しかし、ビジネスシーンになるとどうでしょうか。仕事は限られた時間の中での成果を求められます。本題と関係のない話を長々と相手に聞かせることは、時間泥棒になってしまう危険性があります。仮にその雑談自体がおもしろかったとしても、「関係のない話が多かった」と感じさせてしまえばアウトです。

ビジネスシーンでは、何を意識する?

ビジネスシーンの雑談では「仕事や本題への繋がり」を意識する必要があります。一流の雑談力を持つ人は、それを常に意識しています。具体的には雑談の前後に、必ず本題との繋がりや関連性を言葉にします。伏線を張って、その後しっかり回収するイメージです。

例えば、午後のミーティングがはじまる前に今日のランチでの出来事について話すとします。「ランチで食べたナポリタンが美味しかった」ということではありません。「ランチで行ったパスタ屋さんで私たちの仕事にも繋がるな~と思ったことがあってね。店員さんにおすすめを聞いたら、私の好みや今の気分を聞いてくれた上で、店員さんも大好きなナポリタンを自信満々にすすめてくれたんだよね。やっぱりサービスって、相手の求めていることを聞くことと、自分たちのサービスや商品を心から愛していることが大切だと改めて思ったよ」と、自分たちの仕事への繋がりを含めて話すのです。

本題と関係のない話をしないことも時には大切ですが、聞き手に「関係のない話」と感じさせない工夫も必要です。

POINT
雑談の前に、伏線を張ってしっかり回収する
=「また会いたい!」と言われる 一流の話し方
桑野麻衣
あなたの心に火をつける!人材育成・コミュニケーション教育者
1984年埼玉県生まれ。学習院大学卒業後、全日本空輸株式会社(ANA)に入社。グランドスタッフとして、7年間で100万人を超えるお客様サービスに携わる。最重要顧客DIAMOND会員専用カウンターのサービス責任者、教育訓練インストラクターを務める。ANA在籍中、オリエンタルランドに出向し、ディズニーのサービスや教育を学ぶ。その後ジャパネットたかたや再春館製薬所グループ企業にて教育研修を担当し、独立。現在では、コミュニケーション、リーダーシップ、接遇マナー等をテーマに新入社員から管理職、中学生から経営者、医療業界など幅広い層に向けて、企業研修や講演を行い、これまでの受講者は50000名を超える。
著書には『好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』『部下を元気にする、上司の話し方』『オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方』(以上、クロスメディア・パブリッシング)がある。『PRESIDENT』『AERA』『with』『MORE』『CLASSY.』『Oggi』『美人百花』などメディア出演も多数。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)