(本記事は、寺岡孝氏の著書『不動産投資の曲がり角で、どうする? ーー損切りするか、保有し続けるか。』クロスメディア・パブリッシングの中から一部を抜粋・編集しています)

不動産投資でカモられないための相談事例

不動産投資
(画像=PIXTA)

私に相談があった事例をご紹介しましょう。

Q. 【区分マンションの相談事例】
4年前に購入した2つの物件を売却したい。
A.Kさん 〈年齢〉34歳 〈年収〉500万円弱 〈貯金〉150万円

とくに知識はないものの節税対策になるならと考え、4年前に大阪で2件の新築ワンルームマンションを購入しました。30年ローンを組み、家賃収入で返済するかたちです。

ところが、最初に販売業者から聞いていたよりもずっと支出が多い状態です。退去されれば修理代がかかり、空室が続けばローン返済は持ち出しになり、節税対策のはずが固定資産税の支払いもあります。これが残り26年間も続くのかと思うと、続けられるのかと不安になってきました。今後も素人では予期していない事態や大きな支出もあるでしょうし、対応できるかわかりません。手放したいというのが本心ですが、続けるべきでしょうか?どうしたらよいか全くわからず、本当に悩んでいます……。

A.
投資マンションは、手軽に購入できる反面、購入後の運用や出口をいつどうやって見つけて対処するかは難しい面があります。いざ売却となれば、査定金額が安価でなかなか思うようにはいかないケースも散見します。

手順としては、以下のようになります。

  1. 現物件の状況確認や調査
    お客様のご提供いただく物件資料をもとに、中立的な視点で投資用所有不動産を客観的な指標で調査します。
  2. 売却金額や賃料の精査・ローン利用の場合の残債確認等
    将来の収益が確保可能か、もしくはその損失を最小限にするために精査します。
  3. 売却すべきかの判断
    現状継続、改善策のご提案による維持継続、もしくは適宜売却かを総合的に判断するサポートを行います。現実的なご提案となるため、不動産投資の不安を解消し、現不動産投資の良し悪しをご判断いただきます。
  4. 売却の場合の金額査定・売却依頼
    仮に売却となれば、マイナス面を最小限にできるようご提案します。

東京圏をはじめ、大阪圏や福岡圏などの物件をお持ちの方で、当方のサポートをご利用になって売却された方は多くいらっしゃいます。一度、お問い合わせください。

取引先にはどんな準備や取組みを促すとよいか【1】
(画像=PIXTA)
Q. 【区分マンションの相談事例】
中古ワンルームマンションでよさそうな物件があるというのですが…。
I.Hさん 〈年齢〉38歳 〈年収〉800万円 〈貯金〉1,200万円

東京23区内に中古の駅近ワンルームマンションの現金購入を考えています。業者はもちろんよい投資であると勧めます。

順調に入居者がつくという前提でもキャッシュフローを考えると、マンション購入資金を回収するのに20年はかかります。

その後、年金の足しになると思ったのですが、古くなれば入居者がつく保証もなく、そうなれば売却も二束三文になります。迷っています。

「中古ワンルームマンションは、立地と物件を間違わなければ必ず成功する」と聞きますが本当でしょうか?

アドバイスをお願いします。

A.
投資マンションの購入にはご指摘の通り、購入資金の回収だけでなく、空室リスクや売却にかかるコストといった心配はつきものです。

とくに、中古物件購入の場合には、築年数や近隣の市況などいろいろな面での検討が必要でしょう。

また、購入後、長期に維持するにはどうしても難しい面もあります。

リフォーム費用の蓄積や空室に対する対策なども十分に検討していかないと長期間の所有は厳しいものです。今後、ご承知の通り、少子高齢化で人口減少は必須ですし、2戸に1戸は空き家の時代が来るといわれています。そうなれば、いくら首都圏とはいえ空室のリスクは想定しておかなくてはいけません。

そのため、物件選びにはこうしたリスクが少ない物件を選ぶ必要もあるでしょう。

また、購入後には最終的にいつ頃にいくらで売却できるかを考えておかなくてはなりません。

例えば、数年間、賃料収入をどれだけ得たのちに売却していくかも視野にいれておくべきでしょう。

業者のセールストークはいいことしか言いませんので、彼らの言葉に惑わされない選択をされることをお勧めいたします。

不動産投資の曲がり角で、どうする? ーー損切りするか、保有し続けるか。
寺岡 孝
1960年東京都生まれ。アネシスプランニング株式会社代表取締役。住宅コンサルタント。住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務した後、2006年にアネシスプランニング株式会社を設立。住宅の建築や不動産購入・売却などのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、これまでに2000件以上の相談を受けている。東洋経済オンライン、ZUU online、スマイスター、楽待などのWEBメディアに住宅、ローン、不動産投資についてのコラム等を多数寄稿。著書に『不動産投資は出口戦略が9割』『学校では教えてくれない! 一生役立つ「お金と住まい」の話』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

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