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今回は、NISAを活用した配当利回りに注目した銘柄の選び方についてお話します。

NISA口座でなくとも、高配当銘柄投資は人気がある投資法のひとつです。実際に、「長期投資」で「高配当銘柄」に投資している方もいるのではないでしょうか。しかし、NISA口座での投資に向いている高配当銘柄は案外少ないのです。
高配当であっても、株価の下落で配当分がなくなってしまっては意味がありません。ひと昔前のように、電力株を買っておけばいいというわけにもいきませんから、銘柄の選び方には充分に注意しなくてはいけません。

どのような点に注意すればいいのか、まとめてみました。


NISA(ニーサ/日本版ISA)でも配当利回りランキングの賢い使い方!

NISAでの高配当銘柄投資について、雑誌やサイトなどで、ランキング形式で特集が組まれているのをよく目にします。一覧でまとめられているので、高配当銘柄がすぐにわかります。
ただ、これを鵜呑みにしてしまう前に、「配当率の計算方法をしっかりと確認しておく」ようにしてください。
「配当に注目する」投資家の中には、「株主優待も重視している」投資家が少なくありません。そのため、記事によっては、株主優待を含めて配当率を算出している場合もあるのです。

「ランキング上位だったので買ったものの、配当金が少なく、大半が株主優待だった」というのではNISA口座で投資するメリットはありません。当然ですが、株主優待には税金がかかってきませんから、NISAで非課税となるのは、配当金にかかってくる税金分だけです。これでは、NISA以外で投資するのとあまり大差ないということになってしまいます。

次に注意すべき点は、配当利回りが「いつの株価をもとに計算されているか」です。特に雑誌の特集などでは、配当率算出の基準日と雑誌発売日とのタイムラグが大きくなります。Yahoo!ファイナンスなどで、直近株価に対しての利回りを確認しておくようにしましょう。

最後に、一番大切なことがあります。
ランキングに出ている配当利回りは、直近の配当実績を元にしたものであることです。次回の配当についての利回りではありませんから、たとえ高配当銘柄であっても、業績の変動によっては減配や無配となることもあります。
最新の業績発表や業界動向を見て、今後の配当がどうなるのかをしっかりと判断するようにしましょう。


株価下落で配当利回りが上昇した銘柄とNISA(ニーサ/日本版ISA)の相性

株価が下落した場合、配当が変わらないのであれば利回りは上昇します。ということは、株価が下落したときに買うことができれば、キャピタルゲインでも配当利回りでもメリットがあるということになります。

とはいっても、株価が下落するのには当然理由があります。会社の先行きが不安になってしまうような材料で株価が下落したのであれば、株価や配当にも期待ができないかもしれません。
逆に、たいした材料ではないのに市場が過剰反応してしまって安値になってしまった場合はチャンスです。

次に、業績は好調であるにもかかわらず、市場全体の雰囲気に押されて下落してしまった場合はどうでしょうか。その場合は、時間が経てば見直し買いが入りやすい銘柄だと言えるので、相対的に良い値動きをするでしょう。

NISAでは値下がりは避けたいため、購入前の確認が重要になります。


記念配当で利回りが高い銘柄の賢い活用法

企業が節目の年を迎えたときに、株主へ記念配当される場合があります。通常の配当が5円のところを10円というようにかなり大きな配当額になることもあるので、普段よりも配当利回りがとてもよくなる傾向にあります。
配当利回りも非課税になるNISAには嬉しいですね。

配当利回りランキングで上位に入っていた理由が記念配当によるものだった銘柄は、その後しばらく記念配当はないでしょう。通常の配当ベースで利回りがどれくらいになるのかを計算して、納得のいく利回りかどうかを確認するようにしましょう。

実は、記念配当を実施する上場企業はあまりありません。記念配当で資産を社外に流出させることよりも、拡大再生産に充てて、株価の上昇で株主へ還元しようと考える経営陣の方が多いからです。
しかし、記念配当を何度も行っている企業も少しはあります。これを逆手にとって、「そろそろ記念配当がありそうな企業」を先回り買いしておくというのも、ひとつの作戦かもしれませんね。


配当利回りに注目するなら優良企業で賢い資産運用を

ここまで高配当銘柄を選ぶにあたってのポイントを説明してきましたが、これらを総合すると、どのような銘柄がNISAでの高配当銘柄投資に向いているのでしょうか。

私の意見としては、大型株で業績が安定している優良企業が良いのではないかと思います。
トップクラスの高配当銘柄ではありませんが、突然の無配や赤字転落、倒産といったリスクが少ないからです。また、アベノミクスによるインフレ目標が現実のものとなった場合、それが最も株価に反映されるのも大型株だと予想でき、配当だけでなくキャピタルゲインも狙うことができるかもしれません。

配当利回りだけに注目すれば、NISAでの節税効果は数万円がいいところです。しかし、将来のインフレリスクにも対応するという意味で長期投資をするのであれば、優良企業での高配当銘柄投資はなかなかのメリットがあるのではないでしょうか。