コロナ禍を経た現在、多くの投資家に取って気になるのが、金融機関の融資姿勢だろう。金融機関の融資姿勢は、この半年の間に、どのように変化しているのだろうか。年収2,000万を超える「新富裕層」に向けて不動産を活用した資産形成の提案を行っているプラン・ドゥのオーナーコンサルティングチームのシニアマネージャーを務める河合氏が解説する。
2011年新卒でプラン・ドゥに入社以来、中古RC造一棟モノの収益マンションに特化し、オーナー様の資産コンサルティングを始め、賃貸募集や、管理まで幅広く業務を経験。
【取得資格】
宅地建物取引士、上級相続支援コンサルタント、賃貸不動産経営管理士、マンション管理士、競売不動産取扱主任者など
金融機関は「新富裕層」への融資には引き続き前向き
新型コロナウイルスに関連する融資などで、各金融機関の担当者が忙しく、我々が扱っている不動産に対する融資審査に時間がかかってしまうという部分はあります。しかし、我々が主に扱っている一棟RCマンションのように手堅い案件に関しては、金融機関も積極的だと感じています。
一方で、変化があった部分として、融資を受ける側のハードルが少し上がっているという点があります。金融機関が融資を受ける方の属性を見る際に、「2,000万」という年収の基準に変化はないのですが、建物や物件を買う時の売買金額に対して、どの程度の金融資産・純資産をもっているか、という点についてより厳しめにチェックするようになっています。
これまでは当社でもよく扱っている2億円くらいの物件の売買となった場合、原則20%程度、4000万円〜5000万円くらいあれば融資が出ましたが、最近は30%以上あるいは50%くらい必要というケースも出てきています。そうなると、2億円の物件を購入する際には、株や現金などの金融資産が5000万円から1億円程度は必要ということになります。
ただ、金融機関ごとにスタンスに違いがあり、今後の市況にについても不透明な部分が多いために一概には言えませんが、新富裕層のような「優れた属性」を持った人々への融資を増やしたいと考えている金融機関はそれなりにあるといえるのではないでしょうか。
今は「買いたければ買える状況」
現在は決して「買い時ではない」ということはないと思います。
というのも、ご自身の属性で融資を引ける新富裕層の方々にとっては、「買いたいときに買える状態」にあると言えるからです。個人の資産背景を重視する傾向や、低金利政策が急に変わっていくことは考えにくいため、景気の変動によって極端に左右されることは少ないと考えられます。そのため、自らのライフプランや既存の物件との兼ね合いの中で物件検討を進めていくことができるのです。
逆に物件をすでに保有している方は、「コロナで株価が半分になっても家賃は半分にならない」ということもあり、無理に売らなくても良いというスタンスの方が多い印象があります。なので、実際の営業現場では、金融機関のスタンスを伝えつつ、「よい物件があれば購入していきましょう」というお話をさせていただくことが多いです。
国税庁の「民間給与実態統計調査(2018年)」によれば、給与収入1,000万円超1,500万円以下3.6%、1,500万円超2,000万円以下0.8%、2,000 万円超2,500万円以下0.3%。2,500万円超0.3%という結果となっています。 つまり、我々の顧客である年収2,000万円以上の新富裕層は日本の給与所得者の1%未満すぎません。
私たちは、こうした新富裕層の方々に収益性と資産性を兼ね備えた物件である「環八×R16 」エリアにある中古RC造マンションを最適解としてご提案しています。こうした物件に対して、新富裕層だからこそ受けられる有利な条件での資金調達を掛け合わせることで、効率的なレバレッジ効果を得ることができるからです。
新富裕層は、そもそも数が少ないので、ライバルがいない、圧倒的に優位なスタンスで不動産投資を行うことができます。更に不動産融資における属性のハードルが上昇傾向にあり、検討者の母数は一層少なくなります。つまり、本来は競合してしまう物件もじっくりと検討した上で買える状況にある。その意味では、新富裕層にとって現在は「買い時」であるということもできるでしょう。