まとまった資金が手元に入った時、ローンの繰り上げ返済をするべきかどうか悩む不動産投資家は多いのではないでしょうか。今回は、不動産投資におけるローンの繰り上げ返済について、メリット・デメリットや判断基準をわかりやすく解説していきます。

繰り上げ返済の種類やメリット・デメリットをおさらい

不動産投資ローン,繰り上げ返済
(画像=PIXTA)

繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別に、まとまった資金でローンの元金部分を返済することをいいます。繰り上げ返済には、期間短縮型と返済額減少型の2つのタイプがあります。

期間短縮型とは、毎月の返済額は変えず、ローンの返済期間を短くするタイプ。一方、返済額減少型とは、返済期間は変わらず、毎月の返済額が少なくするタイプです。

繰り上げ返済のメリットは、元金が減ることによりトータルで支払う利息額も減少することです。利息額は金利をもとに計算されるため、金利が高いほど繰り上げ返済のメリットは大きくなるといえます。

繰り上げ返済のデメリットは、タイミングや金額を見誤ると、資金に余裕がなくなり十分な物件管理ができなくなることです。適切なタイミングで修繕やリフォームを実施しなければ、物件価値が下がり、空室率が上がってしまう可能性があります。

また、きちんとした物件管理を行っていないと、不動産自体が値下がりし売却時に大きな売却損を計上してしまうといったケースもあります。値下がりを防ぐという意味でも、不動産の物件管理は非常に重要です。繰り上げ返済をする場合、くれぐれも無理のない金額設定にしましょう。

繰り上げ返済にはメリット・デメリットがあり、物件の状態や不動産投資家の資金力によって、最も良い選択肢は変わってきます。

繰り上げ返済をした方がいいのはこんな人

まず、年齢が高い人に多いケースですが、1日も早く不労所得を得たいのであれば繰り上げ返済をしたほうが良いでしょう。繰り上げ返済によって、憧れの不労所得生活がスタートすることができます。繰り上げ返済によって、利息を含めたトータルの支払額を抑えられることもメリットです。

また、現金の使い道がなくて余っているという人も、繰り上げ返済を検討しましょう。ただしこの場合、本当に現金を繰り上げ返済にあててしまっても問題ないのか、慎重に検討することが大切です。

生活費はもちろんのこと、定期的にかかる修繕費なども考慮して、余っている現金のうちどのぐらいを繰り上げ返済に充てるかを考えなければなりません。この場合、繰り上げ返済だけでなく、余っている現金で別の不動産を所有することも視野に入れておきましょう。

不動産投資ローンを組む際の金利は、景気の影響を受けます。低金利が続く現状は、ローンを組むうえでは、ある意味チャンスといえます。低い金利でレバレッジを効かせることができれば、投資効果を最大化できるでしょう。

今の時期に、本当に繰り上げ返済を実施してしまってもいいのかどうか、慎重に考えて決めましょう。

繰り上げ返済をしない方がいいのはこんな人

不動産投資は、生命保険代わりとしても活用できます。不動産投資ローンを組むと、住宅ローン同様、団信に入ることになります。団信とは、団体信用生命保険の略です。

団信に加入していると、万一のことがあった場合に、ローンの残額が保険金によって返済されます。そのため、家族に借金を背負わせてしまう心配がありません。それどころか、ローン完済後の収益物件を大切な家族に遺すことができます。

20代30代では、こういった不動産投資の生命保険効果に着目して投資を始める人も数多くいます。不動産投資が生命保険の代わりになるため、生命保険をスリム化することができ、保険料の削減に成功したというケースもあります。

このように不動産投資を生命保険代わりとしても利用しているのであれば、「ローンの残債」=「万が一の保険金」となるので、無理に繰り上げ返済を急ぐ必要はありません。

繰上げ返済については、これまで説明してきたように自分の現状や資金の状況をよく見極めた上で、実施を検討すると良いでしょう。(提供:マンション経営ラウンジ

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