本記事は、北尾龍典氏の著書『手間をかけずに資産を増やす! 医師のための投資術』(ポプラ社)の中から一部を抜粋・編集しています
(1)コミュ力が高い AI時代だからこそ、コミュ力がある医師が稼ぐ
私は「稼ぐ医師」に最も必要なのは「コミュ力」だと考えます。
「お医者さんって、どうしてあんなに冷たいの?」
というのは、多くの患者さんが共通して持つ印象だと言われています。
患者さんは体調が悪く不安なのに、医師は話をあまり聞いてくれない。
ドクターからすれば、丁寧に説明したつもりでも、相手の立場からするとぶっきらぼうに難しい言葉を並べ立てるだけ。
こんなふうに、患者さんが不信感を抱くと、口を閉ざしてしまいます。
そして、ドクターが知っておくべき情報が手に入らずに、治療がうまくいかなくなる可能性が高まります。
患者さんや家族から信頼され「また、あの先生にお願いしたい」と言われる「コミュ力」があってこそ、稼ぐ力に結びつくのです。
特に、これからの「AI時代」においてドクターには「コミュ力」が求められるようになるはずです。
近年、医療業界でも「AI(人工知能)」の利用が進んでいます。
海外では、AIによる画像診断で病状を検出したり、遺伝子情報から将来発症する可能性が高い病気を明らかにしたりするなどの場面で活用されています。
日本の厚生労働省も、ゲノム医療、診断・治療支援などの分野で、AIの実用化が進むと考えています。
もしかしたら、極端な話、今後、内科ではAIが診断を下し、外科ではAIが手術を行うようになる時代も遠くはないかもしれません。
しかしだからといって、今後、医師が必要なくなるわけではありません。
医師とAIは共存しながら、役割分担をするようになるはずです。
AIは、高い精度で病名を導き出すことができます。
でも、患者さんは「自分は何の病気なのか」を知るだけで満足するわけではないのです。
その状態になぜなるのか、原因としてどんな可能性が考えられるのか、また、どんな治療をすべきなのかを説明するのは医師です。
患者さんに必要な情報だけを選び、緊張している気持ちに配慮しながら話ができるのはAIではなくドクターです。
そうした「コミュ力」がある医師はこれからの時代に求められ、稼ぎ続けて生き残っていけるのです。
病院内で認められるのも「コミュ力」が高い医師
ドクターに必要な「コミュ力」は、患者さん相手だけに限ったことではありません。
同僚の医師や上司、看護師、専門スタッフなど、共に働くあらゆる人たちとのコミュニケーションが上手な人は、確実に「稼いで」います。
2021年に医師を対象に行った「医師が出世するために必要だと思うこと」のアンケートでも、1位の回答は「タイミング・運」(40.4%)、2位に「周囲からの信頼」(36.4%)、そして3位に「コミュニケーション能力」(31.3%)となっています。
私は「周囲からの信頼」は「コミュニケーション能力」の結果だと考えますので、2つを合わせると67.7%にもなります。
医療は医師が一人で行うわけではありません。
ほかのスタッフとの連携がうまくいって初めて、患者さんに質の高い治療を提供することができるのです。
病院で求められるコミュニケーション能力とは、単に「初対面の人と話ができる」「話が面白い」というだけではありません。
「自分の考えを正しく理解してもらうことができる」といった、自分から投げかける場合と、「相手の真意を推し量れる」「相手の感情に配慮することができる」といった相手の考えや気持ちを受け取るときの双方向で、適切な意思疎通ができることが大切です。
また、コミュニケーション能力には「考え方の異なる相手との接点を見つけられる」「信頼関係を築ける」などといった要素も含まれます。
こうした「コミュ力」が高いドクターは、患者さんに好かれ、スタッフから尊敬されて人望が集まります。
そして、より早く、より高い地位に就き、稼ぐことができるのです。
また「コミュ力」が高く、患者さんの信頼が厚いドクターは、どこの病院でも求められます。
一つの病院にこだわらなくても、高額の報酬のオファーが集まり、求められた場所で実力を発揮して「稼ぐ」ことができるのです。
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