本記事は、天田幸宏氏の著書『個人事業主1年目の強化書』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。
メルマガは売り込みではなく「存在証明」
かつてメルマガは「販売手段」の王様だった
インターネットが一般的に利用されるようになってから20年以上が経過しました。
その間、様々なサービスが生まれては消えていきましたが、いまも変わらず使われ続けているツールがあります。それはメールです。中でもメルマガは、個人事業主にとっても身近な情報発信のツールとして長く利用されています。
メルマガは、私信のような雰囲気を少なからずまといながら読者との関係構築していくことを通して購入や契約の決断へとつながる情報発信のツールです。
あなたも購読しているメルマガがきっかけで、紹介されていた商品やサービスを購入したり、契約したりした経験は一度や二度ではないはずです。
しかし近年、SNSの台頭や迷惑メール防止の観点から、メルマガの実効性に疑問を持つ人が増えています。個人事業主として活動するあなたも、きっと「メルマガなんて出す意味あるの?」と感じているかもしれません。
時代は変わり、メルマガは忘れられないための関係維持ツールに
ここ数年で、メルマガの役割は変わりつつあります。定期購読しているメルマガを開封してみると、情報の中身が「売り込み」を目的としたものから、発信側の「存在証明」へと変わりつつあります。
とくに、必ず開封してしまうようなメルマガは、読者との関係維持のネタが9割、売り込みは1割くらいのバランスです。
そのような点で「これはうまいなあ」と思うメルマガをひとつ紹介します。
日本唐揚協会の会長であり、様々な事業を展開している、やすひさてっぺいさんのメルマガです。彼のメルマガを発行する頻度は毎月2本程度。
というのも、発行のタイミングが日本に古くから利用されている暦「二十四節気」に紐づいているのです。
「きょうは大暑です」なんて書き出しとともに、その意味や由来が学べるだけでなく、やすひささんがこの数週間どんなことをしてすごしてきたのかがわかるような内容になっています。
中身はいたって普通なのですが、じつはこれが秀逸な「存在証明」でもあるのです。月2本程度というのは、発行側も読者側も大きな負担がないのも継続しやすいポイントです。