(写真=PIXTA)
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日本ではまだ上場が認められていないが、海外銘柄の取引は証券会社などを通じて数年前からからできるようになっているアクティブETFとはどのようなものか、そして実は日本の上場ETFを組み合わせればこれと同様の投資ができることをお話ししていきたい。

運用はアクティブとパッシブの2種類

東京証券取引所が扱う約200銘柄のETFはすべてインデックス型といわれるもので、これはパッシブ、すなわち受動型である。例えばTOPIXに連動するETFは、東証上場の全銘柄の値動きを指数化した株式インデックスと同じ値動きをする。つまり個別銘柄のウエイトを自分で決められない受け身の選択になる。

これに対し、組み込む銘柄やその割合を自己裁量で決めるのがアクティブ運用、つまり主体的な投資姿勢で市場平均を上回る成果を狙う。運用成績はファンドマネージャーや運用会社の能力に大きく依存するため、インデックス運用を下回るケースも珍しくないが、同様の投資信託より運用手数料が安いのがなによりの魅力だ。

このアクティブ運用がETFに取り入れられたのは米国でも2008年と比較的最近のことで、一躍注目を集めたのは2012年に米国の最大手債券運用会社ピムコが「トータル・リターンETF」を発売してからだ。これは債券の利回りと値上がり益を最大限に追求するアクティブ型で、市場インデックスを上回る実績を続け、運用手数料も安かったため、個人投資家が殺到してアクティブ型ETFが脚光を浴びるきっかけとなった。

アクティブ型ETFは12年に人気化

このように市民権を得たことで米国の同ETFの銘柄数は11年の40本足らずから、12年は50本を超え、直近では約120本あるとみられている。その投資対象も株式、債券から通貨、コモディティなどに広がっているが、米国の昨年末のETF銘柄数全体の約1600からみればまだ少数派かもしれない。

日本では12年8月に米大手運用会社ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが初のアクティブETF3本を国内投資家向けに発売した。いずれも株式や債券、不動産を含むマルチ資産を対象とし、米国に上場、年間手数料率は0.35~0.7%とインデックス型より若干高めだが、国内一般投信に比べれば低く抑えられている。

しかし、国内の一般投資家にとって海外に上場するアクティブETFへの投資は敷居が高い。その理由のひとつが時差で、日本で発注しても売買が実行されるのは現地の取引時間になるため、どうしても遅れがちになる。東証に上場されていればオンライン取引で機動的な売買ができる。

国内のETFでアクティブ運用

そこでお勧めしたいのが東証の上場ETFを活用するオリジナルのアクティブ運用だ。今やパッシブ投資だけで資産を増やすのは容易でない。潜在成長率が1%そこそこの日本で、株式市場全体、つまりTOPIXがそれを上回る上昇を続けるとは考えにくい。それよりもインバウンド需要や海外の成長を取り込める業種に絞った方が高いリターンを期待できる。

債券も同様だ。今回、日銀はマイナス金利を導入したが、そのかなり前から実質金利はすでにマイナスとなっており、債券に投資すると資金が目減りする状況が続いている。

日本以外の株式や債券、不動産投信(REIT)など、成長可能性の大きい市場に投資すれば、目先のブレはあっても中期的には資産価値の上昇が期待できる。最近では数千円から1万円台で買えるETFも増えており、ランニングコストの安い疑似的なアクティブETF投資が10万円単位でも行えるようになっている。

成長市場に絞ってアクティブ投資

では実際にどの資産に注目すべきか。アクティブ投資で勝つためには特定資産の値動きをある程度予測しなければならないが、それを全て当てるのは不可能。全体でプラスが勝るように設計するのが鉄則だ。

そのためにはまず景気サイクルを自分なりに把握することだ。景気が底打ちから反転する局面では、企業活動や消費が活発になり原材料・エネルギー需要が増えるから株式やコモディティ価格は上昇しやすくなる。一方、景気後退局面はその逆だ。

株式を例にとると、景気拡大局面では製造業や消費関連、不動産などが上がりやすく、後退局面では、食品・医薬品や公益事業などがマイナス影響を受けにくい。これには東証の業種別ETFを活用したい。

景気サイクルを把握してポジションを決める

また足元で大きく下がっている資産はよほどの構造的理由がない限り勇気を持って組み入れたい。代表例はこのところ歴史的安値が続く原油。最大輸入国である中国が減速したとはいえ、インドなど他の人口大国でも比較的高い経済成長が続けば、原油需要はやはり中期的に増えると考えられる。

このような形でアクティブ投資を考えれば成功の確率は高くなる。そのためには日頃のニュースや市場の動きに常に注意を払い、その都度銘柄を入れ替えるなどで独自の勝利の方程式を作っていただきたい。ETFならこのような対応も機動的にできるだろう。(上杉光、シニアアナリスト)

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