(本記事は、横山 光昭の著書『キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術』クロスメディア・パブリッシングの中から一部を抜粋・編集しています)

お金が貯まるリズムをつくる

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(画像=Khongtham/Shutterstock.com)

お金が貯まる人になるには、「お金が貯まるリズム」をつくることが重要です。

あなたは、「人的資本」と「金融資本」という言葉を聞いたことがありますか?

人的資本とは、あなたが将来に向かって稼ぐ力の総和です。簡単に言うと、若い人は長く元気に働ける可能性が高いので、人的資本を豊富に持っていると言えます。

一方、金融資本は稼いだお金を貯めた金融資産(貯金や金融商品)です。親の財産を受け継いだなど、特別なケースを除いて若い人は金融資産をほとんど持っていません。しかし、人的資本があるからカバーすることができるわけです。

ところが、人的資本は年齢を重ね、50代、60代になってくるとじわじわ減っていきます。そのとき重要になってくるのが、金融資本です。人的資本が豊かなうちに、いかに貯め、殖やしておくか。でも、これはあなたが思うほど、難題ではありません。

なぜなら、若いうちから「お金の貯まる家計」に取り組んでいけば、「時間」があなたの味方になってくれるからです。

人的資本の豊かな20代、30代、40代のうちに打つべき手をきちんと打っておけば、自然と金融資産は膨らんでいきます。

「時間を味方につけるという意識を持つこと。これもまたお金を貯めるリズムの1つ。将来に向けた資産を作る上で、最高のプラス要素です。

お金を貯めやすい時期と貯めにくい時期がある

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(画像=alphaspirit/Shutterstock.com)

「老後2000万円問題」は多くの人にリアルな将来を想像させました。今や人生は100年時代といわれています。しかし、統計データを見ると100歳前後で元気に暮らしている人はたったの2割程度です

多くの人は何らかの治療や介護を受け、医療面でお金が必要な生活を送っています。

そんな老後の収入となる年金は、受給開始年齢が徐々に引き上げられ、私を含めた50歳以下の人たちは、65歳にならないともらえないことになっています。

そして、年金だけでは生活費を賄うことができないのは、周知の事実。「アリとキリギリス」の童話が伝えるように、気づいたときからお金を貯める習慣を作ること。人的資本の減少を見越して、金融資本を積み上げていくことが、長い人生を豊かに生きるために不可欠なのです。

では、具体的に毎月いくらくらい貯金するといいのでしょうか。私は、毎月の手取り収入の6分の1を目安にしてほしいとアドバイスしています。

例えば、手取り額が25万円の人は、毎月約4万円を貯金にまわすということです。継続すると3年で手取り年収の約半分、144万円が貯まります。

ただ、この数値はあくまで目安です。20代、30代の独身時代、しかも実家暮らしであれば、毎月の収入の2割、3割を貯金にまわすことを目指してもらいたいですし、配偶者や子どもがいて、教育費がかかる時期は割でもまわせれば上出来です。

お金を貯めるリズムという意味でいうと、人生には「貯めどき」があります。

・独身時代
・結婚後、子どもが生まれる前
・子どもが独立した後

この3つの時期が大きな貯めどきです。逆に貯めるのが難しい時期もあります。

・子どもが生まれたばかりの時期
・子どもが高校生、大学生となり、教育費がかかる時期
・急なケガや病気で入院せざるを得なくなってしまったとき、失業したとき

こういう時期にはムリをせず、「やむを得ない」と割り切ってそのときにできる最低額だけでも貯めていくことです。

お金を貯められる人が実践している、最も効率的で基本的な貯まるリズムは、給料が入ったときに強制的に貯金をしてしまう、いわゆる「先取り貯蓄」です。

なかでも一番手っ取り早いのは、社内預金や財形貯蓄で給料天引きを使うこと。もし社内になければ、天引き貯金のように自動的に貯金してくれる銀行の自動積立定期預金を利用するのがよいでしょう。

窓口での手続きが大変であれば、今は24時間いつでも利用できるネット銀行が便利です。毎月1000円程度から自動積立貯蓄ができ、窓口のある銀行よりも金利が少し高めというメリットもあります。

また、銀行によっては、他行口座のお金を、その銀行の自動積立定期預金に入金するというサービスもあります。給与口座と自動積立定期預金の口座が別でも「先取り貯蓄」が気軽にできるというわけです。口座にお金を入れ替えることが手間だと思う人には便利なシステムです。

ただし、先取り貯蓄を成功させるには、先取りして減った金額で家計の支出が収まっていることが必要です。始める前にしっかり家計の確認、見直しをしましょう。

お金を貯めるリズムで最も大切なのは、あなたの生活スタイルや家族の状況などに合わせながら、貯金を継続させること。コツコツ、未来のために備えましょう。

お金は貯めやすい時期に貯めて、貯めにくい時期はムリをしない

キャッシュレス貧乏にならないお金の整理術
横山 光昭(よこやま・みつあき)

株式会社マイエフピー代表、家計再生コンサルタント。
お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の問題の抜本的解決、確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。
これまでの相談件数は2万3000件を突破。各種メディアへの執筆講演も多数。
著書は60万部突破の『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は120冊、累計330万部となる。
個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。

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