本記事は、木村拓也氏の著書『「会社員」のためのお金の増やし方90』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています

業界によって収入が大きく変わることを知る 転職で年収が上がるとは限らない?

東京23区,平均年収ランキング
(画像=maccc/stock.adobe.com)

お金を稼ぐ方法について、まずは本業で収入を上げることを考えてみたいと思います。このランキングを見てください。

〈業界別平均年収ランキング(単位:万円)〉
1 総合商社       1,298
2 ビール        1,049
3 新聞         1,001
4 コンサルティング   958
5 テレビ        945
6 損害保険       930
7 ショッピングセンター 900
8 通信         876
9 カメラ        874
10 半導体製造装置    868

〈業界別平均年収ワーストランキング(単位:万円)〉
1 ゴルフ場  337
2 着物    404
3 ジュエリー 412
4 メガネ   435
5 中古車   452
6 居酒屋   458
7 警備    460
8 ラーメン  465
9 靴     466
(出典:業界動向SEARCH.COM)

私はいろいろな人から相談を受けるので、さまざまな業種の年収を知る機会がありますが、本当に業界によって年収が違うのだなと感じます。

不動産投資コミュニティに入られた方で、車の輸入販売の営業マンの方がいらしたのですが、その方は年収500万円でした。サラリーマンでいえば平均的な金額だと思うのですが、このまま仕事を続けていても年収は上がらないと、転職をされたのです。営業にこだわり、生命保険の営業として入社されました。すると年収が3倍になったそうです。

彼が言うには、専門知識があると強いそうです。車は一般の方でもある程度知っているけれど、保険はやはり専門的な勉強をしないとわからない。これが年収に反映されるのではないかと言っていました。

こういうことは、これから転職しようという方や、就職活動をしている学生の方によく知っていてほしいことだと思います。

当然ですが、年収が高い方ほど銀行の融資は受けやすくなります。勤務している会社も、大手や上場している会社のほうが有利。もちろん、売上や資本金も大きいほうがいいです。

今の会社で出世を目指す 出世できる一番の近道、教えます

もちろん、転職せずに年収を上げたいという人もいるでしょう。そのためにはどうすればいいか。出世です。

出世に一番の近道があります。とてもシンプルで簡単なのですが、意外に皆さんやらないですね。それは、出世した人に「どうするとこの会社で出世しますか?」と聞くことです。なぜかというと、出世するための行動や条件というのは会社によって違うからです。

たとえば、業績のような数字で出世が決まる会社もあれば、人事評価のときの上長の意見が反映されるという会社もあります。上長から高く評価してもらうためには、気をつけなければいけないこともありますよね。人事と仲良くなると有利だという会社もあるでしょう。出世した人というのは、出世のための傾向と対策をよく知っているのです。

会社によって出世ルートは違うもの

では、どうやって聞き出すか。基本的にはストレートに聞くのがいいと思います。飲み会などで近くに座って仲良くなってから、数回目に尋ねてみるのがいいと思います。

私が卒サラする前に勤めていた会社の場合は、上司から引き上げてもらうパターンが多かったです。そのため、できるだけ部長などリーダークラスのプロジェクトに入って、上層部と仲良くなるようにしていました。すると、「今度のプロジェクトのこの役は木村くんがいいんじゃないか」となるのですね。それが積み重なると、「木村くんは優秀だ」という上司の評価が人事に伝わり、出世させるという仕組みです。日本の大半の会社はそうだと思いますが、一匹狼よりも、こういう地道な根回しができるタイプのほうが好かれるものです。

私は卒サラするまで28年間同じ会社に勤めていましたが、実は一度転職しようとしたことがあります。なぜかというと、まったく実力がない人が上司になったから。当時は「こんな人が上司になるんだ。やってられないな」という思いでいっぱいでした。そこで転職活動して、ある外資系企業から内示までもらったのですが、いろいろ調べてみたら危ういところがあって転職をやめたのです。

ちょうどそのタイミングで不動産投資について知り、融資を受けるなら今の会社のほうが有利だなと分かったのです。そこで踏みとどまり、結局は卒サラするまで同じ会社にいました。

勤続年数が長いほうが金融機関から融資を受けやすくなります。まったく異業種・異業界に転職してしまうと、すぐに審査は通りません。転職すると融資に不利になるなと思われる方は、まずは現在の会社で出世を目指してみてはいかがでしょうか。

年収を上げられる人とはこういう人! サラリーマンとして、投資家として大切な心構え

それでは、年収を上げられる人とはどういう人でしょうか。

サラリーマンの場合、報連相をきちんとできる人です。「採用活動のとき、学生のどこを見て採用しますか」というアンケートでは、一番重視されていたのがコミュニケーション能力でした。なぜ、報連相が評価されるかというと、会社というのは大きな失敗をしたくないからです。部下が相談もせず突っ走って、失敗するというのはどの上司も避けたいのです。

年収を上げられる人のもう一つの条件は、貴重な人材であること。会社に大きな貢献をしていて、貴重な人材だと認められることが大事です。いざというとき、「お給料が上がらないならば転職も考えます」と、会社や上司と交渉してやろう、という気持ちでいいと思います。取り替えが効くような人であってはいけません。

それには、得意分野を持つことが大事です。この分野なら自分は任せろと言えるものがあると強いです。ただ、周囲に同じ分野を攻めている人がたくさんいるようでは難しいと思います。それよりも、あまりここに詳しい人はいないな、というような、競合がいない分野がいいですね。

起業においても、ブルーオーシャン戦略という考え方がありますが、サラリーマンでも当てはまります。ある分野とある分野を掛け合わせたり、ニッチなところを極めたり、得意分野を持つ方法はたくさんありますよ。

ちなみに、年収が上がる人というのはある思考パターンがあります。「できない理由よりもどうやったらできるかということを考える」です。こういう人は、どんな困難なこともやり遂げることができるように思います。会社にいても周囲から好かれるし、起業をしてもチャレンジ精神で頑張っていけます。

どうやったらできるかを考える人

私自身が心がけていることとしてはプラス思考です。たとえば、車を運転していたとき、制限オーバーで切符を切られてしまった。普通だったら落ち込むけれど、「もしかしたらスピードの出し過ぎで事故を起こしていたかもしれない。安全運転をしろという神様からの戒めだ」と思えば、自分の行動を改めることができますよね。

「失敗」というのは、「負けを失う」と書きます。失敗自体は負けではなく、その後の負けを無くすためのちょっとしたミスだと思っています。離婚も、バツイチではなくマルイチなわけです。そう考えたほうが前向きだし、気持ちも楽だし、成長できると思いませんか?

不動産投資というのは、常に未知の世界への挑戦です。投資家にとってポジティブに考えて前向きに挑むというのはとても大事な心構えです。サラリーマンとして、投資家として成功するために、こうした心構えは常に気をつけておいてください。

「会社員」のためのお金の増やし方90
木村拓也(きむら・たくや)
株式会社NEXT代表取締役。一部上場企業でSEとして28年間勤務。41歳の頃に身体を壊したことをきっかけに、サラリーマンとしての収入だけに頼る人生に不安を覚え、不動産投資に興味を持つ。そこから独学でキムラ式不動産投資法を編み出し、サラリーマンを続けながら5億円の資産を構築。49歳の頃には不動産収入だけで年間1,000万円を突破し51歳で脱サラを果たす。現在は合計50棟保有の不動産投資仲間12名と国内最大規模の不動産コミュニティを運営。自身の経験を元に、不動産投資ノウハウや、脱サラするための方法などを発信し続ける。著書に『サラリーマンは今すぐ5,000万円借りなさい!』『サラリーマンは今すぐ5,000万円借りなさい!』(いずれも秀和システム)がある。

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