(本記事は、横山 光昭の著書『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』クロスメディア・パブリッシングの中から一部を抜粋・編集しています)

「浪費」はお小遣いから現金で支払う

キャッシュレス
(画像=PIXTA)

聖書には、「人はパンのみにて生くるにあらず」という言葉があります。

私たちは物質的な満足を求めるだけで幸せになれない、という教えです。この言葉は、お金の使い方にも当てはまると思っています。

家計相談を受けているとギリギリまで切り詰めた節約生活をしながら、お金を貯めている人に出会います。正直、家計管理はしっかりしていてアドバイスすべき点もほとんどありません。

ただ、そういった切り詰めた家計の家計簿を見て思うのは、「通帳の残高は増えるかもしれないけど、幸せを感じられるのかな?」「いずれ節約を続けられないときがきてリバウンドするのでは?」ということです。

お金が貯まるとしても、充実した毎日を送り、将来に夢が持てなければ、今ここの暮らしが灰色になってしまいます。

節約生活が行き過ぎているのでは?と感じたとき、私は家族全員のお小遣いの大切さを伝えるようにしています。

夫、妻、子どもたち。それぞれが自分の権限で自由に使えるお小遣いを手にすること。息抜きがなければ、節約を続けることは難しいでしょう。

そんなふうに伝えると、「節約中の家計にお小遣いなど必要ないのでは?」と聞き返されることもあります。でも、それは大間違い。むしろ節約中の家計だからこそ、お小遣いが必要なのです。

小遣いの額は、世帯収入の7~10%程度が妥当

若いお客様,取引
(画像=Chonlatee Mew Sangsawang/Shutterstock.com)

「自由に使うお金=浪費」と捉えるなら、最初に「お小遣い」という枠を作ることで際限なく浪費が増えることを防ぐことができます。

毎月、お小遣いの枠内のお金は自由に使えると決めたら、それをどう使うかは気にしなくてもかまいません。なぜなら、その方が精神的な余裕を持つことができ、家計管理をがんばりたい気持ちを持てるからです。

ただし、お小遣いの金額は慎重に決める必要があります。家計の大きな負担となっては意味がありません。金額はいくらくらいが適当なのでしょうか。

家計相談のデータをまとめた結果、1つの目安として家族全体で世帯収入の7%から10%程度が適切な水準だと感じています。

そして、「与えられたお小遣いの範囲で各自がやりくりの努力をし、足りなくなっても一切補てんしない」というルールを決めましょう。

その点では、お小遣いは現金に限ります。キャッシュレス決済だと、足りなかったら使ってしまう恐れが高いからです。

使いたいときに使える自由な自分のお金があるからこそ、逆に浪費が増えず、お金が貯まる家計につながっていくのです。

「小遣いなし」は逆効果。浪費も大切。 ただし、キャッシュレス決済は禁物

キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術
横山 光昭(よこやま・みつあき)

株式会社マイエフピー代表、家計再生コンサルタント。
お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の問題の抜本的解決、確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。
これまでの相談件数は2万3000件を突破。各種メディアへの執筆講演も多数。
著書は60万部突破の『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は120冊、累計330万部となる。
個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。

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