(本記事は、齊藤 勇の著書『誰とでも会話が続く「相づち」のコツ』文響社の中から一部を抜粋・編集しています)

超基本の相槌

聞き上手
(画像=PIXTA)

相槌の有効性を知っていただいたところで、実際に使える相槌を紹介します。よく使われる相槌「さしすせそ」を心理学的に解説していきましょう。そして、その意味を理解していただき、よりうまく使用し、人間関係を良好にしていただこうと思います。

料理の「さしすせそ」は味を決めるのに重要ですが、相槌の「さしすせそ」も意識して使用することで、あなたのコミュニケーションを決定づけます。

【相槌の「さしすせそ」】
さ:さすが
し:実力ですね/知らなかった
す:すごい
せ:絶対/センスいい
そ:そうですね/それで

いかがですか?この5語です。とても使いやすいでしょう。しかも、効果的で、適用範囲が広い。

そのなかでも、メインは「さすそ」です。「さすそ」の3つさえ覚えておけば、たいていの場面で、応用でき、相手から間違いなく好意を得られます。この3語をマスターすれば、人間関係改善の基礎は固まったも同然です。たった3語で、話し手から好意を持たれ、関係性はぐんと良くなるはずです。

組み合わせ方としては、「そうなんだ」と同意し、「それで!」と促す。相手の話が一段落したところで、「すごい!」と賞賛するのが有効です。

「すごい」よりもさらに、相手を有頂天にさせるのが「さすが」です。まずは、「そうなんだ」と同意し、次に「すごい」の効果が実感できたら、最後は、「さすが」を使ってみる。

このとき、「すごい」よりも少しグレードを上げるようなイメージで、「さすが」を使ってみましょう。「さすが」には、「自分が特別」と認められているという実感が持てるのです。

相槌の効果を実感するには、実践がなによりです。毎日の会話の中に、意識して3つの相槌を入れ、その威力を知ればいいのです。

SNSの「いいね!」を押すのと同じ感覚で、相槌を打ちましょう。ただ、スマホと違い相手が目の前にいるので、うまく言えるためには、それなりのトレーニングは必要です。

ファーストステップとしては、「今日はこの相槌を使ってみよう!」と決めて、トライしていくこと。一つ一つ習得していけば、組み合わせて使用することもできるようになっていきます。「さすそ」の相槌の実践的トレーニングにより、人間関係が飛躍的に良くなることを実感して下さい。

この基本「さすそ」を十分マスターしたら、次の「さしすせそ」の残りの「し」と「せ」それから人間関係をさらに深める「あいうえお」の相槌に進んで下さい。

まずは基本「さすそ」、その中でも使用しやすく、効果的な「す」からはじめましょう。

「す」は「すごい」の「す」です。

人は誰しも自己重要感を満たされたい

満足
(画像=fizkes/Shutterstock.com)

相槌「さしすせそ」のなかで、最も適用範囲が広く、初心者にとって使いやすいのが「す」の「すごい」です。だまされたと思ってもいいですから、明日から実践してみてください。

そして、効果を実感してみましょう。その威力に驚くと思います。

使い方は簡単。相手が、仕事の成果や活動の結果を話した後の一呼吸を見逃さず、「すごい」というのです。一言つぶやいただけだと、流されてしまわないかと心配でしたら、「すごい」の後に「いや、すごいですね」ともう一度だめ押ししましょう。

実は相槌は全く同じ言葉をならべると効果が薄くなるという特徴があります。少しずつバリエーションを持たせて、「すごい!」「いやー、すごい」とか「すごいですね〜」といった変化を持たせるのです。

あなたの渾身の「すごい!」という相槌を聞いた話し手は、良い気持ちになり、おそらくさらに話し続けるはずです。そのときも、話が一区切りついたらもう一度「ホント、すごいですね」の合いの手を入れましょう。

相槌には、多様な種類がありますが、「すごい」は評価の相槌の代表です。相槌は、全般的に話し手を気持良くさせる効果がありますが、特に評価の相槌は相手の気持ちを高揚させます。話し手の実績、成果を高く評価する言葉だからです。

また、相槌はわざとらしさがなく、相手の話した成果に相槌を打つのですから、的を射ていない、と思われることもまずありません。

さらにいうと、自分の業績や成果をほめられて、不快に思う人はいないのです。

人に成果を話すのは、単に事実を伝えるというよりも、話すことにより評価を求めています。つまり、相手から〝すごい〞と言ってもらいたいのです。あなたは、その期待に応えてあげるだけでいいのです。

「すごいね」
「それは、すごい!」
「課長、すごいですよ」
「君、やるねえ、すごいね」

上司や部下に、仕事の成果を話したとき、こんな「すごい」という評価が返ってきたら、報告した人にとって、これほど嬉しいことはないでしょう。嬉しいだけでなく、大いに自信がつきます。

そして、「すごい」と言われた瞬間に、言われた人は感情的にぐっとくるものがあります。

一も二もなく、その人を好きになるでしょう。これから、あなたは相手の人に対して、この「すごいね」の相槌を打ち、相手を感動させ、好意を引き寄せて下さい。

たいていの相槌は、同じ言葉を何回も繰り返すとウソっぽくなりますので、繰返しは、しないことが原則ですが、こと、「すごい」については、繰返しても、ウソっぽくなりません。

「すごい、部長、すごいですよ、本当に、すごい!」

と言っても大丈夫です。大丈夫なだけでなく、相手をより高く評価していることを伝えることができます。

このように、「すごい」は評価の相槌で、特に、業績評価の代表的相槌です。後に説明する「さすが」も評価の相槌ですが、「さすが」は業績を達成した人、その人の個性への評価です。

「すごい」は業績そのものへの評価ですので、業績や成績、成果を聞いたとき、それが素晴らしければ、素直に、口に出しやすい相槌です。このため、汎用性があり、どんな人に対しても気にせず、使いやすいといえます。話し手にとっても、この相槌は、自分の個性にかかわりが少なく、成果そのものへの評価なので素直に受け入れやすいといえます。

このような心理的理由から、話し下手解消のために、相槌のトレーニングをする場合、まず最初に、この「すごい」から始めるのがオススメです。明日からやってみて下さい。

無意識に使っていた「すごい」を意識して、会話に使うことです。数日間、意識して「すごい」「すごいですよ、部長」「○○君、すごいね」を使用してみてください。その成果はすぐに表れます。そして、その威力を実感してみて下さい。

「すごい」の相槌は、相手に自分は素晴らしい存在であるという自己重要感を満たします。

自己重要感は、人間の基本的欲求ですが、なかなか満たすことができません。ですから、それを満たしてくれる人は、大切にします。「すごい」の相槌は、親密な関係の形成や維持につながるのです。

「すごい」の一言を使うことで、あなたは周りの人から大切にされる人になります。そして、相槌の「すごい」は人間関係の悩みを解決することができるのです。

誰とでも会話が続く「相づち」のコツ
齊藤 勇 (さいとう・いさむ)
日本あいづち協会理事長。立正大学名誉教授、大阪経済大学客員教授、文学博士、日本ビジネス心理学会長、早稲田大学大学院博士課程修了。
人間関係の心理学、特に対人感情や自己呈示の心理などを研究。またテレビなどメディアでも活躍し、TV「それいけ!ココロジー」の監修者を務めるなど、心理学ブームの火つけ役となった。
著書、監修書に『心理分析ができる本』(三笠書房)、『恋愛心理学』(ナツメ社)、「人間関係の心理学』(誠信書房)など多数。企業や学校などで対人関係を良好にするコミュニケーション・スキルの研究に従事、最近は独自の「あいづち対話法」を開発し、日本あいづち協会(http://www.aiduchi.com/)を設立し、その普及に努めている。

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