(本記事は、教養総研 (著)『すぐに真似できる 天才たちの習慣100』KADOKAWAの中から一部を抜粋・編集しています)

振り返り,復習
(画像=PIXTA)

1日の終わりに、その日の行動を必ず振り返る

イチロー (Ichiro)
(1973〜)プロ野球選手。本名は鈴木一朗。1991 年、オリックス・ブルーウェーブに入団、2000年まで7年連続でパ・リーグの首位打者となる。01年、メジャーリーグのシアトル・マリナーズに入団、日本人野手として初のメジャーリーガーとなった。04年にはそれまでの年間最多安打記録(ジョージ・シスラーの257)を84年ぶりに塗り替える262安打を放ち、16年にはピート・ローズのメジャー最多安打記録(4256)を日米通算ながら抜き、史上30人目となるメジャーリーグ通算3000安打も達成した。

この天才の名言

「いつも恐怖と不安と重圧を抱えています。楽しいだけではプロの世界にいられない。」

「結局は細かいことを積み重ねることでしか頂上には行けない。それ以外には方法はない。」

「バッティングというものは失敗することが前提なので、決してモチベーションを失うことはありません。」

「1日単位」で毎日を生きる

2018年5月上旬、メジャーリーガー、シアトル・マリナーズのイチロー選手はその年はプレーせず、会長付特別補佐としてチームを裏から支える立場になりました。

しかし、2019年シーズンは現役復帰することを目標に定め、毎日、同僚のプレーを見ながら打撃マシンやティー打撃をこなしています。

2001年より海を渡り、メジャーリーグで活躍しているイチロー選手ですが、メジャーリーガーとして数々の金字塔を打ち立てた彼をつくったのは、間違いなく「習慣」です。「毎朝カレーを食べること」「試合のある日の、起床から就寝までのルーティン」「バッターボックスで投球を迎える時の所作」など、世間的に知られている彼のイメージの多くは、彼の習慣によるものであることが分かります。

イチロー選手には上記以外のルーティンが数多くあるようですが、彼のメンタルを支えるのに役立っている習慣があります。

それが、「1日単位」で毎日を生きる、ということです。

彼は試合を終えると、グラブを磨きながら、「昨日は何を食べたか?」「よく眠ることはできたか?」といった前日の行動から、当日の試合で起きたことを振り返ります。

つまり、その日に起こったことをその日に振り返り、翌日からの行ないの糧かてにするということ。「刹那(せつな)的に生きる」と言い換えてもよいかもしれません。このようにすることによって、イチロー選手は毎日全力で生活し、1日ごとにメンタルや体力を回復させているのでしょう。

皆さんも、日々生活する中で、嫌なことや気にかかることが何かしら出てくることと思います。

そのことを解決させないまま眠りにつくと、「ああすればよかった」「あの時のことがいけなかったんだ」などと脳内対話を繰り返してしまい、結局眠れなかったという経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。でも、悩みを抱えたままでは安眠することはできませんし、そうなれば、体に支障が出てくることも考えられます。

イチロー選手のように、問題点はできるだけ翌日に持ち越さず、その日のうちに解決しておくことが重要なのです。

「特別なこと」をする自分は、いつもの習慣でつくられる

日米通算記録として4367安打(メジャーリーグのみでは3089安打で歴代22位)を放っているイチロー選手。この成績を見るだけでも、彼の野球の能力が非凡なものであることが分かりますが、彼は「天才」だからこのような数字を残すことができているのでしょうか?

それは違います。

彼は、自分にできることを、怠らずに、習慣付けて続けることができるから、現在の地位を獲得することができているのです。

事実、イチロー選手は自分の能力について、このように述べています。

「僕を天才という人がいますが、僕自身はそうは思いません。毎日血のにじむような練習を繰り返してきたから、いまの僕があると思っています。僕は天才ではありません」

彼が野球に本格的に取り組んだのは、10歳の頃。

父親と近くにあるバッティングセンターに通いはじめましたが、行かなかったのは正月休みで営業していなかった2日間だけだったといいます。

また、彼の技術を支えているのは練習だけではありません。彼は少年時代から、試合前には必ず球場の下見に行っていたといわれますが、入念に準備することも彼に自信を与えることに寄与しているはずです。

それは、プレゼンの天才といわれるスティーブ・ジョブズが、新製品のプレゼンテーション前に入念なリハーサルを繰り返すことで、人前で話すことのプレッシャーを軽減させ、よりよいパフォーマンスを披露していたことに似ているといえるかもしれません。

「50歳まで現役バリバリでプレーする」ことを公言して憚はばからないイチロー選手。

自身の目標を達成するための準備は、彼の中で着々と進んでいるようです。

プラスα 「朝カレー」も「朝素麺」も、意志力を磨くための習慣
「イチローは毎朝カレーを食べている」という話は有名ですが、それはすでに過去の話。いまでは食パンと素麺を食べているそうです。また、基本的な食事メニューも同じで、遠征先でランチをするのにも日本食やイタリアンなど決まった店があるといいます。
このように、食事に関してだけでも、イチロー選手は意識的にルーティンを守り続けています。このような習慣は単純に思えますが、「自分のやるべきことをやり続ける力」、つまり「意志力」を磨くのに役立つ方法の1つです。「習慣付けて、それを続ける」ことで、目標を見失わないメンタルも備わります。
すぐに真似できる 天才たちの習慣100
教養総研
今ではレアとなった古説・珍説の類から、広く一般に普及しているライフハックまで、知識・知恵など「教養」に関するさまざまなトピックスをわかりやすい形で世に発信する小集団。
古今を問わず、東の『論語』や西の『道は開ける』(D・カーネギー)など、これまで世に出た優れた教養・自己啓発書を日々物色し続けている。

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