そもそもマイナンバーカードは必要なのか
マイナンバーカードには顔写真と番号情報が記録されたICチップが埋め込まれており、公的な身分証明書として利用できる。しかし身分証明書なら運転免許証があれば事足りるような気もする。わざわざマイナンバーカードを申請するメリットとは何なのだろうか。
国民にとってマイナンバー制度の一番のメリットは「行政手続きの簡素化」とされている。マイナンバーカードがあれば各種行政手続きのオンライン申請が可能になる。特に便利さを実感できるのが各種証明書のコンビニ発行だろう。サービス導入の実現や時期は自治体にもよるが、窓口に行かずとも全国のコンビニで住民票、戸籍抄本、印鑑証明などの各種証明書が発行できるのは魅力的である。
また、税金の電子申告もマイナンバーカードを利用することでスムーズになる。ただしこれは証明書を発行することがない人や確定申告が必要ではない会社員にとっては特にメリットには感じないかもしれない。そんな人はあわてて「マイナンバーカード」を申請しなくても問題はないだろう。銀行などのオンライン取引などのサービスも予定されているが、サービス開始はまだ先になる企業も多い。
マイナンバーカードの取得は義務でも強制でもない。政府としては利便性向上のために発行するものなので、できるだけ多くの国民に取得してほしいと考えているが、個人情報との連結やそれに伴うサービス向上はあくまで将来的な展望にすぎず、すぐに実現されることではない。先日、消費税増税時の軽減税率還付に「マイナンバーカード」を掲示するという財務省案も出されたが、反対意見が続出し、お蔵入りになりそうだ。当面は「通知カード」だけでも普段の生活において不自由することはないと言えるだろう。
セキュリティは大丈夫?
マイナンバカードの表面には氏名、住所、生年月日、性別が記され、顔写真が添えられる。12桁のマイナンバーは裏面に記されるが、重要な個人情報となるので、レンタルショップやスポーツクラブなどの入会時に掲示しても裏面のマイナンバーが提供されることはない。企業や店舗側がマイナンバーをコピーしたり書き写したりすることは禁止されている。
「マイナンバーカード」のICチップにはマイナンバーは記録されているが、税や年金、資産情報などのプライバシー性の高い情報は記録されていないので、ICチップが読み取られることによる個人情報流出リスクは低くなっている。
ただ、どんなセキュリティも万全とは言えない。2018年度からは銀行口座との紐付けが任意で始まる。将来的には資産情報、医療情報、戸籍などとの連結も予定されている。マイナンバーには重要な個人情報がどんどん蓄積されていくので「通知カード」でも「マイナンバーカード」でも、その管理には十分注意する必要がある。(ZUU online 編集部)
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