本記事は、宮本剛獅氏の著書『1%の超一流が実践している仕事のシン哲学』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています

プレゼンの場で、二流はムダな情報が多い 一流はミスがないように話す 超一流は同じ言葉を何度も繰り返す

プレゼン,講演,スピーチ,ビジネス
(画像=mapo/stock.adobe.com)

簡単なキーワードを反復して相手の印象に残す

超一流のプレゼンは、語彙(ボキャブラリー)を絞り込んで、簡単な言葉を何度も繰り返すことが特徴です。

人は2行以上もあるような長いメッセージを覚えてくれません。言葉がシンプルなのは、多くの人にきちんと自分の意図を伝えて、理解してもらうためです。

プレゼンの目的は自分の考えを正確に相手に伝えることですから、それをシンプルなキーワードに凝縮して、何度も繰り返すことで目的を達成しているのです。

米国アップル社を牽引した故スティーブ・ジョブズが、2005年にスタンフォード大の卒業式で残した言葉「ステイ・ハングリー、ステイ・フーリッシュ」(ハングリーであれ。愚か者であれ)などが好例です。

政治家としての評価はともかく、米国トランプ前大統領の「アメリカ・ファースト」というメッセージの伝え方にも注目すべきものがあります。

世界情勢や経済についてゴチャゴチャと言わず、「アメリカ第一主義」の一語で多くの支持を集めたのは、超一流スタッフの手腕がいかんなく発揮された結果です。

トランプのスピーチはシンプルで短く、同じワードを何回も使うため、小学校の低学年でも理解できるわかりやすい内容でした。

強引な考え方であっても、その正当性を細々と説明するのではなく、自分の意図をシンプルなキーワードに託し、それを何度も繰り返して押し切っています。

現在のバイデン大統領のスピーチは理論的でバランスもいいのですが、何も印象に残りません。どのくらいのアメリカ国民が彼の政策を理解しているのか、疑問に思うくらいです。

「ソツがない」では相手の印象に残らない

超一流がシンプルなメッセージを繰り返し伝えるのに対して、一流は相手の理解度を判断しながら、ミスがないように、きっちりとしたプレゼンをします。

相手の意見もしっかりと聞いて理解しようとしますから、周囲に「仕事ができる人」という印象を与えますが、ソツがない分だけ面白みに欠けて、相手の心に残りません。ここが超一流との決定的な違いです。

二流のプレゼンは、自分の考えの正当性を認めさせるために、たくさんの情報を準備しますが、結果的に不必要な情報が多くなり、すっきりと自分の意図を相手に伝えることができません。

自分の考えをシンプルなキーワードに託して、何度も繰り返すことで相手に理解させる……というテクニックは、プレゼン成功の裏ワザといえます。

1%の超一流が実践している仕事のシン哲学
宮本剛獅(みやもと・つよし)
25歳でプロテニスプレーヤーを引退後、外資系金融会社のモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスでセールスに従事。いずれもトップセールスとして活躍する。その後、企業の事業再生などに携わった後、独立。人材紹介業を中心とした株式会社人材コンサルティング&カンパニーを起ち上げ、1,000社以上のクライアント企業の採用コンサルティングや、1万人を超える求職者の転職サポートを行う。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)