となるはずだ。意識的に自らの行動を変えてお金と時間がたまる仕組みを作り、家族との楽しみや自己研鑽などに時間を有効活用しなければならないだろう。

(3)明細を確認していない……使い過ぎの人はまずは固定費の利用だけに絞る

クレジットカードを作成する際、リボ払いを申し込むとポイントが多くもらえる場合が多いため、つい申し込んでしまう人も多い。リボ払いは支払金額の負担を減らすために支払いを将来に繰り延べているにすぎず、さらに繰り延べた分だけ手数料として高い金利を支払うことになる。

超低金利の現状、預金金利とポイントの還元率、リボ払いで支払う手数料とを比較する癖をつけたい。できないのであれば、一括払いだけで利用すればよい。

クレジットカードは自分の信用でお金を前借りしているに過ぎない。利用上限金額まで手軽に購入できるようになるため、使い過ぎるという心配もあるだろう。使い過ぎを心配する場合には、まずは飲食料品や、携帯電話や電気といった公共料金など、毎月、固定費用として発生している経費だけにクレジットカードの利用を限定して、生活の決済手段として取り入れるようにしよう。

最近は、紙で明細を発行する場合には有料だったり、インターネットで明細を見る場合には、ポイントを受け取れる場合がある。最後は銀行口座から引き落としになるわけだが、こうした理由から明細を見たことがない人も稀にいる。クレジットカードを不正利用されるリスクを発見したり、いつの間にかリボ払いにして高い金利を支払い続けていたというリスクを避けるためにも、明細は必ず確認しなければならない。

ちなみに、筆者は普段からポイントサイトを利用し、クレジットカードを作成する際には、ポイントサイトのキャンペーンなどを利用して、更なるポイントの上積みをはかっている。

面倒と言えば面倒だが、最初の手間を惜しまずほんのちょっとだけ時間を使うだけで、後々に響いてくる。超低金利の現状、ポイントを少しでも「オトクに貯める仕組み」のための先行投資と考えたい。ポイントを家族に還元できれば周囲も喜び、楽しくクレジットカード生活を送ることができるようになる。

人生100年時代、お金がたまる仕組みを作った人とそうでない人とでは、たまるお金はもちろんのこと、それによって作り出される生活に差は広がるだろう。お金を貯めるつもりで始めたのに、やり方やコツを間違えば無駄に終わってしまう可能性も否めない。その利用方法が無駄に終わらないか、日ごろからクレジットカードの動向にはアンテナを張り巡らせておいた方がよいだろう。

横山利香(よこやまりか) 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。WAFP関東理事。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、メルマガ発行、講演活動、株塾を行う。公式サイト「横山利香の資産運用コンシェルジュ