金融も文化も社会制度も「文明」という大きな波動の中で考えていくのがテーマです。目下、「外国為替相場の波動理論」を研究中です。
為替相場のチャートの基本はローソク足です。ローソク足は日本人の発明です。
江戸時代に発案され、大阪・堂島の米取引で使われていたそうです。今では世界中で使われています。株取引などでも使われています。
昔は手書きで相場師が描いていたのでしょうけど、今日ではFXを業者のサイトやアプリケーションで、ローソク足チャートをリアルタイムで見ることができます。
ローソク足チャートとは
ローソク足とは、日ごと(日足)、週ごと(週足)、あるいは1分ごと(1分足)など、一定の時間の間の相場の高低と値動きをローソクのような棒を並べたグラフで示したものです。始値と終値、高値と安値、値上がりか値下がりかの値動きを1本づつ示す、というなかなかのすぐれものです。始値よりも終値が高い値上がりした場合は「陽線」。逆に値下がりした場合は「陰線」と呼びます。始値と終値の間がローソク本体のような太い線で、これを「実体線」と呼びます。上下にはその間の高値と安値が、文字通り「ヒゲ」のように描かれています。これからの文章はチャートの動きを実際に見ないと理解できないので、FX業者のデモ取引画面か、口座をつくってログインしてチャートを眺めながら読んで下さい。
実体線の長さに注目
実体線の長さは、一定期間の間の相場の動きを示しています。つまり相場の値の変化の速度のようなもので、相場の勢いを示しています。
長い陽線ほど、相場が急激に伸びた、長い陰線ほど、相場が急激に下落した、ということを示しています。
極端に長い陽線が数本続くと、その後に大暴落が始まるケースがあります。これはかなり極端なケースですが、経済指標の発表の後などで起こります。通常、短い陽線を中心に、時には短い陰線をはさみながら、順調に上昇トレンドを形成し、相場の天井付近では陽線が短くなって陰線と交互に現れてもみあい状態になって、下落トレンドに入っていきます。大陰線が続いて相場が急落した場合は、静かに上昇トレンドに入っていくケースが多いようです。相場は上がりきったら下がる、下がりきったら上がる、ということを繰り返しているので、過去に遡ってみると、チャートのパターンがなんとなくつかめると思います。しかし、どこまで上がるか、どこまで下がるかは、なかなか予測できないものです。そこで参考になるのが、次の「ヒゲの長さ」です。
ヒゲの長さも大切
ヒゲは、始値と終値の間に上下したけれども、押し戻された値の部分を示しています。つまり「抵抗域」なのです。2つの陽線が同じ上ヒゲの長さで並んでいたら、それは上値の抵抗線を示しています。その後値下がりして再度上昇しながらこの抵抗線を突き破る動きがあれば、さらに上値を行く可能性もあります。逆に、2つの陰線が、同じ下ヒゲの長さで並んでいたら、下値の抵抗線です。上昇して下落しても、この線で止まって再び上昇します。抵抗線の組が同じ高さでいくつか並んだもみ合いのボックス相場では、この抵抗線を突き破る時が、新たな動きの始まりです。
ローソク足の形と愛称
ヒゲがない、実体線がない、下の抵抗線だけがない、上の抵抗線だけがない、などというローソク足の形状は、「丸坊主」「トンボ」などの愛称がつけられていて、そうした愛称は相場の動きを表現するものとされています。たとえば「トンボ」は、それ自体が1本の抵抗線なので、相場の転換点を示すものとされています。しかし、いつもそうなるとは限らないのです。
ローソク足からトレンドを読む
ローソク足チャートから、いつも相場を正確に読めるとは限りません。特に分足チャートで短い陽線や陰線がぐちゃぐちゃしてわけがわからないときは、様子見したほうがいいでしょう。はっきりとトレンドが読めるのは、ローソクが綺麗に斜めに上昇あるいは下降しているときです。下ヒゲあるいは底値をつなぐ線を引けば、上昇ラインあるいは下降ラインがはっきりとわかります。こんな場合はチャンスです。買い、あるいは売りのポジションに素早く入りましょう。その後、相場の転換点に入ってから、売り、あるいは買い戻して利益を確保すればいいのです。これが一番素直なポジションづくりと取引です。
ローソク足からトレンドの転換を読む
転換点は、ローソク足の動きで確認できます。上昇トレンドの終わりは、陽線がだんだん短くなって陰線が現れだして、その後陰線が続いていき下降トレンドに入ります。
しかし、その後、すぐに上昇トレンドに入る場合もあります。逆に下降トレンドの終焉では陽線が現れだして、短い陽線が徐々に長くなって、きれいな上昇トレンドに入ります。しかしこれも、確実なものではなく、すぐに下降トレンドに戻ってしまうこともあります。1分足、10分足、日足などを見比べながら、全体の「相場観」を形成することが必要です。
まとめ
「相場観」と書きましたが、要するに相場がどのように動いているか、自分なりのビジョンを持って戦略を立てて買う、あるいは売る、などのポジションづくりや決済を行う、ということです。
ローソク足チャートは「相場観」を形成するために不可欠で基本的なツールです。
移動平均線と組み合わせれば、より明確な相場観を形成することができます。