◉農業関連銘柄のまとめ


現在行われる可能性がある農業改革は、輸出拡大に向けた農業の生産性の向上であり、その為にはより農業機械や農薬を活用しての農業の効率化や、高品質な農作物を生産する為の品種改良や肥料の活用などが予想されます。

そこで、分かりやすくするために 農業機械分野、農薬分野、肥料分野、種苗分野と事業分野を4つに分けて関連銘柄を紹介したいと思います。

では、それらの事業分野ごとの概要や課題、注目されている関連銘柄を見てみましょう。

◯農業機械分野

農業機械分野はトラクター、田植機など農作業の現場で使われる農業機械を製造する企業群です。なお農業機械は園芸分野に対する研究開発が遅れており、さらなる開発が求められているようです。

井関農機 (6310)

トラクターやコンバインなど、田植機に強みを持っているようです。

タカキタ (6325)

飼料作りなどの農業機械の製造・販売を行っています。

クボタ (6326)

農業機械の国内トップ企業です。

◯農薬分野

現在、日本の農薬市場には、農薬を専業とする会社から総合化学メーカーまで、業態の異なる企業が数多く参入しています。
現状は、農業従事者の高齢化や後継者不足の深刻化や耕作放棄地の増加などから、農薬需要は漸減傾向が継続しています。しかしTPPの参加によって農業の大規模化が進む過程で農薬の需要も高まるかもしれません。

住友化学 (4005)

住友グループの大手総合化学メーカーです。

アグロ カネショウ (4955)

果樹や野菜向けの農薬販売を専業としているようです。

イハラケミカル工業 (4989)

農薬の原体(農薬の有効成分)の製造を強みとしているようです。

北興化学工業 (4992)

JA全農とのコネクションが強く国内農薬市場の10%を占めているようです。

クミアイ化学工業 (4996)

水稲用除草剤が強みで、農薬専業で首位級のようです。

日本農薬 (4997)

自社製品開発と海外展開に特色があるようです。

◯種子・種苗分野

種子・種苗の企業群は、穀物や野菜の種子などを研究開発・生産・販売をしています。バイオテクノロジーなどを駆使して、付加価値の高い品種を創りだしているようです。

日本の農業では重要な作物である馬鈴薯、お茶、サトウキビはウイルス性の病気に感染しやすいという課題を抱えています。今後生産性の向上と品質の改善を測る上で、病気に汚染されていない優良種苗を普及させるなどの施策が注目されています。

サカタのタネ (1377)

種苗首位級の企業です。ブロッコリー世界シェア60%と、海外展開先行のようです。

カネコ種苗 (1376)

野菜や牧草種子など種苗事業の他に、農薬でも収益を得ているようです。

ベルグアース (1383)

病害虫などに強い苗開発が強みのようです。

◯肥料分野

農業は、土壌から養分を吸って生育した植物を持ち去って利用をする行為です。そして作物に養分を吸われ、痩せた土壌に新たに養分を補給することが肥料の役割です。
現在は世界的に肥料需要が高まっており、いかに長期安定的に肥料の原料を確保するかが大きな課題と言われています。

コープケミカル (4003)

化学飼料大手で、全農系では業界首位のようです。

日産化学工業 (4021)

農薬だけでなく電子材料や医薬品にも手を広げている化学品製造起業のようです。

片倉チッカリン (4031)

配合肥料、育苗培養土などの農業用資材などの製造販売を行っている会社です。

日東エフシー (4033)

有機肥料などの研究開発を行う肥料メーカーです。

TPPの参加によって日本の農業や食料事情がどうなっていくのかは大変難しい問題ですが、新たなビジネスチャンスを生む可能性があり、好影響を受ける可能性のある銘柄も存在します。

現在TPPはで農業関連のニュースに多くの注目が集まっています。しかしTPPの参加によって影響を受ける業界は多分野に及び、その中には今回取り上げた農業関連業界以外にもメリットを享受できる業界が存在します。TPPの動向と恩恵を受ける業界やビジネスチャンスについて、引き続き追って行きたいと思います。