本記事は、寿マリコ氏の著書『心地いい人がしている、人づきあいに役立つ習慣術』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
説明下手を解消する2つの方法とは
説明がわかりにくい人の特徴とは?
「説明がわかりにくいと言われる」「結局、何が言いたいの? と突っ込まれた」など、説明下手に悩んでいる人は少なくありません。話を聞いている相手からすれば、話の中心となる要点がわからず、ダラダラ話されるとイライラしてしまうのです。
説明下手をなんとかしたいと思っていても、「何をすればいいのかわからない」という声をよく聞きます。
私が、学生や社会人の就職面接の指導をしていて、説明がわかりにくいと感じる人に共通するのは、思いついたまま話をしている、要点がわからない、結論の根拠が不明確、結論に至るまでの説明が長いという点です。
説明下手のままでいると、間違った評価をされてしまったり、仕事の成果に悪い影響を及ぼしたりなど、不利益が生じる恐れがあります。
わかりやすく説明するためには構成力が必要
説明下手を解決するには、話を組み立てる「構成力」を身につけることが重要です。話を組み立てずに思いついたまま説明をすると、話のストーリーがバラバラになり、何が言いたいのかわからなくなります。
構成がしっかりした説明は誰が聞いてもわかりやすく、コミュニケーションが円滑に進みます。説明が上手くなると発信力が高まり、物事の結果が良い方向に変わります。説明力の向上に、次に解説するPREP法とNLC法の2つの構成方法を取り入れてみてください。
論点が絞られている時の説明はPREP法を使う
PREP法はPoint(結論)、Reason(理由)、Example(事例や具体的な例)、Point(結論)の頭文字を取って名づけられています。
まず、結論から話して、次にその理由を述べます。さらに事例や具体的な例を提示して理由の説得力を高めます。最後にもう一度結論を述べることで、簡潔にわかりやすく説明することができます。たとえば、次のように説明します。
P(結論)……「先日開催された企画会議で、新商品はA案に決定しました」
R(理由)……「A案の決定理由は、年代を超えて愛されるというコンセプトに最もマッチしたからです」
E(事例や具体的な例)……「企画案のアンケート調査で、A案は10代から80代の男女ともに好感度1位という結果が得られました」
P(結論)……「これらのことから、新商品はA案に決定しました」
聞き手は、先の見えない話にイライラするものです。先に結論から述べることで、「何が言いたいのかわからない」というストレスを相手に与えることなく、スムーズに説明を聞いてもらえます。また具体例を示すことで、相手に納得してもらいやすいというメリットがあります。
論点がいくつかある時の説明はNLC法を使う
NLC法はNumbering(数を示す)、Labeling(見出しをつける)、Claiming(主張する)の頭文字から名づけられています。
はじめに主張する論点の数を伝えます。次に各論点に見出しをつけます。そして各論点を1つずつ説明します。
N(数を示す)……「本日ご説明したいことは3点です」
L(見出しをつける)……「1点目は、第一会議室の利用日時の変更についてです。2点目は、第二と第三会議室の収容人数について、3点目は第四会議室の工事期間についてです」
C(主張する)……「多くの方に利用していただけるように、利便性の向上のための改善にご協力くださいますようお願いいたします」
NLC法は、はじめに論点の数を示すため、聞き手が「これから聞く話は3点だな」と聞く準備をして、頭の中で整理しながら聞いてもらえるメリットがあります。
ノンバーバルコミュニケーションを意識する
説明に必要な構成がわかったところで、後は普通に話すだけ……、というわけにはいきません。説明下手の解消にもう一つ忘れてはいけないのが、ノンバーバルコミュニケーションです。
説明の構成とともに、表情や視線、姿勢、声の使い方などの話し方にも気を配ると、「説明が上手い人」という印象とともに、あなたの評価がグンと高まります。
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