新型コロナウイルスの感染拡大を受け、業績が右肩下がりとなる企業が多い中、健闘しているセクターや銘柄もある。建機や電子、消費など代表的企業を見て、投資のチャンスを探ってみたい。

インフラ投資に注力

中国企業
(画像=Nickolay Vinokurov/Shutterstock.com)

中国政府は景気下支えのため積極的な財政政策を行う考えだ。20年4月17日に開催された中国共産党の中央政治局会議は、経済対策の拡充と内需の積極的拡大を決定。国内総生産(GDP)に対する財政赤字比率の拡大を容認し、従来型インフラと新型インフラへの投資増強などが強調された。

これに呼応する形で、財政部は20日、地方政府の専項債(特別債)について追加で1兆元(約15兆円)の前倒し発行枠設定を表明。同債券はいわゆるレベニュー債で、高速道路建設や都市再開発などのインフラ関連に使途が限定される。

現場を支える建機業界は好調が続く。3月のパワーショベル販売台数は前年同月比11.6%増の4万9408台となり、単月ベースでの過去最高を更新。市場シェア約26%で中国最大手の三一重工(600031)は需要増の恩恵を真っ先に受けそうだ。コンクリート機械やクレーン大手の中聯重科(01157)は「4~6月期の販売は力強く増加する」と期待を示す。

東洋証券様
(画像=東洋証券)

電子・IT業界では、ワイヤレスイヤホンの製造メーカーが好調だ。米アップルの「AirPods」を生産する歌爾(002241)は1~3月期で前年同期比44.7%増益。立訊精密工業(002475)も同期で最大60%の増益見通しだ。新型コロナ禍の中でも一定の販売を確保できたよう。ただ、欧米の需要が今後伸び悩めば業績の足かせになる可能性もあるため注意したい。

スポーツ用品大手の安踏体育用品(02020)は、1~3月期の販売が「安踏」ブランドは前年同期比20~25%減少、「FILA」ブランドは同数%減少し、20年上半期でも全体で2桁減となる見通しを示している。ただ、想定よりは減少幅が限定的と見られ、同社は通年でのプラス成長に自信を示す。株価は3月中旬以降から戻りを試す展開となっている。

旅行市場は回復の兆しを見せている。各種交通チケットや旅行商品を取り扱う同程藝龍控股(00780)によると、4月上旬の受注量は3月上旬比で500%超増加。江西省や浙江省の一部では週休2日を2.5日に延長し、外出を後押しして消費振興を図るところもある。中国では労働節の5連休(5/1~5)、端午節の3連休(6/25~27)に加え、夏の行楽シーズンも控える。人が密集する場所を訪れるのにはまだ抵抗感もあるが、潜在的な観光ニーズはあるようだ。

火鍋レストランをチェーン展開する海底撈国際(ハイディーラオ、06862)にも客が戻り始めている。上海市内の店舗では週末になると行列ができるほどで、“コロナ前”と同じような活況が見られる。同社は1月下旬から中国全店舗の営業を一時停止し、3月から徐々に再開してきた。業績への影響は否定できないものの、直近の賑わいを見る限り火鍋人気は根強いよう。今後の動向にも注目したい。

(上海駐在員事務所 奥山)

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