(本記事は、教養総研 (著)『すぐに真似できる 天才たちの習慣100』KADOKAWAの中から一部を抜粋・編集しています)

早起き,スッキリ
(画像=PIXTA)

毎朝、目覚まし時計のアラームに頼らず起きる

ジェフ・ベゾス(Jeffrey Preston Bezos)
(1964〜)アメリカの実業家。プリンストン大学卒。金融業界を経て、1995年、31歳の時に「アマゾンドットコム(Amazon.com)」を創業。7月、アマゾンのサービスを開始。同社はアマゾンプライム、キンドルなどのサービスを導入する傍ら、物流倉庫を次々と建設して顧客ニーズに応え、「ネットとリアルの境界」をなくした企業としてトップを走り続けている。なお、2018年時点での保有資産は1120億ドル(1ドル=100円換算で、11兆2000 億円)と、「フォーブス」の世界長者番付で初の首位を獲得した。

この天才の名言

「(皿洗いが)自分がやる一番格好よいことだと思っているんだ。」

「大半の場合、望む情報量の70%ほどが集まった時点で決定を下さなければならない。90%になるまで待つと手遅れだ。」

「2枚のピザを分け合って足りないような規模のミーティングは開かない。」

アマゾン創業者 ジェフ・ベゾスの正体

2015年頃から、アメリカの株式市場で流行語になった言葉があります。

「GAFA(ガーファ)」です。

Gはグーグル(Google)、Aはアップル(Apple)、Fはフェイスブック(Facebook)、そして最後のAはアマゾン(Amazon)を指しています。各企業の社名の頭文字を取って、このGAFAという造語が生まれました。

2018年10月末時点のGAFAの時価総額は、1位がアップルで、以下、2位がアマゾン、3位がグーグルの親会社アルファベット、4位がフェイスブックとなっています。

ちなみに、時価総額のみで比べてみると、2位アマゾンと3位アルファベットのあいだにはマイクロソフト(Microsoft)が入り、GAFAとマイクロソフトのMを足して「GAFA+M」と呼ばれることもあります(別名として「ビッグ5」という言い方も)。

GAFAの中で成長著しい企業といえば、何といってもアマゾンでしょう。

1995年に営業を開始したアマゾンは、創業当初こそ「本やCDがネットで購入できる」ことが特徴の企業に過ぎませんでしたが、物流網や物流倉庫を急激に拡大させ、FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン。アマゾンの倉庫に商品を預けるだけで、保管、注文処理、出荷、決済、配送などのすべてを代行してくれるサービス)というシステムを構築させることによって、大量の品数を揃えることに成功しました。

「今日買って、明日届く」という、顧客にとっては夢のようなサービスを打ち立てたのです。

この、もはや私たちの生活に欠かすことのできない存在となったアマゾンを率いるのが、ジェフ・ベゾスです。

彼は、アップルのスティーブ・ジョブズ、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグなどと比べると印象が薄いイメージがありますが、それもそのはず。

最近の彼は滅多にメディアに登場することはなく、発言が逐一伝えられることもないからです。

ニューメキシコ州のアルバカーキに生まれ、プリンストン大学を卒業後、金融業界を経てアマゾンを創業した、というのが、彼の経歴のすべてといっても過言ではありません。

子どもが4人おり、家族との時間を大切にするためにあまりメディアに出ないのだともいわれていますが、定かではありません。会社同様、謎めいた存在といえるでしょう。

ジェフ・ベゾスはなぜ「眠り」を重要視するのか?

ミステリアスな雰囲気をまとうジェフ・ベゾスですが、彼が実践しているとされる毎日の習慣は、いたってシンプルなものばかりです。

彼の代表的な習慣が、毎朝、目覚まし時計のアラームに頼らず起きるというもの。

ジェフは睡眠時間を自身にとって重要な行為であると捉え、目覚まし時計の力を借りずに自然の力で起きるようにしているといいます。

ジェフの平均的な睡眠時間は8時間だそうです。

ではなぜ、ジェフ・ベゾスは世界最先端の企業を率いる存在でありながら、こんなにも長い時間眠ることにこだわっているのでしょうか? それは、「長時間働くため」なのです。

彼は自分のことを「賢明かつ猛烈に長時間働く人」であると認識している一方で、「人間には8時間の睡眠が必要であり、自分も毎晩その時間をとっている」とも語っています。たとえ、思い悩むことが寝る直前まで残っていたとしても、彼はいったんベッドに入ればすぐに眠りにつくことができるそうです。[※1]

アマゾンは現在、アメリカのネット通販市場では4割のシェアを誇り、取扱高は20兆円に届く勢いです。1995年の創業からわずか25年しか経っていない歴史の浅い企業であるにもかかわらず、世界のトップをひた走るオンラインの小売店に成長できたのは、ジェフをはじめとする社員がとにかく多くの発明をし、ハードワークをこなしてきたからに他なりません。

逆にいうと、ハードワークを続けるためには毎日8時間の睡眠が欠かせないということです。

働くために、眠る。

ジェフ・ベゾスの習慣は、そんな考えによって生み出された必然のルーティンなのかもしれません。

[※1]『ジェフ・ベゾス アマゾンをつくった仕事術』桑原晃弥(講談社)

「ジェフ・ベゾス的思考」を手に入れる方法

保有資産が日本円で11兆円を超える1120億ドルとも伝えられるジェフ・ベゾス。そんなにも稼ぐことができるようになった彼は、どんな思考術を持っているのでしょうか?

彼の代表的な思考術の1つに、「他社の真似をすることを厭(いとわ)ない」というものがあります。

たとえば、2001年、ジェフはコストコの創業者ジム・シネガルに面談し、会員制サービスのノウハウについて教えを受けたとされています。コストコはアメリカ生まれの会員制大型倉庫店です。日本にも店舗がありますので、一度は足を運んだことのある方も多いでしょう。

ジェフは、会員だけの特典を提供することで、自社へのロイヤルティ(忠誠心)が高い顧客を獲得でき、増やすことができることを学んだといいます。[※2]

中途半端に真似をするから失敗する、真似るなら堂々とやればいい。

ジェフの思考術の1つには、そんなメッセージが込められているといえます。

ジェフ・ベゾスの「ピザ2枚ルール」も、彼の頭の中を覗のぞく際の1つのヒントになるかもしれません。

「ピザ2枚ルール」とは、2枚のピザを分け合って足りなくなるような規模のミーティングは開かない、というもの。一般的に、1枚のピザを分けるとすると6ピース程度になるでしょうから、つまり12人程度までのミーティングしか行なわないということを意味しています。

ジェフのこの「ピザ2枚ルール」は、同社が迅速に顧客サービスを推進する際に大きなメリットを発揮します。短時間配送サービスとして知られる「プライムナウ」は、考案から何と111日という短さで導入されたとされているほどです。

また、この事実に関連して、ジェフはこうも述べています。

「大半の場合、望む情報量の70%ほどが集まった時点で決定を下さなければならない。90%になるまで待つと手遅れだ」

決定を迅速に行なうことを可能にし、顧客満足が高いサービスを次々に構築するには、少ない情報をもとに判断していかざるを得ません。

そのためには、ジェフ・ベゾスのように、十分な睡眠をとり、脳を働きやすくさせておくことが必要なのかもしれません。

[※2]『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』ブラッド・ストーン著、井口耕二訳(日経BP 社)

すぐに真似できる 天才たちの習慣100
(画像=すぐに真似できる 天才たちの習慣100)
プラスα 「睡眠」と「仕事」の相関関係
睡眠が体の疲労を回復させ、集中力や記憶力を高めることは科学的に証明されています。なぜなら、睡眠中に成長ホルモンが分泌されるため。眠りについてから3時間ほど経った頃、成長ホルモンがもっとも多く分泌されるそうです。これを実践するために、眠る時には最初の90分間が重要ともいわれています。この90分以降、どれだけ深く眠ることができるのかが鍵となります。寝る前にスマホを見ない、40℃前後のぬるめのお湯に浸かるなど、体をリラックス状態にしてから眠りましょう。
すぐに真似できる 天才たちの習慣100
教養総研
今ではレアとなった古説・珍説の類から、広く一般に普及しているライフハックまで、知識・知恵など「教養」に関するさまざまなトピックスをわかりやすい形で世に発信する小集団。
古今を問わず、東の『論語』や西の『道は開ける』(D・カーネギー)など、これまで世に出た優れた教養・自己啓発書を日々物色し続けている。

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