(本記事は、本田直之・松尾大の著書『人生を変えるサウナ術』KADOKAWAの中から一部を抜粋・編集しています)
「サウナ→水風呂→外気浴」でワンセット
ちなみにサウナ室内では上に行けば行くほど室温が高く、床に近い方が低い。
従って、まだサウナにあまり慣れていないという方は、下の方の段から入り始めるのが良いだろう。「まだサウナを出るほどではないけど、ちょっと苦しくなってきたな」と思ったら下段に座ることで熱を緩和することもできるし、時短したければ上段で一気に温まる、という使い方もできる。
また、サウナ室内の場所によっても温度は異なる。サウナストーブの近くと壁際は蒸気が対流するため体感温度が高くなり、逆に真ん中のあたりは少しだけマイルドな感じになる。慣れてくると、サーモグラフィのようにだいたいどのあたりがどのくらいの温度かがわかるようになってくるのだが、最初のうちは少しずつ移動しながら最も快適なポジションを探してみよう。
自分のペースを保つには、適度な水分補給も欠かせない。
汗をかいた分水分は失われるので、水分を摂らないまま無理してサウナに入っていると脱水症状になってしまうこともある。ペットボトルの持ち込みが可能な場合は持ち込んで水を飲みながら、そうでない場合は休憩のタイミングで、こまめに水分を摂ることを心がけよう。
サウナ室内のテレビにも少し注意が必要だ。
退屈しのぎにはもってこいなのだが「答えはCMの後で」などと言われると、熱くてもついつい我慢してその先まで観てしまったりする。しかしながら、サウナを「大事だけれど普段後回しにしがちなことを考える場」「外界の情報をシャットアウトする空間」ととらえると、テレビが雑念そのものになることもある。何か考え事に集中したいときやひとりになりたいときは、テレビのないサウナを選ぶと良いだろう。
はじめてのロウリュ
ロウリュのできるサウナはまだ多くはないのだが、一度はこのサウナの魂・ロウリュというものを経験してほしいと思う(都内にも何箇所かロウリュのできるサウナはあり、そのうちのいくつかは巻末のサウナリストにピックアップさせて頂いた)。
「ロウリュ」とは、ストーブで熱せられたサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させることを指す。ロウリュを行うと一気に室内の湿度があがり、体感温度も高くなる。
やり方としては、ストーブの近くにバケツに入った水と柄杓が置いてあるので、そこから水をすくって石にかけるだけである。シンプルだ。
ただし、公共のサウナ施設で室内に他のお客さんがいる場合には、「ロウリュして良いですか?」と一言断るのが無難だろう。
また、注意点としては、一気に水をかけすぎると急激に湿度があがって熱く感じてしまうこと、ストーブの真上に顔を出していると、立ち上る蒸気でやけどをする危険性があることだ。かけたそばから水が蒸発していくサウナストーンは、いくら眺めていても飽きないが、うっかり覗き込まないように注意しよう。
ちなみにフィンランドでは、みんなロウリュに慣れていて上手いので、かなり遠くの方からバシャッと投げるように水をかける。 しかし投げてロウリュできるようになるにはかなりの修業が必要だし、そもそも蒸気を発生させることが目的なので、はじめのうちは静かに少しずつ水をかけてロウリュし、「じゅーっ」というあの心癒される音を楽しんでほしい。
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