つまり、朝7時に起きる人は、19時~20時が覚醒して作業を行う限界で、22時以降は、お酒を飲みながら作業を行っているのと同じ状況になるということです。
仮にあなたが7時起きで、定時に帰って夕食を済ませ、22時から勉強を始めたとしたら、スタートの時点で、すでにお酒を飲みながら勉強しているのと同じ状態だということです。それでなくても、1日の仕事の疲れがありますから、もうボロボロの状態。こんな状態で勉強しても、集中力が続かず、三日坊主で終わる可能性も高くなります。夜、帰宅してから勉強をするのは非効率です。
同じ時間で作業するなら、朝の新鮮な集中力の高い時間帯に行うほうが、何倍も効果的、効率的なのです。
仕事は、大きく4つに分けられます。「緊急かつ重要なこと」「緊急じゃないけれど重要なこと」「緊急だけど重要ではないこと」「緊急でもないし、重要でもないこと」の4つです。このうち、後半の2つは「重要ではない」のですから、究極はやらなければいい。そして、「緊急かつ重要なこと」は、いや応なしに、残業をしてでも取り組むでしょう。
問題なのは、最後に残る「緊急じゃないけれど重要なこと」です。
実は、この「緊急じゃないけれど重要なこと」は私たちの未来を決めることなのです。にもかかわらず、人間はつい完遂しやすい仕事ばかり片づけて、このタイプのことはあと回しにしてしまいがち。だから目先の仕事が終わっても、なぜか消化不良のようなモヤモヤした気持ちが残ってしまうのです。
私の知人の税理士事務所の話です。顧問先も多く忙しいにもかかわらず、十数人のスタッフ全員に英語を習得(TOEIC800点以上取得)させることを決めました。毎週2回2時間の勉強を4年間続けた結果、今では11カ国で仕事を展開する事務所に生まれ変わることができたのです。
もし、「いつかはやらなければ」とモヤモヤしたまま、「緊急じゃないけれど重要なこと」である英会話の勉強をあと回しにしていたら、今でも国内の税務業務にとどまっていたはずです。世界に通用する税理士事務所になるという目標(G)を達成すべく、「緊急かつ重要な仕事」のみならず、「G+PDCA」のサイクルをしっかり回したこと。そして「緊急じゃないけれど重要なこと」を無理やりにでも計画に組み入れたことが、最大の成功要因です。
このように、どんなに忙しくても、「この時間は必ず将来に影響を及ぼすことをやり続ける時間にする」と決めれば、その時間は夢を実現させる時間に変身します。先の税理士事務所の例は、会社ぐるみの取り組みのため、業務時間に夢を実現するための時間を作れました。しかし、私たちビジネスパーソンがその時間を確保できるのは、朝しか残されていません。
つまり、朝のゴールデンタイムは、私たちにとって夢を実現させる「緊急じゃないけれど重要なこと」に取り組める唯一の時間なのです。
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