50

話題のNISAとライフプランの関係について、わかりやすくご説明したいと思っております。

NISA、少額投資非課税制度という言葉は、最近、テレビや新聞などで、見聞きする機会があるかと思います。NISAは、新たに時限的に実施される投資優遇税制制度です。イギリスのISAを手本としており、日本版ISAとも呼ばれています。

NISAは、1年間で100万円までの投資に対する譲渡益や配当金、分配金に対する税金が非課税となる制度です。今回は、50代でのNISAの活用方法についてご紹介します。50代のNISA口座の利用は、リタイア後を見据えた安定運用が基本です。

50代は、子供の独立などで資金にゆとりができる時期であり、最後に貯められる時期

50代は、子供が独立したり、住宅ローンを払い終えたりと、一般的に次第に生活費に余裕が出てくる年代です。50代は、現役世代から退職世代へ移行する前の時期であり、セミリタイア世代ともいわれています。年金収入のみとなるリタイア後に備えて、老後資金を貯められる最後の時期と認識し、余った生活費は浪費をせず貯蓄にまわしていきましょう。

2014年1月から実施されるNISAは、1年間で1人100万円までの投資に対する、譲渡益や配当、分配金に対する税金が5年間非課税となります。銀行か証券会社などの金融機関にNISA用の口座を1人1口座開設し、上場株式と公募株式投信に対する投資が対象となります。NISAの非課税メリットを、老後資金の形成に活用していきましょう。

リタイア後の資産運用を見据えて、投資経験を積んでおきましょう

リタイア後に、蓄積した資産を使って、初めて投資を行なうことは、大きなリスクを伴います。リタイア後に、投資に失敗して大幅に資産が減少した場合、取り戻すことは難しいですし、対処方法は限られてきます。しかし、何もせず定期預金だけに預けていたのでは、インフレに対抗できず、実質的な資産の目減りを生じる可能性があります。リタイア後は、インフレ対策としても、資産を運用する必要があります。

リタイア後に向けて、セミリタイア期と呼ばれる50代までに、投資経験を積んでおくことが望ましいです。50代で投資の経験がないのであれば、NISAの実施を、投資を始めるチャンスと捉えましょう。

毎月のゆとり部分の投信積立+手持ち資産で夫婦200万円の枠をフル活用

NISAの非課税投資枠は、1人1年間に100万円ですが、夫婦合わせれば200万円になります。教育費や住宅ローンの支払いの必要がなくなって生じる、毎月の生活費のゆとり部分は、投信積立で貯蓄していきましょう。
投信積立は、毎月定額を投じて、購入時点での基準価額で買い付けますので、購入できる口数は月によって異なり、分散投資の効果が得られる方法でもあります。手持ち資産の一部も残りの枠を使って、毎年NISA口座に移していくことで、年間夫婦200万円の枠をフル活用しましょう。
ただし、投資信託は元本保証ではありませんので、老後資金を全て投資することはリスクがあり、定期預金と併用して利用する必要があります。

投資信託バランス型で安定した運用を

セミリタイア世代である50代で、資産を大幅に失うことは、リタイア後の生活に支障をきたします。50代では、大きなリスクは避ける方が賢明であり、安定運用を心がけましょう。NISA口座は、一般口座や特定口座とは損益通算されませんので、損失を出した場合は税務上不利になります。また、売却した分の投資枠は再利用できませんので、長期投資用に向いています。
資金にゆとりがある場合でも、NISA口座は安定運用目的として、活用しましょう。

そこでですが、50代では、NISA口座では、投資信託バランス型を購入するのがお勧めです。バランス型は、国内株や外国株、国内債券や外国債権、J-REITや外国REITなどを組み合わせて、分散投資されており、リスクの比較的小さい金融商品です。また、積立投信であれば前述の通り購入時期も分散されます。
自分で投資信託を組み合わせて購入し、分散投資した場合には、市場の状況によって資産配分が変わっていくと、買い増しや売却によって、リバランスといわれる資産の配分調整を行なう必要があります。しかし、売却した分の非課税枠は再利用できません。バランス型は、リバランスをプロが行なうので、手間もかからず、長期保有し続けやすい商品です。NISAの非課税枠を有効に活用することができます。

投資信託は、運用状況によって分配金が支払われますが、毎月分配型では、分配金を再投資すると、NISAの枠を消化してしまいます。50代は分配金を受け取っても、投資に回したい時期ですので、分配金を出さない資産成長型を選びましょう。

安定運用で資産を形成し、豊かな老後を送るための礎を

セミリタイア期までに、リタイア期に運用するための資産を形成しておくことが、豊かな老後を送るための礎となります。50代では、冒険した投資で資産を失うリスクは抑えて、安定運用を心がけることが大切です。NISAの非課税メリットを利用し、堅実に老後資金を増やすことを目標としていきましょう。