この記事は2022年3月9日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年3月9日(水)の午前10時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
西原宏一 青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
ウクライナ関連の報道は極めて多いが、ポイントは米国。
バイデン米大統領は「ガソリン価格が一段と上昇する」との認識を示した上で、石油・ガス業界に対し過度な値上げを行わないようクギを刺した模様。
米オキシデンタルのビッキー・ホラブCEOは「米石油掘削業者が近い将来にエネルギー不足分を補えるほど大幅に生産を拡大することは不可能だ」と指摘。
その理由として、労働力不足とサプライチェーンの混乱を挙げている。つまり、これから石油はもっと上がるという意味だろうか。これは、コモディティ通貨である豪ドルに追い風だ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
2022年3月8日(火)の外国為替市場ではユーロを中心に欧州通貨が上昇。
個人的に注目していたユーロ/スイスは、パリティ割れではSNBが動いていたと想定され、下げ渋り、現在1.015フランに反発。呼応してユーロ/米ドルも1.0915ドルに上昇。
急落していたユーロ/豪ドルは1.5ドルまで急上昇しているため、豪ドル/米ドルは0.8275ドルに押されているが、ここまでの展開はユーロ/米ドルが上昇してのユーロクロスの反発なので、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルのロングは継続。
米ドル/円は本邦年金ファンドが執拗にドル買いを繰り返しているうちに、底堅くなって反発しており、115.85円レベルまで上昇。
米ドル/円はダブルトップとなる116.35円を超えてしまうと、大きく踏み上がる可能性はあるが、米ドル/円自体にモメンタムを感じないため、円ショートは豪ドル/円を選択している。
中期での豪ドル買いスタンスは変わらず、短期ではユーロ/米ドル、豪ドル/円の押し目買いで臨みたい。
▽豪ドル/円の日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。