本記事は、木村拓也氏の著書『「会社員」のためのお金の増やし方90』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています
不動産投資におけるリスクを徹底解説! 対処方法がわかっているリスクはリスクにあらず
何事にもリスクがあります。不動産投資もそう。先にきちんとお伝えしておきたいと思います。
まずは空室リスク。2、3年に1回ぐらいですが、空室というのは必ず発生します。空室が続いてしまうとさまざまな悪影響がありますので、なるべくすぐに埋めなければいけません。募集の仕方を変えたり、家具を置いてイメージを良くしたり、フリーレント(家賃無料期間)をつけたりと、さまざまな方法があります。
管理会社と日頃からしっかりコミュニケーションを取っていてなるべく回避できるようにしてください。
次に家賃滞納リスクです。大家さんにとっては心配な点ですし、私も不動産投資を始めた頃は滞納された経験があるのですが、今は保証会社を挟むことが多いです。何かあれば保証会社が補填してくれますし、そもそも入居の際の審査もしっかりしていますので、昔ほどリスクは高くありません。
次に家賃が下がってしまうというリスクです。確かに、長いスパンで家賃が下落する可能性はあるのですが、これは避けられます。たとえ下がったとしても、大幅に下がることがない物件を買うことが大事です。また、空室をすぐに埋められれば下がることはありません。
物件自体の価格が下落する可能性もあります。
いずれ物件を売るときの話ですが、買ったときの価格から大幅に下がってしまうのは心配ですよね。実は「収益還元法」といって、家賃と利回り相場から逆算して売買価格が決まるという方法があります。そのため、空室リスクを回避して家賃下落を抑えられれば、物件価格が下がってしまうことはありません。
修繕や天災には火災保険を使うのがポイント
中古の物件というのは修繕のリスクが絶えず付きまといます。物が壊れたり塗装が剥げたりと、ある程度年数が経った物件では必ず起こるものです。これは、前のオーナーがどれだけきちんと対処していたかによっても変わってきます。
また、買うときにどれだけ直して買うか、値段交渉によっても変わってきますので、買うときには気を付けてください。
あまり知られていないのですが、火災保険を上手に活用するのがポイントです。火災保険は火災による被害だけでなく、実は適用範囲がものすごく広いので、故意による損害でなければ意外とカバーできるものなのです。管理会社と相談していい保険を選んでください。
災害の多い日本において、天災リスクは徐々に高まっています。台風、大雨、竜巻、地震……。しかしこれらも、火災保険のオプションでカバーできるものがありますから、ぜひ保証内容のしっかりした保険に入っておいてください。
また、物件購入の際にはハザードマップをしっかりとチェックしておくことも大切です。
どんなことにもリスクはあります。しかし、きちんと事前に把握をしておいて、対処方法もわかっていればいいのです。それならリスクは、決してお手上げという事態には陥りません。過度にリスクを恐れる必要はありませんので、不動産投資を始める際に冷静に分析していただければと思います。
不動産投資を始めると節税効果になる サラリーマンが大家になるメリットは大きい!
サラリーマンは、実は損をしていることが多いのです。それは、”源泉徴収”に対して疑いを持っていないからです。
所得税は累進課税です。累進課税というのは、収入が上がると税率が上がっていくというもの。たとえば年収が1,000万円の方の場合、手取りは720〜730万円ぐらいです。年収700万円を過ぎると、額面が上がっても手取りはあまり増えないですね。サラリーマンというのは、税金に関しては涙をのむことが結構多いのです。
そこで、不動産投資の出番です。不動産投資を始めて家賃の収入を得られるようになると、確定申告をする必要があります。確定申告をすると、自分の年収がお給料だけではなくなり、年収が変わるわけです。ここに節税のポイントがあります。
給料と不動産収支を合わせると所得が減る?
お給料と不動産投資の収入は、確定申告で合算することができます。もし、会社からのお給料が600万円で、不動産投資における収支がマイナス100万円の場合、自分の合計所得は500万円になります。
不動産投資で収支がマイナスになることはよくあるのですか? と聞かれるのですが、よくあります。ただしこれは帳簿上の話で、実際にマイナスになるのではありません。
たとえば、減価償却費は経費にできます。ほかにも、ローンの利子や広告費が経費になりますし、物件を見にいくための交通費や、そのときの食事代も経費になります。さらに、物件を買うために使ったパソコンや携帯代、書籍なども経費になるのです。詳しくは税理士さんと相談していただきたいのですが、不動産事業にかかわるものはすべて経費になります。
この経費が大きければ大きいほど、帳簿上はマイナスになります。私は不動産投資を始めた当初、東京の中古区分3部屋を所有していましたが、年間で三十数万円が戻ってきたことを覚えています。一棟所有するようになると、50〜60万円が還付金として戻ってきました。
このように、サラリーマンが不動産投資をすることで得られる節税効果はとても大きいのです。
さらに、不動産オーナーは団体信用生命保険に入ることができます。この保険に入ることができたから、生命保険を解約したという人も多いです。
ぜひ、自分のお金にもっと敏感になっていただきたいです。
不動産投資をすると生命保険料が浮く!? 団体信用生命保険にはメリットがたくさん
団体信用生命保険(団信)の話が出ましたので、そのメリットを詳しく述べたいと思います。
団信は、不動産投資をする人がローンを組んで不動産を購入する際にセットで加入するものです。なぜなら、ローンを返しているうちに投資家の身に万一のことがあった場合、残債をめぐって残された家族が路頭に迷ってしまうからです。
団信は、通常の生命保険よりも優れた点がたくさんあります。
例えば生命保険は、月々約2〜3万円の生命保険料を支払う必要があります。一方で団信は、家賃収入から引かれていくだけですので、自分の懐から支払う必要はありません。家賃収入から最終的にいくら自分の口座に振り込まれるかというと、だいたい5,000万円の物件の場合、月に10万円ぐらいです。
お金を払う保険と、お金をもらう保険(不動産投資)のどちらが良いか? 答えは明白ですよね。
もし万が一、病気や事故などで死亡した場合、生命保険であれば8,000万円から1億円ぐらいの保険料が下りるかと思います。一方で団信は、ローンの残債がチャラになるのです。もちろんチャラになっても、物件は資産として残ります。しかもローンの返済がなくなりますので、毎月口座に振り込まれる金額がもっと上がるのです。家族はそのまま大家を続けてもいいですし、物件を売って売却益を得てもいいです。いずれにしろ、路頭に迷ってしまうことは絶対にありません。
団信にがん保険付きプランが登場!
さらに団信では、がん保険付きのプランが最近登場しました。これは不動産投資家でも知らない人が多いので強調しておきたいのですが、がん保険付きはかなり良いのでお勧めです。
日本人の2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで死亡する時代です。万が一ではないのです。
がん保険付きのプランでは、がんになって死亡したり、働けなくなったりすると、ローンの残債がゼロになります。また、がんにかかると治療費が下りるので、医療費の負担もかなり軽減されます。しかもこのプランは、現在の保険料に約0.1%上乗せするだけでいいのです。
どれだけメリットがあるか、おわかりいただけたのではないでしょうか? もし私ががんで死んだ場合、家族は今よりもかなりリッチな生活を送れるのです。通常の保険と違い、保険料を支払う必要がないのに、です。
団体信用生命保険に入れるというだけで、不動産投資にはメリットがあります。ぜひ、そのメリットをフルに活かして、ご家族を安心させていただきたいと思います。
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