本記事は、北尾龍典氏の著書『手間をかけずに資産を増やす! 医師のための投資術』(ポプラ社)の中から一部を抜粋・編集しています
新しいことにチャレンジできる 医局に頼らないから収入が上がる
「稼ぐ」ドクターが必ず持ち合わせている資質が「新しいことにチャレンジできる」ことです。
2004年に「新医師臨床研修制度」が導入される前は「医学部を卒業したら、大学の医局に入るのがあたりまえ」と誰もが考えていました。
**大学病院や関連病院での管理職経験を積むまでは、転職や開業といった選択肢はほぼ考えられず、医局に属さない医師は「ドロップアウト」とみなされていたのです。
医局では教授が絶対的な権力を握り、逆らうことはできません。
医師たちは、過酷な労働環境や望まない人事異動などにひたすら耐えることで、将来、「講師→准教授→教授」といった出世コースに乗って「稼げる」と信じていたのです。
しかし、時代は変わりました。
もはや、大学教授は憧れの地位ではありません。
教授になれば、研究の幅が広がり収入も上がって「稼げて」いたのは過去の話です。
教授の影響力は年々小さくなり、また製薬会社の自粛などにより、大学教授になることのうまみであった、製薬会社からの接待や高額の報酬などは受け取ることができなくなったからです。
特に、大都市圏では、医局離れが顕著にあらわれています。
この流れは当然、地方にも波及していくでしょう。
実際に医師1580名のアンケートによると、現在「大学医局に所属していない」ドクターは54%と、「大学医局に所属している」46%を上回っています。
ただし、現在、医局に所属していない医師のうち、79%は過去に所属していた経験があります。
もちろん、今でも医局には「専門医の資格を取得する」「多くの症例を経験できる」などの役割がありますから、目的に沿って入局するのは悪いことではありません。
ただ、「それが普通の流れだった」「まわりも入っていたから」「そんな時代だった」などという答えも少なくありません。
そして、なんとなく入った医局を去る決断ができないまま「いつかは医局を辞めようと考えているが時期は未定」という医師が31%、そして「いつまで大学医局でのキャリアを続けるかわからない」というドクターも31%もいるのです。
一般的には医局を辞めようとするとき、不安に思うのは主に再就職先のことのようです。
「再就職先があるか不明」「職場探しが難しいかも」「やりがいのある職場が見つかるかわからない」といった回答がズラリと並びます。
なかには「自分で勤務先の病院を探さなければならない」のが心配だという答えすらあります。
今はインターネットの発達のおかげで、大学の医局に頼らなくてもアルバイト先や就職先を探すためのエージェントは何百もあります。
転職エージェントに問い合わせする手間さえも惜しんでいたら、「稼ぐ」医師に近づくことは難しいでしょう。
人並み以上に「稼ぐ」ドクターたちは、医局を去るなどの「新しいことにチャレンジ」する姿勢を持っています。
実際に他のアンケートを見ると、退局することに対して、辞める前は「ドロップアウト」というイメージだったのが、医局を離れたあとは「医局にいるだけが医師ではない」「自らの力が試される」などのポジティブな気持ちに変わったという意見が多くみられました。
勤務医の年収は、民間病院がダントツなのは、厚生労働省の調査からも明らかです。
納得できる年収を手に入れるためには、前に向かって行動する勇気が必要なのです。
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