(本記事は、石川和男氏の著書『部長の心得』総合法令出版の心得の中から一部を抜粋・編集しています)

ムダな会議を根絶する

除去
(画像=PIXTA)

ムダな会議を排除する

だらだら会議とは、意味のないことを長々と話し合う会議です。

問題を1ミリメートルでもいいから前に進める、そんな姿勢に欠けた会議です。

しかし、それ以外にもムダな会議はたくさんあります。

実施すべき議題が定まっていない、会議になってから議題を考え始める、事前に資料が配布されていない……。すべて私が時間術のセミナーで受けた相談です。

これらは、会議の質を大きく低下させます。

余談ですが、電話を掛けてきてから、伝えることを考え出す得意先がいます。心の中では「考えてから電話してこいよ」と思いながらも、得意先なので邪険にもできず、伝えることを一緒に考えるという不毛な時間をすごすのです。

しかし、他人事ではありません。議題が定まっていない、会議で議題を考える、資料がないはこの電話と同じです。

会議の趣旨自体がムダな場合もあります。

最たるものは、「アリバイ作り」のための会議です。

刑事ドラマで、犯人か判断するために重要な要素であるアリバイ。しかしこれを会議に応用すると、「お前もあの場にいたよな」という逆の意味でのアリバイとして利用されることになります。その決定が失敗に終わっても、参加者全員の連帯責任。むしろ、連帯責任を多くのメンバーに負わせるための会議。誰が犯人か判断しない、誰も責任を取らない。アリバイ作りのための会議は、かなり頻繁に行われているはずです。

会議の「種類」を調べる

そのようなムダな会議を防ぐには、会議の目的をハッキリとさせる必要があります。これから行われる会議は、一体どのような種類のものなのか? 問題点を洗い出すための会議、参加者にアイデアを広く求めるブレーンストーミング、問題を解決するための議論の場など。

ムダな会議をなくすために、まずは会議の種類をハッキリさせる。ムダな会議の代表格アリバイ作りの会議を例に出すと、まさか「アリバイ作りが目的です」と、主張できる人はいないので、種類をハッキリさせるだけでも一定の抑止効果があると言えます。

会議を主催する者が、部長に会議の種類を事前に案内する。

参加者にも伝えることで、必要な準備もできます。

実際には、事前に案内しても、適切になされていないケースもあります。だからこそ、部長がしっかりと注目しながら指摘することで、ムダな会議が減っていくのです。

参加する「人数」を調整する

最後に、「人数」の問題です。

あるとき、「なぜ同じ部署から三人なのか?」と主催者に尋ねてみました。

その答えは「……」。明確な答えを得られませんでした。

以前の職場では、人数をムダに集めた会議を毎日のように行っていました。部長、課長、課長代理、20代の私。経験を積むにはいい機会でしたが、部署全員が参加することで、部署内でのフィードバックがなく、参加しただけ(まさにアリバイ作り)の会議になっていました。

目的がわかれば、人数を調整できます。

重要なブレーンストーミングであれば、できるだけ多くの人間を参加させる、あるいは、事前にできるだけ多くのメンバーの意見をヒアリングしておく。その上で、限られた人数で会議を実施する、そんな判断ができるのです。

時給3000円の社員が10人集まり、3時間の会議を行えば9万円のコストがかかります。五人で行えば4万5000円。半分の金額が浮くだけではありません。会議に出なかった五人は、合わせて15時間分、ほかの仕事をすることができるのです。

あなたの「やらないこと」リストに、必要のないメンバーは会議に参加させないと、付け加えてみてください。

時間
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午後の会議は立ってやる

会議
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午後の会議のデメリット

会議は午前中にやるのがいいと思っています。理想は、早朝に30分以内と期限を決めて行うことです。

午前中に参加者のスケジュールが合わず、それでも緊急性の高い問題を論議するような場合には、最終手段ですが、残業時間という選択肢を考えます。

つまり、午後の時間帯には極力会議を入れないようにしています。

午後の会議にはいくつかのデメリットがあります。

食後は眠くなり、生産性が損なわれます。営業部門の場合、午前中に得意先を訪問し、一旦帰社して午後の会議に出席し、そしてまた外に出る。行ったり来たりする時間がムダになります。

「動線」という言葉がよく用いられます。右のケースでは、営業社員の動線をまったく無視した、その分だけ会社全体にマイナスをもたらす意思決定だと言えます。全体最適を図ることは簡単ではありません。しかし、午後の会議はそれを損なうリスクが明らかに大きいのです。

午後の会議は立ってやる

そうは言っても、午後の時間しか取れない場合もあります。そのときは、会議をどうやって行うのが適切か? 私の答えは「立ってやる」です。

立っていれば眠くならない。微妙に足踏みをするので消化にもいい。最悪でも居眠りが防げる。様々なメリットがありますが、一番のメリットは「疲れる」ことです。疲れたら、会議を早くやめたくなる。ムダなく効率的に会議を進めようと考える。立ち飲み屋のコスパを考えれば、悪くはない方法です。

大企業でも、立ち食いならぬ「立ち会議」スペースを設けるところが増えてきました。すぐに集まり、すぐに会議をして、すぐに決断する。

昔であれば、タバコ部屋がこうした役割を果たしていたのでしょう。「重要な決定は全部タバコ部屋で決まる」といったフレーズが、都市伝説のように語り継がれていた会社を知っています。部長を立たせることに抵抗を感じる部下もいるでしょう。だからこそ、まずは部長から「立ち会議」を率先するのです。

会議で取り扱うべき事柄

何を会議で扱うのかという視点も重要です。

会議では、議題に入る前また終了直後に、「事務連絡」または「報告事項」が案内されることがあります。今後のスケジュール、最近のエピソード、懇親会の場所など。そんな報告の時間、若い頃の私は「ムダだなぁ……」と心の中で叫んでいました。「紙で配るかメールでいいじゃん」。そんな心の声が、きっと顔にも出ていたのでしょう。

報告や伝達といった事項を、会議という貴重な時間を使うことに、私はムダを感じています。「欠席者にも伝えておいてください」というお願いが、「言った、言ってない」「聞いた、聞いてない」のトラブルにもなります。事務連絡はメールで一斉送信し、メールで返信する仕組みを作る。会議で取り扱うべき事柄を、事前にしっかりと見定める。それもまた、会議のムダを削減する、部長の役割のひとつです。

部長の心得
石川 和男
建設会社役員・税理士・大学講師・時間管理コンサルタント・セミナー講師と五つの仕事を持つスーパーサラリーマン。1968年北海道生まれ。埼玉県在住。大学卒業後、建設会社に入社。経理部なのに簿記の知識はゼロ。上司に叱られ怒鳴られてすごす。初めて管理職になったときには、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ないない尽くしのダメ上司。深夜11時まで残業をすることで何とか仕事を終わらせる日々が続く。体調を崩し、ストレスから体重も1年で10キロ増加。このままでは人生がダメになると一念発起。時間管理やリーダー論のビジネス書を1年で100冊読み、仕事術関係のセミナーを月1回受講するというノルマを課し、良いコンテンツやノウハウを取り入れ、実践することで徐々に残業を減らしていく。さらに個人だけではなくチームとしても効率的な時間の使い方を研究し、生産性を下げずに残業しないチーム作りを実現する。残業をゼロにし空いた時間で、各種資格試験にも挑戦。働きながら、税理士、宅地建物取引士、建設業経理事務士1級などの資格試験に合格。建設会社のほか税理士、講師の仕事も始める。近著に『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』、『残業しないチームと残業だらけチームの習慣』(共に明日香出版社)、『最新ビジネスマナーと今さら聞けない仕事の超基本』(朝日新聞出版社)ほか多数。

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