(本記事は、宮嵜 太郎氏の著書『元手10万円で100億円の売上をつくった事業のコピペ術――フランチャイズ本部のつくり方』クロスメディア・パブリッシングの中から一部を抜粋・編集しています)

オーナー
(画像=PIXTA)

加盟店オーナーを社内で募集する

加盟店を増やすにはまず、加盟店オーナーを集めなければいけません。 

加盟店オーナーを募る一般的な方法としては、「一般公募」「中小企業などの新規事業を対象とした公募」「社内独立制度」の3つが挙げられます。

それぞれ見ていきましょう。

①一般公募

一般公募では、広告や自社サイトなどでオーナー募集を告知します。そのメリットは、広く募集をかけられるという点です。

しかしほとんどの場合、期待するほど多くの人は集まらないでしょう。そもそも加盟店オーナーになろうという人は、絶対数が多くありません。

応募があったとしても、経験、年齢などはさまざまで、どんな人が応募してくるのか予想ができません。「誰でも黒字にできる」という条件のもとマニュアルやノウハウを共有するといっても、ビジネスを理解してくれるか、決められたことを守ってくれる人かどうかは、見極める必要があります。

また、オーナー説明会を開いたり、応募者との面談をしたりと、時間も要します。

②中小企業などの新規事業を対象とした公募

オーナーに多額(1千万円以上)の自己資金が必要になってくると、個人の方は簡単には参入できません。そのため、中小企業などの新規事業を対象としてオーナーを集めるフランチャイズ本部もあります。

本書は、本部もオーナーも「小さく始める」ことを推奨しているので、詳細は割愛しますが、ビジネスによっては既存の中小企業に参加してもらう選択肢もあるということを覚えておいてください。

③社内独立制度

私が推奨するのは、社内独立制度による社員の独立です。特に加盟店オーナー1期生は、元社員になってもらうのがいいと思います。初対面となる一般公募のオーナーと違い、お互いのことが分かっている者同士なので、いろいろなことを試せます。

契約から商品の仕入れ、売り上げの管理まで、元社員と一つずつ確認をしながら、フランチャイズ本部の試運転をしましょう。

また、独立支援制度という社員の出口を設けておくことは、社員のモチベーションにもつながり、優秀な人材の流出を防ぐというメリットもあります。

契約時に契約書を確認し合う

面談を通して、「この人に加盟店オーナーになってもらいたい」という人が見つかったら、いよいよ契約です。

この時に、弁護士につくってもらったフランチャイズ契約書にサインをしてもらうだけではいけません。契約書に書かれている内容を一つひとつ、丁寧に確認し合うようにしましょう。

この後にも話しますが、フランチャイズ本部運営で起こるトラブルのほぼすべてが、オーナーとのトラブルです。「こんな話は聞いていなかった」とならないように、丁寧に説明するようにしてください。

これから長い付き合いとなるオーナーとの大事なスタートです。本部側は何人目、何十人目となるフランチャイズ契約だったとしても、これが起業となるオーナーからすれば初めてのフランチャイズ契約です。オーナーが感じた不明点についても、しっかりと答えましょう。

契約書を定期的に確認し合う

フランチャイズ本部運営のトラブルは、オーナーとのトラブル。これは先ほども話した通りですが、一番のトラブル対策は、トラブルを起こさないようにすることです。フランチャイズ本部は、トラブルの予防に全力を注いでください。

そのためには、弁護士の先生としっかりと話し合い、さまざまなトラブルに対応した契約書をつくってもらうことが大切ですが、契約書があるだけでトラブルを防ぐことはできません。大事なのは、オーナーに契約書の内容を常に意識してもらうことです。

といっても、「契約書にこう書いてありますから守ってください」と上から言うのはNGです。本部と加盟店は対等な立場です。良好な人間関係を築くためにも、「契約書の内容を守れ」と言うのではなく、定期的に内容を確認し合うようにしてください。契約書の内容は、時間が経つと忘れてしまうので、半年ごとには確認しましょう。

トラブルが発生してから契約書を出すと、人間関係がこじれてしまい、修復が困難となります。だからこそ、日頃の確認が重要なのです。

元手10万円で100億円の売上をつくった事業のコピペ術
宮嵜 太郎(みやざき たろう)
V&Mパートナーズ株式会社代表。株式会社豆吉郎(現・西日本新聞社グループ)の創業者。1980年福岡県生まれ。2005年食品の移動販売会社「豆吉郎」を創業。西日本を中心に、フランチャイズモデルにて25営業所、移動販売車両125台を展開。全国最大の移動販売組織を構築、運営。2017年西日本新聞社に全株式を売却。2018年東京都内のベンチャーキャピタルに参画。2019年V&Mパートナーズ株式会社設立。次代の経営者育成に取り組む。

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