最近よく「○○Tech(テック)」という言葉を耳にする。「テック」というのは「技術」を意味する英語の「Technology」の省略形で、これを様々な分野と組み合わせている。

すでに一般的な呼び名として通用しているものもあれば、まだまだ一部の企業や業界でのみ通用するものもある。そこでここでは、比較的よく使われている「○○テック」を、ABC順に挙げてみることにした。

テクノロジー,テック
(写真=PIXTA)

AdTech(アドテック)
――Advertisement(広告)× Technology(技術)

広告とIT技術の融合によって、ターゲットを絞った公告配信や、広告の印象を向上させるなど、広告の効果を最大化することを目指す領域だ。また、配信された広告の世代別・地域別効果測定など、ユーザーからのフィードバックを即座に得られることも、メリットのひとつだ。

AgriTech(アグリテック)
――Agriculture(農業)× Technology(技術)

農業・酪農・畜産、農業資材や機器、土壌・肥料などの農業関連分野に、ITテクノロジーを融合させたビジネス領域だ。現時点における問題解決や作業効率化だけではなく、将来予測される、人口増加がもたらす食糧不足、高齢化に伴う労働力不足、気候変動などの問題解決にも活躍が期待されている。

DeadTech(デッド・テック)
――Dead technology

もはや時代の主流になることは考えられない、廃工場に放置されているような機械設備の形態を表現方法に取り入れた彫刻や、単葉機のイメージを形どった建築などに見られる、現代の芸術・建築における表現の一傾向を指している。

EdTech(エドテック)
――Education(教育)× Technology(技術)

インターネットやICT技術の活用により、低コストで高品質の教育を提供しようという試みで、世界中に広がっている大規模な無料オンライン講座である「MOOC」などは、その代表として挙げられる。また、最新のEdTechツールの中には、宇宙遊泳を体感したり、カエルの心臓を摘出したり、もしくは車のエンジンを組み立てたりなどといった、VR(仮想現実)を体験できるものも登場している。

FashionTech
――(ファッションテック)Fashion(ファッション)× Technology(技術)

雑誌の電子化や生産機器の改善、ネット販売など、アナログ産業だったファッション業界にIT技術を導入するという領域だ。鏡やカメラの前に立つと自分の姿に洋服が重なって見えるサービスや、オーダーメイドにIT技術を取り入れることによって、スピーディーな顧客対応が可能となるサービスなどが開発されている。

FinTech(フィンテック)
――Finance(金融)× Technology(技術)

IT技術を駆使して、新たな金融サービスや付加価値を生み出していくビジネス領域だ。金融全般のほか、「決済」「融資」「投資」「財務」「サイバーセキュリティ」「暗号技術」などの領域に特化した、多様なサービスが相次いで開発されている。

FoodTech(フードテック)
――Food(食)×Technology(技術)

食料の生産・加工をはじめ、グルメ情報・レシピ情報の提供や、デリバリーのように食品メーカーの業務を支援するサービスなど、食に関わる全過程にIT技術を融合させる領域だ。新たにFoodTechに参入するスタートアップ企業も続出しており、毎年多くのサービスが新たに生み出されている。

GovTech(ガブテック)
――Government(政府)× Technology(技術)

公的分野における業務内容とIT技術が融合したサービス領域で、実例としては、政治活動の支援や、ネット選挙の実施、国立図書館における書籍の保存・管理などにテクノロジーが取り入れられている。

HealthTech(ヘルステック)
――Health(健康)× Technology(技術)

スマートフォンなどのウェアラブル端末の普及に伴い、患者と医師を繋ぐアプリが開発されたり、スマートフォンで心拍の様子を確認することができるようになるなど、健康管理や美容にIT技術を融合させる事例も増えてきている。

InsTech(インステック)
――Insurance(保険)× Technology(技術)

保険分野におけるIT技術の活用領域を、FinTechと同様の概念としてInsTechと呼んでいる。第一生命 <8750> の造語だ。

LegalTech(リーガルテック)
――Legal(法的)× Technology(技術)

法律に関する分野とIT技術が融合したサービスの領域で、企業関係者が事務作業の効率化に利用する一方で、弁護士などの法律家にとっては顧客に対するサービス提供の手段となる。法律家の紹介サイトや、チャットを利用した法律相談といった簡易なものから、社内データの精査に人工知能を活用し、訴訟に使う証拠を見付け出すといった高度なものまである。

ManuTech(マニュテック)
――Manufacturing(製造)× Technology(技術)

製造分野とIT技術の融合はこれまでにも多くの例が見られるが、昨今のIT技術の進歩によって、新たなシステム工程の開発やコスト削減など、より一層の効率化が求められているビジネス領域だ。

MedTech(メドテック)
――Medical(医療)× Technology(技術)

最先端のIT技術を医療に応用、医療に関する技術・設備などの向上と、プロセスの効率化を目指すサービス領域だ。特に日本では、高齢化社会における介護や福祉などの分野において、患者と実務者の双方に役立つようなMedTechが注目されている。

Real estate Tech(リアルエステートテック)
――Real estate(不動産)× Technology(技術)

不動産業界とIT技術の融合により、低コストで迅速な顧客対応、新しい付加価値の創出、利便性の向上などを可能にしようというビジネス領域だ。デジタル化の遅れが目立つ不動産業界だが、人口知能などのIT技術の活用が、これまで仲介業者などに頼ってきた部分のデータ化を進め、不動産投資家向けのサービスや物件検索サービス、さらには不動産業者の業務効率化を支援するサービスなどが生み出されている。

TransTech(トランステック)
――Transportation(運搬)× Technology(技術)

物流全般に関する分野とIT技術が融合したサービスの領域だ。トラックやバイク、船舶を利用した輸出入をはじめ、倉庫による保管業務、冷蔵・冷凍商品の取り扱いなど、物流業界は膨大なデータ処理と物理的作業を必要としており、業務効率化にはIT技術が欠かせない。(ZUU online 編集部)

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