財務会計,管理会計,原価計算,コマツ

より深いレベルでの企業分析を行うための必須ツール、それが『会計』である。会計にも財務諸表を作成するための『財務会計』と、企業内部の意思決定のサポートを行うための『管理会計』がある。本稿では『財務会計』と『管理会計』の違いに焦点を当てながら、『管理会計』の特徴を紹介していく。


外向きの『財務会計』と内向きの『管理会計』

『財務管理』と『管理会計』の最大の違いは、『財務会計』が外向きであるのに対し、『管理会計』は内向きであるという点だ。『財務会計』はステークホルダー(利害関係者)と呼ばれる、株主、債権者、取引先等の企業外部の関係者に対し情報を提供するのが目的である。ゆえに、金融商品取引法(旧証券取引法)で企業会計の規則が制定され、情報の提供方法が決まっている。

一方、『管理会計』は企業内部の利害関係者に対し、その経営管理に役立つ情報を提供することが目的である。ゆえに、管理項目は企業ごとに異なり、経営において重視する指標が使われる。


『管理会計』と密接な関係にある『原価計算』

『管理会計』は、特に製造業において『原価計算』との密接な関連がある。これは何故だろうか?製造業において、製品の収益を明らかにすること、工場の操業度によって収益がどのように変化するかを知ることは、意思決定を行う上で重要である。このような情報を知るための方法が、『原価計算』である。『原価計算』によって、製品1単位当たりの生産量、価格を知ることができ、工場が収益を上げるために必要な操業度を知ることができる。

この情報によって、増産・減産の意思決定が可能にある。このように、『原価計算』によってものづくりと収益の関係が明らかになり、それによって精度の高い意思決定を行える。ゆえに、『管理会計』の目的である経営管理に役立つ情報を提供するためには、『原価計算』は必須のツールなのである。


IR情報から、その企業が重視している情報を紐解く

IR情報のうち、制度会計で決められている以外の情報。すなわち、貸借対対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書等の財務諸表以外の情報を見ることによって、その企業は何を意思決定に用いているかを紐解くことが可能である。本稿では、コマツ <6301> のIRサイトを例に意思決定指標を紹介する。

コマツのIRサイトでは、通常の財務指標に加え、需要・受注データとして主要建機需要伸び率が掲載されている。さらに、主要地域のわけ方が日本・北米・欧州・中国・東南アジア・オセアニア・中南米・CIS・中近東・アフリカと10地域でわけられており、他の企業よりわけ方が細かい。

この情報から示唆されるのが、需要の管理を行うことで、売上・生産の予測の役立てている点、地域ごとに需要の増減は大きく違うために、地域を細かく分けることで在庫増を避けている点、である。また、2014年10月31日に発表された2014年度第二四半期決算説明会資料を見ると、参考資料として平均受注額/平均出荷額の推移を鉱山機械、産業機械で出しており、景気変動の影響を受けやすい鉱山機械と産業機械について、受注と出荷のトレンドを見ることで、受注が上向きなのか受注が下向きなのかを見極め、意思決定に役立てていることが分かる。

これらの情報から、建機・鉱山機械の業界では需要の増減を正確につかみ、それを生産計画に役立てることが重要で、コマツはこれらの情報を重視して意思決定を行っていることがわかる。

(提供:ZUU online 編集部)

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