本記事は、木村拓也氏の著書『「会社員」のためのお金の増やし方90』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています

失敗しがちな物件選びとは 私がネットの情報を信用しないワケ

不動産投資で失敗しないためにトラブルシューティング力を身につけよう
(画像=Freer/stock.adobe.com)

不動産投資関係の本によく、「1日1時間はネットで物件を探し、目を肥やしなさい。カンを養いましょう」などといったことが書かれています。一方で私は、不動産投資を始めてから13年間、ただの一度も自分で物件を探したことがありません。

今はインターネット社会で、何でもネットで探してみましょうというのが当たり前です。ところが、不動産業界は事情が異なるのです。いい物件というのは、まるで川の上流のように、いいものから人づてに売れていきます。それが段々と、川の流れが濁っていくようによくない物件が主流になってきて、川の下流の頃には売れ残りの物件ばかりになります。ネット上にある物件というのは、まさに川の下流。売れ残りが集まっているのです。

不動産業界というのは、人間関係やコネ、ツテで成り立っています。なぜなら動くお金が大きいからです。

不動産業者の立場になってみるとわかるのですが、物件というのはタイミングがありますから、いいタイミングのときに確実に売りたいもの。ですから、買うかどうかわからないようなお客よりも、必ず買うような、買う意思のあるいいお客に売りたいと考えるのです。そこで、不動産業者とは、普段から打ち合わせをしたり、関係性を作っておいたりして、いい物件が出たときに紹介してもらうようにしておくことが大切なのです。

不動産業界はアナログで泥臭い世界

私は、不動産投資を始めて初期の頃に、すでにこの構図が見えていましたので、ネットや新聞、雑誌などで物件を探すことはしませんでした。もちろん、ネットを完全否定するわけではありません。中には掘り出し物もあると思います。

私のコミュニティの会員さんのなかには、ずっとネットに掲載していても売れず、売主が価格を大幅に下げたタイミングで時機を逃さず買ったという方がいました。こういうケースは正解だと思いますが、極めて稀な例でしょう。

では、どうしたらいい不動産業者と知り合えるのか。これはやはり”紹介”です。不動産業者とすでに関係性を築いていて、売買の実績がある不動産投資の先輩から紹介を受けるのが一番です。不動産業者のほうも、「この人はAさんからの紹介だ。変な物件を売ると、よくない口コミが広まってしまう」と、大切に扱ってくれるのです。

基本的に、営業をかけてくる不動産業者は避けてください。いい業者というのはお客をたくさん抱えていて、営業する必要がないからです。

不動産業界というのはとてもアナログで泥臭い業界です。有益な人脈を作って、この業界をうまく泳いでいきましょう。

年収300万円台でも不動産投資はできる! 「ある副業」で収入を増やす

不動産投資に挑戦したいという人は、実は必ずしも収入が高かったり、貯金がたくさんあったりする人ではないのです。私のコミュニティに参加する人も、年収300万円台とか、まだ若くて貯金がほとんどないという方がたくさんいます。

意外に思われるかもしれませんが、年収300万円台、貯金がなくても不動産投資に挑戦できます。

どうしたらいいでしょうか。まず、銀行から融資を受けられるように、年収を高くすればいいのです。とはいえ、転職をおすすめするわけではありません。

副業をして、本業以外の収入を増やすのです。

年収が低い方でも副業で稼いで確定申告すれば、収入が上がります。生活レベルを上げなければ貯金もできますから、自己資金も増えるのです。年収を400万円台の中盤まで上げることができれば、銀行への印象がかなり変わります。最低でも1年かかりますが、いい副業を見つけられれば、現在の年収にプラス100万円ぐらいはすぐに達成できるはずです。どのような副業がいいでしょうか。メジャーなものだと、

・アフィリエイト
・物販
・プログラマー
・動画編集
・株
・FX

などがあります。

物販は誰にでもでき、初期投資も少なくて済む

まず、株やFXなどの投資系は自己資金がたくさんある人が挑戦すべきものですからやめた方がいいです。特にFXは、リスクが大きいので私はお勧めしていません。

アフィリエイトはお金になるまで数か月かかります。また本人の力量によるところが大きいので、諦める人も多いです。

プログラマーや動画編集は、実力のある人ならいいのですが、案件を受託するまで時間がかかりますし、作業に時間が取られるので、すべての人ができるわけではないと思います。

私がおすすめするのは物販です。なぜかというと、誰にでもできるビジネスだから。才能や能力は関係ありません。また、すぐにお金になるのも魅力です。初月から10万円台の売り上げが可能です。元手が少なくて済むのもいいです。クレジットカードを上手に使えば、支払いは1か月後。売り上げで仕入れ代金を支払うことができます。

現在はインターネットでものを買う人が増えていますから時流にも合っています。ただ、自己流だと行き詰まるので、ノウハウは学ぶべきでしょう。自己投資ではありますが、すぐに回収できます。物販の売り上げだけで卒サラも夢ではありません。

個人事業主・自営業者でも不動産投資はできるのか? 今は時代が変わってきている

ここまでたびたび、会社員が不動産投資においていかに有利かということを伝えてきました。なぜなら、圧倒的に融資を受けやすいからです。

では、個人事業主や自営業者はどうでしょうか。近年は働き方が多様になってきて、会社員を辞めてフリーランスとして働く人も増えています。そういった方は融資を受けられるのでしょうか。

結論を言うと、受けることができます。かつては会社員至上主義と言ってもいいほどでしたが、時代が変わってきています。「会社員よりも、事業感覚がある個人事業主や自営業者のほうがいい」と考える銀行が増えてきているのです。

会社員というのはどうしても他力本願なところがあり、自分の力で稼ぐという気持ちが弱い人が多いです。そういう人に投資するよりも、事業におけるカンがある個人事業主のほうがいいと金融機関側は判断するようです。最近は、銀行の融資に対する姿勢がバラバラになってきているのですね。

ただし、個人事業主や自営業者に積極的に融資しようという銀行の数は限られますので、その点だけは注意してください。

収入面で不安のある人は副業で稼ごう

個人事業主や自営業者の方は、収入面で不安のある人もいるかもしれません。ただ、銀行というのは収入で判断するわけではありません。物件を担保にして貸しますので、どんな物件なのかによっても融資の状況は変わってきます。

また、不動産業者の力量にも左右されます。銀行では、「信頼できる不動産業者であるA社さんが、優良物件に投資したいというBさんに融資してほしいと言う。ならば大丈夫だろう」という判断がされるのです。

自分で銀行と融資の交渉するのはまず不可能です。力のある不動産業者さんと取引するためには、人脈からの紹介を受ける必要があります。ですから私は強く、コミュニティやスクールに入ってくださいと言っているのです。

なお、個人事業主や自営業者の方は、決算には気を付けてください。節税対策でいろんな方法を試されている方も多いかもしれませんが、年収を上げた方が融資は出やすいです。一時的に収入はマイナスになるかもしれませんが、不動産投資を始めれば、それを補ってあまりあるリターンが期待できます。また、個人事業主や自営業者の方は時間の自由がききますから、副業も始めやすいですね。副業でしっかり稼いで確定申告をすれば、より融資が受けやすくなります。

どんな人でもやり方はあります。不動産投資を諦めないでいただきたいと思います。

「会社員」のためのお金の増やし方90
木村拓也(きむら・たくや)
株式会社NEXT代表取締役。一部上場企業でSEとして28年間勤務。41歳の頃に身体を壊したことをきっかけに、サラリーマンとしての収入だけに頼る人生に不安を覚え、不動産投資に興味を持つ。そこから独学でキムラ式不動産投資法を編み出し、サラリーマンを続けながら5億円の資産を構築。49歳の頃には不動産収入だけで年間1,000万円を突破し51歳で脱サラを果たす。現在は合計50棟保有の不動産投資仲間12名と国内最大規模の不動産コミュニティを運営。自身の経験を元に、不動産投資ノウハウや、脱サラするための方法などを発信し続ける。著書に『サラリーマンは今すぐ5,000万円借りなさい!』『サラリーマンは今すぐ5,000万円借りなさい!』(いずれも秀和システム)がある。

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