本記事は、宮本剛獅氏の著書『1%の超一流が実践している仕事のシン哲学』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています
プレゼンの場で、二流はムダな情報が多い 一流はミスがないように話す 超一流は同じ言葉を何度も繰り返す
簡単なキーワードを反復して相手の印象に残す
超一流のプレゼンは、語彙(ボキャブラリー)を絞り込んで、簡単な言葉を何度も繰り返すことが特徴です。
人は2行以上もあるような長いメッセージを覚えてくれません。言葉がシンプルなのは、多くの人にきちんと自分の意図を伝えて、理解してもらうためです。
プレゼンの目的は自分の考えを正確に相手に伝えることですから、それをシンプルなキーワードに凝縮して、何度も繰り返すことで目的を達成しているのです。
米国アップル社を牽引した故スティーブ・ジョブズが、2005年にスタンフォード大の卒業式で残した言葉「ステイ・ハングリー、ステイ・フーリッシュ」(ハングリーであれ。愚か者であれ)などが好例です。
政治家としての評価はともかく、米国トランプ前大統領の「アメリカ・ファースト」というメッセージの伝え方にも注目すべきものがあります。
世界情勢や経済についてゴチャゴチャと言わず、「アメリカ第一主義」の一語で多くの支持を集めたのは、超一流スタッフの手腕がいかんなく発揮された結果です。
トランプのスピーチはシンプルで短く、同じワードを何回も使うため、小学校の低学年でも理解できるわかりやすい内容でした。
強引な考え方であっても、その正当性を細々と説明するのではなく、自分の意図をシンプルなキーワードに託し、それを何度も繰り返して押し切っています。
現在のバイデン大統領のスピーチは理論的でバランスもいいのですが、何も印象に残りません。どのくらいのアメリカ国民が彼の政策を理解しているのか、疑問に思うくらいです。
「ソツがない」では相手の印象に残らない
超一流がシンプルなメッセージを繰り返し伝えるのに対して、一流は相手の理解度を判断しながら、ミスがないように、きっちりとしたプレゼンをします。
相手の意見もしっかりと聞いて理解しようとしますから、周囲に「仕事ができる人」という印象を与えますが、ソツがない分だけ面白みに欠けて、相手の心に残りません。ここが超一流との決定的な違いです。
二流のプレゼンは、自分の考えの正当性を認めさせるために、たくさんの情報を準備しますが、結果的に不必要な情報が多くなり、すっきりと自分の意図を相手に伝えることができません。
自分の考えをシンプルなキーワードに託して、何度も繰り返すことで相手に理解させる……というテクニックは、プレゼン成功の裏ワザといえます。
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