財務会計,管理会計,原価計算,コマツ

2種類の企業会計

企業会計は『財務会計』と『管理会計』の2種類で構成されている。【第1回】と【第2回】では財務諸表の基礎や損益計算書の利益について説明してきたが、これらは『財務会計』『管理会計』のいずれにも含まれる概念だ。

そこで【第1回】【第2回】で見てきた内容を踏まえた上で、今回解説する『管理会計』について理解を深めてほしい。

外向きの『財務会計』と内向きの『管理会計』

『財務管理』と『管理会計』の最大の違いは、『財務会計』が外向きであるのに対し、『管理会計』は内向きであるという点だ。『財務会計』はステークホルダー(利害関係者)と呼ばれる、株主、債権者、取引先等の企業外部の関係者に対し情報を提供するのが目的である。ゆえに、金融商品取引法(旧証券取引法)で企業会計の規則が制定され、情報の提供方法が決まっている。

一方、『管理会計』は企業内部の利害関係者に対し、その経営管理に役立つ情報を提供することが目的である。ゆえに、管理項目は企業ごとに異なり、経営において重視する指標が使われる。

『管理会計』と密接な関係にある『原価計算』